梅雨が明けるといよいよツーリングシーズンの幕開けです。皆さん準備はできていますでしょうか。私は、さてバイクに乗ろうかなと思いきや、なんとバッテリーが昇天していました。乗らない際はバッテリー充電器(BMW純正 ヘラープラグ付バッテリー充電器)で充電を繰り返ししていたのですが、つい充電を失念する期間もあり、それがいけなかったようです。
しかし、BMW R1150R のバッテリー交換はたいへん、タンクを外さないとバッテリー交換ができないので一苦労なのです。
やはりたまに走らせたり、マメにバッテリー充電をしておいたほうがよいですね。しかし、バッテリーを交換すると良いこともあります。ABSなどが付いている為、バイクのくせに非常に電気食いの車両なのでバッテリーが新品であると、若干エンジンも好調な気もしています。
今回の交換で、今年の夏は新バッテリーで好調なエンジンでのツーリングを楽しめそうです。それでは、BMWバッテリーの交換方法についてレポートいたします。
今の時代、オートバイはほとんど趣味の世界のものだから、各社走行性能の向上を熱心に競っています。そうすると、車体の軽量化を追求することになり、問題となるが、バッテリー。基本的に液体なので重い上に、スペースをかなりとられてしまう、一方軽量化すると電力が弱まってしまう。とてもやっかいなシロモノなのがオートバイのバッテリーなのです。そこで、各社ギリギリのサイズと電力容量を狙ってバッテリーを設計しています。また、大型バイクになると始動時に、車並みのモーターを積む必要があり、当然消費電力は大きくなるので、蓄電するにも町中を少々走ったくらいでは充電できなかったりもします。
なので、バッテリーの充電器は必需品で、更には定期的なバッテリー交換も大切になってくるようです。
●BMW R1150R バッテリー交換に必須のもの
・新しいバッテリー(秋月電子バッテリー)
・T20とT40のトルクスネジ
・6mmのドリルビット
・バッテリーの取り付け金具に応じたスパナやドライバー
ちなみにいつも使っている充電器はコチラ。 BMW R1150R ではエンジン横にあるソケットから直につなげることができます。
●BMW R1150R バッテリー交換使用器具の詳細
・秋月電子バッテリー
バッテリーは評価の高い秋月電子のものを利用しました。
Kung Long / WP20-12 (GP12170 PE12V17 NPH16-12T 12m17W HF17-12A 12SSP18互換) 12V用 サイクルバッテリー シールド型 MF
・トルクスネジビットセット
T20とT40と2つ必要になるのでセットで買ってしまっても値段はさほど変わりません。また、Amazonのこちらの低価格商品でも十分使用に耐えます。
・T型ソケットハンドル
トルクスネジを回すにはT型ソケットハンドルが便利です。多少力を入れることができる上に、くるくると遠心力でハンドルを回転させることによって楽にネジをはずすこともできます。
・電動ドライバドリル
コチラの記事「BMW パニアケース(サイドボックス)の改造」の時に使用したドリルが役に立ちました。 リョービ(RYOBI) BD-70という機種になります。金属に穴を開けるためには、これに類する多少パワーがあるものがよいと思います。
・ドリルビット
前回のパニアケース改造の際はφ4.5(4.5mm)を使いましたが、今回はφ6.0(6.0mm)が必要になるのでドリルピットもセットで購入しておくとよいと思います。
・T型ソケットハンドルと電動ドライバドリルのアダプタ
こちらはT型ソケットハンドル差込角3/8インチ(9.5mm)を1/4インチ(6.35mm)に変換したり、電動ドリルドライバーに取り付けたりすることができるアダプターになります。もっているソケットレンチなどがすべてT型ハンドルやラチェットハンドル、電動ドライバーにつなぐことができ、とても便利なツールです。
●BMW R1150R バッテリー交換手順
さて道具が揃ったら早速取りかかります。所用時間は1時間半程度をみておけば余裕でしょう。
①オイルクーラーのカバーを外す。
赤い矢印部分のT20のトルクスネジ2本ををはずします。
カバー上側は、赤い矢印部分の2つのクリップではめ込み式になっているだけなので、オイルクーラーのカバーに上方に引き上げるとオイルクーラーがむき出しになります。
②オイルクーラーを前にずらす。
オイルクーラー下部の赤い矢印のT20のトルクスネジ1本をはずします。
オイルクーラー上部の赤い矢印のT20のトルクスネジ2本を外します。そのままオイルクーラー本体を前にひっぱればタンクが後ろに引き出せるようになります。
③車体右側のみにある黒い小カバーと後方サイドカバーのネジを外す。
赤い矢印の T20のトルクスネジ 1本を外し、下にずらすと簡単に外れます。この時、サイドカバーの緑色の T20のトルクスネジ を1本外しておきます。
④小カバー裏にある電源コネクタと燃料ホース2本を外す。これらを外さないと燃料タンクが車体から離れません。
1.電源コネクタは左側のつまみ(緑の矢印の先)の上下をつまむと外せます。
2.燃料ホースはコネクタ式と写真(赤い矢印の先)のようなホースバンド式があります。コネクタ式は着脱が楽ですが、ホースバンド式は要領よく 燃料ホース の対処をしないと燃料が大量に漏れてしまうのでやっかいです。マイナスドライバーでホースバンドを緩めたら、太い方(タンクから流れる上方部分)のパイプを上向き折り曲げガムテープで巻いて流れを止めてしまいましょう。これを2本とも同様に処理をします。尚、垂れたガソリンを即座に拭けるように布を用意しておくとよいと思います。
⑤シート下のオーバーフロー用のホース2本を外す。
シートを通常通り外して、ホースを上方に引き抜けば簡単に外れます。
⑥燃料タンクを外す
赤い矢印のT40のトルクスネジ1本を外します。タンクの加重がかかっているので少しタンクを浮かせる必要があるかもしれません。
矢印の方向に両手で燃料タンクを持ち、やや上方気味に水平に引っ張ると燃料タンクを外すことができます。
こちらの燃料タンク設置詳細図では、T40のトルクスネジは4に該当し、5と6のパーツが次の写真になります。構造を覚えておきましょう。
緑の矢印は先の燃料パイプを折り曲げてガムテープで巻いている部分になります。 燃料タンクは前方の赤い矢印部分凹が次の写真の赤い矢印先 凸 に、はまっているだけの構造になります。
⑦バッテリーの交換
旧:純正バッテリーと新:秋月電子バッテリーを並べると、秋月電子バッテリー のほうが少し低く、薄くなっています。布などのスペーサーを用意して、設置の際には下にスペーサーを敷き、角にあてて調整する必要があります。
また、端子の穴が秋月電子のバッテリーが小さい為、端子のボルトが入りません。そこで6mmのドリルビットと電気ドリルを使って、赤い矢印部分の穴を拡張します。
⑧見事バッテリーは車体に納まりました。
あとは元の手順で元に戻します。ネジやパーツは外した順に並べておくと組み戻しやすくなります。
タンクを水平にスライドして据え付ける際は、多少神経を使いますが、その他はすいすいとパイプやコネクタを結線して、ネジを締めていくだけになります。タンクを据えつけた段階で一度エンジンを始動させバッテリーの状態を確認してもよいと思います。
それでは、梅雨明けのシーズン到来に備え、素敵な季節のツーリングを満喫しましょう。
※ちなみにスクーターのバッテリー交換はこんなに↓楽ちんです(笑)。あまりの違いに唖然。