海外で財布のスリにあった!クレジットカードを紛失した! / トラブルを想定して安心、安全なクレジットカードの持ち方、選び方

海外で財布のスリにあった!クレジットカードを紛失した! / トラブルを想定して安心、安全なクレジットカードの持ち方、選び方

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ノートルダム大聖堂の前でスリに遭ったお話、そこから得たクレジットカードの利用停止や再発行の際のノウハウ。
実はなかなか使えるJCBカードの話題や絶対紛失してはならないのはパスポートである件など、旅の盗難紛失にかかわるあれこれをまとめてみた。
そして、事故なんかにこだわらず大らかに旅を楽しむほうが得策であることを、親切丁寧だったフランス警察(Commissariat central de police de Paris 5e arrondissement)や待ち時間で立ち寄った国立中世美術館/クリュニー中世美術館(musée national du Moyen Âge Paris)の思い出から振り返る。

盗難の際にとても親切だったフランスの警察官
クレジットカード使用停止処理をする際の注意
移動旅やレンタルアパート利用時(フロントがない宿泊時)の場合の注意
JCBのクレジットカードはなかなか使える
命綱はパスポートとクレジットカード
無事にクレジットカードを再発行して、早速JCBカードを活用
クレジットカードの紛失盗難対策(まとめ)

● 盗難の際にとても親切だったフランスの警察官

スリにあった 紛失した 安全なクレジットカードの持ち方
 ノートルダム大聖堂 @Cathédrale Notre-Dame de Pari
ノートルダム大聖堂 @Cathédrale Notre-Dame de Paris

ノートルダム大聖堂の入口でスリにあい、財布をとられてしまった。入場待ちをして並んでいた際にやられたらしい。ゲート手前で入場券を財布から出し、ゲートをくぐって財布に入場券を戻そうと思った際に財布がないことに気がついた。その間、あっと言う間の1~2分の出来事、全く気がつかなかった。

入口付近の寺院の彫像があまりに見事でそちらに見とれている時に隙があったのかもしれない。クレジットカードも盗られてしまった財布に入っていた為、急遽警察に届けねばとなり、朝から手造り弁当持参でシテ島散歩巡りのはずが、その計画も白紙となってしまった。

スリにあった 紛失した 安全なクレジットカードの持ち方
 見とれていたノートルダム寺院の入口彫像 @Cathédrale Notre-Dame de Paris
見とれていたノートルダム寺院の入口彫像 @Cathédrale Notre-Dame de Paris

いろいろお巡りさんの手を煩わせてしまいつつ、その際に感じたことは、フランス警察の方々が驚くほど親切であったこと。昨今の欧州は街中に警官が多いので「財布をとられたらしい」と言った際の街場の警察官の方の相手への共感の表情が半端ない。揃いも揃って気の毒そうなお顔をしてくださり、こちらのほうがちょっと恐縮してしまうレベルなのだ。

出会った警官皆さん、ことごとくがそのような丁寧な感じで、かなりフランスという国を見直してしまった次第である。そして、駆け込むべき付近の警察署(Commissariat central de Police)も付近の警察官が親切に指し示してくださった。

更に警察署に行っても驚くことが続く、事務的なそっけない対応をされると思いきや、丁寧に聞き取りをし、しかも署内には被害届が国別に準備されている。当然、日本語版も備え付けられており、それに基づいて聞き取りをおこない書類準備も素早く対応してくれた。

また、対応してくれた警察官にお願いしたところ、その場の電話も自由に使わせてくれ、警察官が書類作成している合間に、カードの停止から再発行までの手続きを短時間で済ませることができた。おかげで、円滑にクレジットカード盗難の対処を終えることができた。尚、朝作ったサンドイッチは結局、警察署内で最後の手続の時間待ちの際に食べるはめになり、持参したワインはさすがに署内では遠慮した。

スリにあった 紛失した 安全なクレジットカードの持ち方
 パリ5区中央警察署 @Commissariat central de police de Paris 5e arrondissement
パリ5区中央警察署 @Commissariat central de police de Paris 5e arrondissement

