旅の準備はマルセイユ石鹸(アレッポ石鹸/オリーブ石鹸)の切出しから。マルセイユ石鹸は洗顔石鹸、入浴石鹸としてだけでなく、シャンプーにも洗濯石鹸にもなる。これ一個ですべてこなす優れもの、旅行での持ち運びも楽で旅行石鹸そのもの。快適な旅の必需品。
そして、アレッポ石鹸のシリアでは・・・
・オリーブ石鹸(アレッポ石鹸)が旅の常備品
ヨルダンなど中東に行く度に良質安価なアレッポ石鹸を大量に買い込んでいた。それ以来、アレッポ石鹸などのオリーブ石鹸が旅の常備品になっている。
石けんの切り出しはソープカッターで。石鹸の下から針金を通すと、スィーと切れ、宿泊日数に応じて切り分けられる。洗顔石鹸以外にも使えて万能な上に、旅行での持ち運びも便利、重宝この上ないのがアレッポ石鹸。

・アレッポ石鹸のシリアでは
そのアレッポがあるシリアであるが、今ではたいへんなことになっている。シリアを訪ねたのは1999年。今は亡きパルミラの遺跡群を訪ねた。その時は、こんな砂漠のまっただ中の遺跡が戦地になるとは考えすら及ばなかった。
パルミラ行きは首都ダマスカスからバスで5時間あまり、日帰りするにはかなりキツい強行軍となった。途中、なにもない砂漠を延々とバスに揺られたことを覚えている。たいへんな道中だったが、今にして思えば、あの時を逃すとパルミラの遺跡群に囲まれた豊かな景色を二度と見られなかったことになる。

遺跡群から離れたところに墳墓の谷という所があり、紀元103年に創られた墳墓がある。そこにあったフレスコ画の美しさと彫像の保存状態に息を呑んだ。

これら最古の遺跡が破壊、転売され、更にはそこで人命までもが失われていることに胸が痛む。
当時からアサド大統領は威圧感たっぷりで秘密警察国家の悪名もあった。でも、4000年の歴史あるダマスカスのスーク(市場)は香水、タバコ、絨毯、金銀の食器、民族衣装、香辛料にあふれており、これらが雑踏、ゆきかう声々、むせかえる臭いに共鳴して『豊か』そのもの。
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町中ではハリウッド映画が上映され映画館には人の列、自国産のコカコーラだってあった。猛暑の砂漠の国ながらカフェでは青々としたサラダが供される。これが肥沃な三日月地帯か、と感心した。

パルミラに加えて、ダマスカスから足を伸ばし、中世の美しい、いや美しかったアレッポも訪れればよかった、と非常に悔やんでいる。