アモーレなチャイコフスキー / バッティストーニ 東京フィル 第920回サントリー定期

こういう一夜が稀にあるから、コンサート通いはやめられない。
初の生バッティストーニでのアモーレなチャイコフスキーが凄すぎ。ラストの爆速爆演に乱れぬ東フィル、久しぶりに鳥肌。その流れでのアンコール「威風堂々」は英国人がいたら歌い出すのでは、という名調子でプロムスをしのぐ出来映え。

バッティストーニさんの指揮する最初の曲はウォルトンの『王冠』で戴冠式の為の祝典曲。出だしでの柔らかな統率力がハーディング、ラトルのデビュー当初を思い出させる。帰宅後2種の同曲録音を聴くもこれらは拍子抜け、ウォルトンをここまで格調高く指揮する彼に改めて舌を巻く。

続いてのモーツァルトでは、バッティストーニさんは 時折譜面を見ながらの丁寧な演奏で、三楽章のみ指揮棒をかまえピシッと。コンマスとピアノのかけあいもよく、ちょい早めのテンポで古楽風の演奏。小山実稚恵さんは堅実なピアノ、席が悪かったのか、音が曇ってピアノは十分楽しむことができなかった。

チャイコフスキーはバッティストーニさんの凄まじい形相に出だしからピリリとする。この爆速演奏は、聞き覚えがあるとディスクをツマミ聴きするとロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団盤や同楽団のスベトラーノフ盤がそれに近い。ペテルブルクのオーケストラのほうはムラヴィンスキーもテミルカーノフも、そんな無茶はしていないので、モスクワのお家芸か(笑)。録音と比較するのも酷だが、今日のバッティストーニさんは爆速ながら歌があるのが凄かった。

アンコールのエルガーの「威風堂々」の私の愛聴盤はシノーポリ(笑)。今日も感じたけれど、この曲はイタリア人が指揮したほうがシマるのではなかろうか(笑)。ムーティさんあたりがピシピシとインテンポで振ったら最強だと思う(笑)。

ちなみにウォルトンとチャイコフスキー、威風堂々ではバッティストーニさんは暗譜で指揮。

東京フィルは、管楽器も名手揃いだけど、ヴァイオリンの合奏が美しいオケだなぁ、と感じる。聴いているとヨーロッパにいる気分にさせてくれる。楽器のせいか、彼らのハーモニーがそうさせるのか、縦の線より響きを大事にしているような気がした。とても失礼だけれどもヘマしてもよいから、今夜のような音をかきならし続けて欲しい。

今日の演奏は収録していたようだから、CDが発売されないかなぁ。

<演目詳細>
・第920回サントリー定期シリーズ
4月18日(木)19:00開演 サントリーホール
ウォルトン/戴冠式行進曲『王冠』
モーツァルト/ピアノ協奏曲第26番『戴冠式』
 アンコール ラフマニノフ/前奏曲ト長調
チャイコフスキー/交響曲第4番
 アンコール エルガー/威風堂々 第1番
ピアノ:小山実稚恵
指揮:アンドレア・バッティストーニ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

バッティストーニの音源
エルガー/威風堂々 第1番 シノーポリ/フィルハーモニア菅
レジェンダリー・ソヴィエト・レコーディングス / LEGENDARY SOVIET RECORDINGS
チャイコフスキー交響曲第4番のお勧めであるロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団も入ったお勧めのロシアものお得セット
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックコンサート・演奏会感想へ
↑よろしければ、ランキングにクリックくださると嬉しいです。あやしいリンクではありません-笑