● クレジットカード使用停止処理をする際の注意

パスポートや航空券を含めたチケット類は財布とは別に管理しており、いつものことながら現金はあまり持ち歩かないので、金額被害を含めてたいした被害はこうむらなかった。ただ、クレジットカードをすべて財布に入れていたのが失敗であった。これらすべてのカードを使用停止処理はしなくてはならない。そこで重要なのが、こちらの連絡先である電話番号の伝え方である。

現地で調達した携帯電話を使っている場合は、カード会社にその旨を伝えなければ、電話を受け取れなくなってしまうのである。クレジットカード会社のオペレーターはたいてい勝手のわかった日本人で、こちらも当然日本の携帯キャリア所持者と勘違いする。そこで、クレジットカード会社は国番号を入れた番号で電話をかけてくる。しかし、その場合の電話はこちらにはつながらない。これは国番号不要の現地調達のモバイルSIMを入れたスマホや携帯電話でも同じである。

いくら待ってもカード会社から電話連絡が来ないとならぬように、あらかじめ「こちらの電話番号は現地キャリアの電話なので国番号は不要です。」とクレジットカード会社のオペレーターには伝えておくことが大切である。

海外モバイルSIMの購入方法の詳細については、以下のブログ記事「旅行はSIMフリースマホとタブレット2台持ちで快適に / 海外SIMの各国での購入の仕方、準備、使い分け」をご参照ください。

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● 移動旅やレンタルアパート利用時(フロントがない宿泊時)の場合の注意

もうひとつ気をつけなくてはならないのは再発行されたクレジットカードの受取り方である。実はクレジットカードを受け取る際に直接の受取りが不可能なカード会社が多い。VISAでもそのように言われ、他国でもよいから大都市の支店に取りに行くと言っても聞き入れられず、どこにいても郵送対応で2~3日かかるとのことであった。そうすると、ホテルに逗留せずに移動を重ねるような旅スタイルであったり、フロントサービスのないレンタルアパートを利用していたりすると、とても困ってしまう。

更にVISAカードでは、いつでも連絡できるこちら側の電話番号を伝える必要もあった。すると、携帯電話なども盗難に遭っている場合は辛い上に、ホテル泊ではないかぎり先々の連絡にも不安が残ってしまう。そこで、クレジットカードは分散管理をして、いかなる状況でも1枚は手元に残るようにし、旅行中は紛失したクレジットカードの再発行を諦めても大丈夫なようにしておく必要がある。そして、カード会社によって対応が様々であり、サービスの行き届いた支店がたまたま当該地にあるかもしれないので、カード会社は1社に揃えず、VISA以外にもマスターカード、アメックスなど各社のカード会社のものをもっていたほうがよい。

● JCBのクレジットカードはなかなか使える

JCBのクレジットカードは、VISAなどに比べれば海外で使用できる店舗が少なく、これまでは正直アテにしていなかった。たまたま所持していたアイワイカードの提携先がJCBカードであり、この時はこの偶然に救われた。

偶然にもJCB欧州の拠点がパリだったこともあるが、クレジットカードの再発行を速攻(1~2時間)でしてくださった上に、JCBオフィスで再発行したカードを直接受取ることが可能であったのだ。幸いにして、このカードはキャッシングもできる上に限度額も充分だったので、先々の旅も全く不安がなかった。

スリにあった 紛失した 安全なクレジットカードの持ち方
 JCBプラザ ラウンジ・パリ @JCB PLAZA
JCBプラザ ラウンジ・パリ @JCB PLAZA

一方、VISAカードは電話対応でのオペレーターが手続き論重視で時間を要し、あげく担当者によって話が異なった上に、カードはいかなる地域でも直接の受取は不可で、郵送対応で2~3日要するとのことだった。そのため、何枚か所持していたVISAカードは、対応に手間をとられたばかりでなく、この時の旅では使うことすら断念せざるをえなかった。

そして、VISAカードは連絡できる当方側の電話番号が必要とのことなので、先の話の通り携帯電話もいっしょに紛失、盗難にあった場合には窮地となってしまう。一方、JCBでは担当者が割り当てられ、その方を中心としてやりとりをすればよいので、こちらからの随意の連絡も可能であった。また、担当者が決っているのでVISAのように電話の度に話が食い違うこともない。今や海外でも公衆電話は少なくなっているから、場所を選ばずこちらから連絡できる利点は大きく、担当が決っている安心感も大きなメリットと感じた。

