プラチナチケット入手のドタバタと会場で欧州旗が目立ったわけ / BBCプロムス最終夜の裏側では

前回からの続き。BBCプロムス(The Proms)とは、ロンドンのハイドパーク横の巨大ホール、ロイヤル・アルバート・ホールにて8週間にもおよぶ世界最大の夏のクラシック音楽祭。そして最終日の夜は盛大に盛り上がる。これは Last Night of the Proms と呼ばれ、BBCによって英国各地の野外会場と中継もおこなわれる一大イベント。愛国的な側面が度々物議を醸す。
このBBCプロムス最終夜のチケット入手のドタバタが面白かった。また、会場内で欧州旗が目立った舞台裏について。

●BBCプロムス(The Proms)チケット入手までのドタバタ、二転三転の後に極上の結末

最終夜は2ヶ月にも及ぶイベントの最後を飾るものなので大人気。当然、チケットはプラチナ化して、豪腕な日本のチケット手配師の方々もこの日だけはお手上げ。そこで、以前のメトロポリタンオペラでアンナ・ネトレプコのリサイタルのチケット入手で使ったチケット売買サイトStubHubを覗いてみた。確かにいくつかチケットはあるのだが、やはり強気の値付けで最高額は10万円を超えるものまである。以前こちらでチケットを買った際には、メールにチケットのpdfを添付する形で送られてきた。しかもそのチケットはスキャンする際に1/4ほどが切れている(笑)。そんな雑な感じなので、このサイトは信頼性は薄いのだけけれど、せっかくの聴く機会を逃したくもない。そこで、受取ができなかったら、代金を捨てる覚悟で、最上階の一番安いチケットを選択してみた。

ところが、選択ボタンをクリックしても、なかなか決裁画面に移らない。これは購入できないかな、と思った時に携帯に電話が入った。なんと、そのサイトStubHubの管理者からであった。

「うまくいかないのか?、今サイトに入れるようにしたから。それと、ディスカウント10%のコードも送る」と先方。ちょうどよいので「チケットは郵送と書いてあるけど、ちゃんと指定日までに日本に届くかな?」と私。「なら、私のロンドン中心地にあるオフィスにチケットを転送しておくよ、そこで受け取ればどうか」と彼。「じゃあ、メールでオフィスの場所を教えて」と私。

そうしたやりとりの後、すんなり、決裁でき、形式上はチケットが確保できた。そして、ロンドンに到着してチケットの現物を受取る日。いそいそと指定されたオフィスに向かい、チケットを預かってもらっている旨、受付に伝える。早速、受付の方がゴソゴソとチケットの束から探し始める。しかし、どうも怪しい。そのうちに、奥に行ったり、カウンターに戻ってきたり、あたふたしている様子だ。そして、そのスタッフの方が突然片っ端から封筒を開けだし、ヤバい感じがジワジワ伝わってくる。もしかしたら手違い発生かな、と思いつつ、気ぜわしいスタッフの姿を眺めていた。そして、5分ほど経ったところ「これ」とチケットを提示された。

チケットを入手してひと安心@Tottenham Court Road

なんとか見つかったらしいが、自分の購入した席とは異なり、番号を見るとかなり良席のような・・・。
「チケットの内容が変わったけど、これでよいみたい」とスタッフ君が言う。ともかくチケットを受け取ると、件のサイト管理人からメールで「アップグレードしといたから」と(笑)。なんじゃそれ?、チケットが余ったのか、手違いなのだろうが、とりあえず10%割り引いて、アップグレードなら文句はない。(その後、入場して気がついたのだけど、最前列から2列目の舞台真正面、たぶんほぼベストの席で、10万円超の値付けがなされていた席でなかろうかと思う。)

アップグレードがなければこちらの最上階席@Royal Albert Hall

●NHKの放映でプロムスを振り返る、会場にいつになく欧州旗が目立った理由

こんなドタバタ劇の末になんとか手にしたコンサートチケット。StubHubの配慮で、なぜか特等席にアップグレードされ、今となってはかなり思い出深い。そして、その年の年末にNHKプロムス2017 ラスト・ナイト・コンサートが放映されたので、改めて観てみた。

NHKの放送には嬉しいことに、すべて字幕がついている。コンサート終了後、早々にBBCはYouTubeにコンサートの全容をアップしていたのだけど、いかんせんMCの面白話や指揮者の長台詞の意味が今ひとつわからない。さらに合唱曲が多いこのコンサートでは、NHKがつけた日本語の歌詞を見ながら鑑賞できるのも具合がよい。

そんな感じで画面を見つつ、ふと思い出したのが、振られている旗。いつものプロムス最終日はユニオンジャック(英国旗)が多いのだが、今回は欧州旗であるEUの旗がかなり目立つ。

目立つ大量のEU旗@Royal Albert Hall

その理由は高まるBrexitの問題。番組では触れていなかったが、会場の外では、EU離脱反対派の大きな抗議運動があり、プロムス入場待ちの観客に 欧州旗を熱心に配布していた。会場の振られている英国旗のほうは有料で、小遣稼ぎのオジさんが街頭売りしている。一方、EU離脱反対派は無料で欧州旗を配るものだから、会場ではかなり欧州旗が目立つ結果となっていた。また、プロムスの平土間は(長蛇の列を覚悟すれば)当日券を購入し入場できるので、こういった反対派の方々も入場しているのかもしれない。実際のところ、プロムス最終夜で振る旗は自由で、スコットランド旗や日の丸含め、会場内では各国の旗がひらめいている。(次回に続く)

【NHKの番組表】
12月18日(月)【12月17日深夜(日)深夜】午前0時30分~4時35分
◇プロムス2017 ラスト・ナイト・コンサート(0:32:30~3:11:00)
<曲 目>
交響詩「フィンランディア」 シベリウス 作曲
楽劇「トリスタンとイゾルデ」から 前奏曲と愛と死 ワーグナー 作曲
歌劇「ザ・ガールズ・オブ・ザ・ゴールデン・ウェスト」から ローラ・モンテスがスパイダー・ダンスを踊る ジョン・アダムス 作曲
行進曲「威風堂々」第1番 エルガー 作曲 ほか

<出 演>
ソプラノ:ニナ・シュテンメ
ソプラノ:ルーシー・クロウ
メゾ・ソプラノ:クリスティーヌ・ライス
テノール:ベン・ジョンソン
バス:ジョン・レリエ

<合 唱>
BBCシンフォニー・コーラス
BBCシンガーズ
アヌーナ
BBCウェールズ・ナショナル合唱団

<管弦楽>
BBC交響楽団
BBCスコットランド交響楽団
BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団

<指 揮>
サカリ・オラモ
スティーヴン・ベル
ギャヴィン・サザーランド

収録:2017年9月9日 ロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン)

イギリス / ロンドン

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