フランクフルト空港の税関申告で申告がなかったと、ヴァイオリニストが楽器を押収された事件があった。
それ以降ドイツの税関や入国時のトラブルに恐れをいだく旅行者が多いようだ。実際、ネット上にはドイツ入国時には、PCやスマホなどの高額品の持ち込みに対して税関での申告が必要であるとか、電子機器等の携行品のリストを用意する必要があるとか、の記事をみかける。
ノートパソコンやカメラを購入した時の領収書を持参するのが良いとの記事もみかけた。
しかし、これらの用意は現在一切不要であるし、ドイツ入国手続きの際には税関の窓口すら目に入らなかった。
一方、こちらの記事『大空港の乗り継ぎ(トランジット)のミスとロストバゲージの恐怖』で書いたように、トランジットの際には注意すべきこともあるので、デュッセルドルフ空港(Flughafen Düsseldorf, Düsseldorf Airport DUS)の乗り継ぎについても、こちらにまとめてみた。
● ドイツ入国時の税関手続き
2012年日本人の有名ヴァイオリニストが高額なヴァイオリンを無申告の脱税扱いとしてフランクフルト空港で押収される事件があった。楽器の値段が1億円と高価であり、その税金と罰金とで4000万円近く請求されたらしい。本業で使う楽器に関税がかかるというのも無茶な話で、結局のところ楽器は持ち主に返却され、他でもこういった音楽家の通関トラブルがあったことから、EU内では職業用具としての楽器の持ち込みや持ち出しについては不問となった。
そもそも、ドイツでも旅行時に使う用具の持ち込みについて通関手続きは不要であり、このことはドイツ大使館のホームページも明記されている。
ドイツ入国の際の税関手続きについて
『通常は、ドイツへ入国する際には旅行荷物には関税はかからず、通関手続きも必要ありません。』
従って、旅先で使うノートパソコンやスマホ、カメラなどを税関で申告する必要はないし、電子機器等の携行品のリストや購入時の領収書も必要ない。
これはドイツの空港を利用して他の国に行く時、すなわちトランジット(乗り継ぎ)で他の空港に赴く時も同様である。
EU圏のシェンゲン協定を結んでいる国への渡航する場合は、EU圏で最初に入国した国で税関審査を含めた入国手続きをすることになる。つまり、ドイツ経由で他国に行く場合はまずはドイツで入国手続きをしなくてはならない。
その際、機内持ち込み手荷物はドイツで申告義務が発生することになるが、旅行用の私物であるスマホなどの通関手続きは不要とのことになる。また、機内預け入れ手荷物を一旦ピックアップして、同じ空港内で再びチェックインする場合もドイツで申告義務が発生する。しかし、最近こういったケースは見かけない。たいていの機内預け入れ手荷物はスルーバゲージと言って、最終目的地までピックアップせずに運ばれるので、その場合は最終目的地での税関申告となる。そして、その 最終目的地のルールに従うことになる。
ドイツの空港では、申告の必要がない場合は緑のゲートを通過しそのまま放免となる、一方、通関手続きが必要な場合は、赤いゲートを通り税関で申告するようになっている。その為、私物しか持っていない通常の旅行者は緑のゲートを堂々と通ればよい。また、デュッセルドルフ空港のように、税関に気がつかず通り過ぎてしまうこともある。

● デュッセルドルフ空港 乗り継ぎ(トランジット)
今回利用した航空会社はANAで、投薬はコンコースA(ターミナルA)であり、乗り継ぎ所用時間は1時間40分。空港が定めている最低乗り継ぎ時間は35分であり、乗り継ぎ時間50分程度で臨む方も多いようだ。ただし、諸事情により発着が30分程度遅れると乗り継ぎが難しくなるので、できれば1時間以上はみたほうがよいと思われる。こちらの記事『大空港の乗り継ぎ(トランジット)のミスとロストバゲージの恐怖』で書いたように行きの旅でのロストバゲージは時間を含めて失うものが大きいから要注意だ。
乗り継ぎ時間が短い場合は搭乗前のカウンターで「Transfer Short 」のタグをつけてもらうことも可能らしいので、気になる場合は試してもよいと思う。但し、時間がタイトで飛行機間の荷物の移動が物理的に不可能な場合もあるだろうから、やはり乗り継ぎ時間はチケット手配時に充分注意したほうがよいだろう。
幸いこの時は時間通り到着し、トランジットの時間も1時間40分と充分にあったので、余った時間はドイツ到着記念としてカフェで美味しいビールをいただいた。

デュセルドルフ空港は簡単に接続できる無料Wi-Fiが30分間使えるのも助かる。ドイツ第3位の利用客がいる空港なので飲食店や小売店も多く不自由しない。

● デュッセルドルフ空港 ターミナル間の移動、乗り継ぎルート
デュッセルドルフ空港でのターミナル間の移動、乗り継ぎでは迷うようなことはなかったが、それなりに長く歩き複雑だったので写真でたどってみる。

ANAはデュッセルドルフではコンコースA(ターミナルA)に到着する。ただ、上下階への移動があり少々複雑なのでANAの乗り継ぎ地図では移動経路はイメージしにくいかと思われるので、以下順を追って写真を並べてみた。


