● 命綱はパスポートとクレジットカード

旅先でのパスポート再発行はクレジットカードの再発行以上にたいへんである。時間も要する上に日本から戸籍謄本取り寄せたりすることまで必要となるそうだ。そして、パスポートなしでは他国へ移動もできず、帰国もままならないので、パスポートを紛失すると、とにかく大変である。このパスポート再発行作業が発生すると旅行どころではなくなってしまう。それ故にパスポートの紛失の事態だけは避けたい。今回はパスポートの被害は逃れたが、これは鞄の奥底にしまっていた為であった。

逆にパスポートさえ紛失せず、クレジットカードが1枚でもあれば旅は続行できる。クレジットカードさえあれば、携帯電話を含めて、ほとんどのものは現地で調達が可能であり、キャッシングすれば宿泊地への帰路も確保でき、路頭を彷徨うこともない。そこでパスポートとクレジットカードの1枚を絶対盗難紛失にあわないようにセットでしまっておくのが賢明だ。

また、ホテルによっては貴重品をホテルに置いたままにするのは不安なところもある。そこでちょっと不安な地域に行く時は、文字通りパスポートを肌身離さないようにバックパッカー時代に使っていた首から下げるパスポートケースを復活させたりもしている。鞄などにパスポートを入れても、ひったくりに合うともかぎらないからである。

ただ、用心しすぎて気ままな旅を台無しにもしたくないので、あまり事故を気にしすぎるのもつまらない。このところ旅先では、やたらと他人から道を尋ねられるし、カメラの「シャッターを押してくれ」とよく頼まれもする。こうした時のちょっとした会話は楽しいものだ。また、コンサートの隣席の方や店舗や博物館のスタッフなど地元の方とのちょっとした対話も大切にしたい。

そうすると、出会いを減らすような不機嫌顔はしたくないし、きままな旅のスタンスを変えたくもない。旅でのトラブルはつきもの、財布など紛失したり盗られてもよいと割り切ることにした。そして、今では普段使いのクレジットカード1枚を入れた少額支払用の財布を用意することにした。

いずれにせよ、クレジットカードは財布以外にも分散管理しておけば、カード再発行の必要性はなかった話なのだから、ことは簡単である。通常の財布以外にもうひとつ別の財布を用意し、そちらにもクレジットカードを1枚入れ、更にはパスポートを保管するところにもクレジットカードを1枚締まっておく。最近はこのように3段構えにしている。

しかしながら、この後、延べにして数ヶ月も海外旅行をしているが、スリにも紛失にも1度も遭遇していない。まあ、備えあれば憂いなしで、更に能天気な旅のスタイルを持続するとスリの視野にも入らないのかもしれない。

● 無事にクレジットカードを再発行して、早速JCBカードを活用

スリ被害で、お世話になったパリ5区中央警察署(Commissariat central de police de Paris 5e arrondissement)を後にして、その近くにあった一角獣のタペストリーで有名な国立中世美術館/クリュニー中世美術館(musée national du Moyen Âge Paris)に立ち寄り、クレジットカード再発行までの時間をつぶした。

この日、気を取り直して訪ねた、この国立中世美術館に行ったことがきっかけになって、俄然中世の欧州世界に興味が沸いた。そして、翌年以降のニューヨークのクロイスターズ美術館やルーマニア旅行、シャルトル大聖堂訪問につながった。旅は、なにがきっかけとなって拡がるかわからないから面白い。

スリにあった 紛失した 安全なクレジットカードの持ち方
 クリュニー中世美術館の一角獣 @Musée de Cluny - Musée national du Moyen Âge
クリュニー中世美術館の一角獣 @Musée de Cluny – Musée national du Moyen Âge

そして、カードができあがる頃に中世博物館を後にしてオペラ座そばのJCBラウンジへカードを受け取りに行く。到着すると、すでにカードはできあがっていて、とても丁寧な対応をしてくださり、こちらも大感謝であった。

スリにあった 紛失した 安全なクレジットカードの持ち方
 JCBプラザ ラウンジ・パリ @JCB PLAZA
JCBプラザ ラウンジ・パリ @JCB PLAZA

お次は紛失した財布の調達である。財布を新調するよい機会であるから、オペラ座裏の老舗百貨店 ギャラリー・ラファイエット (Galeries Lafayette)で出かけた。手頃なフランスの財布が選り取り見取りで、土産を兼ねた良い買物ができた。未だにこの財布を見るとパリのことを思い出す。そして、支払はもちろん、JCBカードを使ってのお買い上げである。

スリにあった 紛失した 安全なクレジットカードの持ち方
 ギャラリー・ラファイエット @Galeries Lafayette
ギャラリー・ラファイエット @Galeries Lafayette

財布を入手しても現金が入っていないので、JCBカードを使ってATMでキャッシングをする。海外では国際キャッシュカードよりもクレジットカードでキャッシングしたほうが手数料など手間賃がかからないのでキャッシングもさほど気にかけず利用できる。

そして、大都市であれば街のいたるところにATMがあるので、高額の現金を持ち歩くよりも都度必要に応じて現金は引き出せばよい。実際、今やどの国も店舗ではプリペイドカードかクレジットカード決済が主流なので、欧州で現金はほとんど使うことがないのが実情だ。

こんな具合で朝からいろいろあったが、JCBカードのおかげで午後は通常の1日となり、夜はゆったりバスティーユでオペラを観劇できた。

● クレジットカードの紛失盗難対策(まとめ)

貴重品の盗難は注意をすることで避けることができるが、ある程度覚悟しておいたほうがよい。盗む相手はプロなのだから、多少気にしたところで防ぎようがないのが実状である。そして、旅の最中は移動続きなので、物を忘れたり紛失したりはある程度の想定をしておいたほうがよい。むしろ旅の最中に注意ばかりしているほうが、気疲れするし楽しくもなくなってしまう。それ故に、現金やクレジットカードの盗難や紛失には遭っても困らないように対策をしておくのが1番である。

① VISA、JCB、Mastercard、American Expressなどクレジットカード各社別々のものも旅先に持参する

滞在地の最寄りにカード会社のサポート窓口があると再発行等で助かる為、各種あったほうがよい。また首都でもカード会社の支社がないケースもある。なかでも、 緊急発行ができるJCBカードは必携。尚、アイワイカードやセブンカードは問題なかったが、同じJCBカードでも提携先によっては海外での再発行不可なので注意が必要。

② 旅先ではクレジットカードは分散管理

クレジットカードが1枚残っていれば旅を続けることができる。そこで少額現金が入った小口支払用の財布、多少現金が入った本命財布、パスポートケース、ホテルの金庫内とクレジットカードを分散しておくのがよい。また、旅の同行者がいれば相方に1枚渡しておくのも手だろう。ちなみに、本命のクレジットカードと言うのもある。事前購入したオンラインチケットなどの引き替え時にクレジットカードが必要となることがある。そのため、こちらは同じくパスポートと同様にしっかりガードをしておくとよい。

③ パスポートは絶対に紛失盗難に合わないような対策をとる

旅先でのパスポート再発行はクレジットカードの再発行と比較にならぬほどの労力が必要で、旅先で身動きすらとれなくなるのでこれだけは絶対避ける。

④クレジットカード使用停止処理などで伝える電話番号では国番号の要否を必ず伝える。

現地キャリア電話機か日本で使っている電話機かによって国番号の要否が異なる。これを伝えないと先方からの電話を受け取ることができなくなってしまう。

⑤JCBカードは1枚持参しておくと良い。

トラブル対応時に担当をつけてくれ相互の連絡も円滑である点、拠点でクレジットカードを再発行してくれ支店で受け取ることができる点はなにかと心強い。

フランス / パリ

・ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)
6 Parvis Notre-Dame – Pl. Jean-Paul II, 75004 Paris
・パリ5区中央警察署(Commissariat central de police de Paris 5e arrondissement)
4 Rue de la Montagne Sainte Geneviève, 75005 Paris
・JCBプラザ ラウンジ・パリ
10 Rue de la Paix, 75002 Paris
・国立中世美術館 / クリューニー美術館(Musée de Cluny – Musée national du Moyen Âge)
28 Rue du Sommerard, 75005 Paris