ヴロツワフ(Wroclaw) 観光ガイド / 小人だけではない、散策楽しいナドドジェ地区、圧倒的な博物館と美術館のあるシレジアの街

旅のテーマのひとつをシロンスク/シレジア地方巡りと設定した為、その中心都市であるヴロツワフ / ブロツワフ(ドイツ語名ブレスラウ)訪問は必須だった。
ここは、ポーランド第4の都市だけあって規模も大きく、歴史は古くクラクフやグダニスクにも負けない美しい街である。
元はスラブ民族の土地であったが、その後ハプスブルク家支配下も長く、長く続いたドイツ人の流入と支配でドイツ文化の影響も大きい。
観光地としてはあちこちにある小人の像が有名だが、訪れてみると立派なオペラ劇場にコンサートホール、たくさんの大きな美術館からアートの街であることがわかる。そして、ナドドジェ(Nadodrze)地区のストリートアートにみられるように現代においてもその文化的な息吹が感じられる。

ヴロツワフへ / バスの旅
ブロツワフ(Wroclaw)/シレジア地方について
ヴロツワフの博物館
・ヴロツワフ市歴史博物館
・ヴロツワフ大学博物館
ヴロツワフの美術館
・ヴロツワフ国立博物館
・ヴロツワフの現代美術館
・パノラマ・ラツワヴィツカ
ヴロツワフの散策
・トゥムスキ島
・ナドドジェ(Nadodrze)地区
・小人(こびと)の街 ヴロツワフ
・中央市場広場
美味しいヴロツワフ
・ヴロツワフ屋内市場
ヴロツワフのアパート泊
ヴロツワフでの音楽
・ヴロツワフ歌劇場
・CDショップ “De’Molika”
・ヴロツワフ国立音楽フォーラム( NFM)

● ヴロツワフへ / バスの旅

チェコからポーランドへの移動はバスを使う。例によってレンタカーでのワンウェイの国境越えがかなわなかった為だ。朝7時にプラハのバスターミナル フローレンス(Praha ÚAN Florenc)を発つ。今回のバスはFlixbus、2階席最前列を予約して目的地到着までの4時間半の景色を楽んだ。

バスターミナルは早朝から活気がある。余った貨幣16コルナ(100円程度)を売店で使いきり財布も身綺麗に。あいにく今日は雨模様、バスからの景色も今一つ冴えないが、チェコとポーランドの国境の峠では雪模様だったり、山々に紅葉が連なる景色やたまに見かける古城や教会など、最前列であると自分が車を運転しているようなドライブ気分が味わえた。

バスは順調で到着予定20分前の11時30分にヴロツワフのバスターミナル(Wroclaw dw. PKS ul.Sucha)に到着。バスターミナルは新しく綺麗で、街方面からみるとヴロツワフ中央駅(Wrocław Główny)反対側に位置する。

ヴロツワフ バスターミナル @Wroclaw

朝7時にプラハを発ち、 ブロツワフに11時30分に到着、つごう4時間半かかった計算である。 GPSの記録では途中の峠越えで標高870mとなっていたので、雪がちらつくのもわかる。

以下の行程地図はガーミンのランニングウォッチで記録した。
ランニングウォッチの活用方法については、こちら↓のブログ記事をご参照ください。
旅行で重宝するGSPランニングウォッチ / 旅先でランニングウォッチを活用する ガーミン(GAMIN) ForeAthlete 230J

プラハからヴロツワフへのバス行程、 ガーミンのランニングウォッチで記録

宿泊するアパートはフロント付で24時間受付、アパートの受付までは3駅ほど路面電車で移動する。荷物が多いと小回りが効き、街中を縦横無尽に走る路面電車は本当に助かる。

バスターミナルからヴロツワフ街中へ路面電車で移動 @Wroclaw
路面電車内から見えたヴロツワフ中央駅 @Wroclaw

●ブロツワフ(Wroclaw)/シレジア地方について

今回の旅のテーマのひとつがシレジア(Silesia)地方。第二次大戦終結のポツダム会談でオーデル・ナイセ線がドイツとポーランドの国境とされた。 オーデル・ナイセ線とはバルト海に注ぐオーデル川とその支流のナイセ川をつないだ線で、この線を辿ると両国を丁度南北に二分する形となる。そして、この国境の川の付近一帯がシレジア(Silesia)地方と呼ばれる。ドイツ語でシュレージエン(Schlesien)、ポーランド語ではシロンスク(Śląsk)と呼ばれ、元はスラブ民族が住み、ポーランドの土地であった。

シレジア地方地図 ポーランド語とドイツ語並記

シレジアは、神聖ローマ帝国時代にボヘミア王国に統合され、ハプスブルク家支配下となる。この前後からドイツ人の移民がシレジア地方に増え始める。そして1763年の七年戦争の終結でシレジアはプロイセン領となり、この付近のドイツ化が更に加速する。
1921年、ドイツ支配に反発したポーランド人がシレジア蜂起を起し、シレジアの一部がポーランド領となった。第二次大戦中はナチスドイツにポーランドは占領されてドイツ支配下におかれるが、戦後はポーランド人がドイツ人を追放し、ほぼ完全なポーランド人の地となっている。ズデーテン地方と並んで近現代史に登場する機会の多い地域だ。

シレジアの中心都市は、地域の中央に位置するヴロツワフ、ドイツ語の呼び名 ブレスラウ(Breslau)。そして、シレジアの東の端にはカトヴィツェ(Katowice)ドイツ語ではカトヴィッツ(Kattowitz)という大きな工業都市もある。一帯には炭鉱が多くあり、鉄鋼業も盛んで重要な経済地域。ちなみに今でもシロンスクでは、ドイツ名が並記されている地図をみかける。

● ヴロツワフの博物館

・ヴロツワフ市歴史博物館(The City Museum of Wroclaw / Pałac Królewski we Wrocławiu)

元は ホーエンツォレル家の宮殿だったために、博物館の建物も立派で、展示品も充実している。展示はもちろんヴロツワフの歴史だが、郷土資料館として見ると古代史が少なく、中世から主な展示が始まる。中でもハプスブルク家関連の展示がとても多い。そして、近代以降はシロンスク / シレジア地方らしく産業の発展史。そして戦後のソ連影響下の展示がナチス影響下の展示と同じくらいのスペースをとっているのが印象的だった。どちらもポーランドにとっては苦労の絶えなかった時代である。

・考古学博物館/軍事博物館(Muzeum Archeologiczne Oddział Muzeum Miejskiego Wrocławia)

ここはなぜか考古学博物館と軍事博物館が同居している。建物は1459年から改修を重ねたもので非常に古く、もともとは兵器庫だったゴシック様式の建物。現在、建物は明確に二分されており、異なる博物館が並んでいる感じだ。

考古学博物館のほうはポーランド含めた中欧の古代史であり、まとめ方も見事でなかなか見応えがあった。関心をもって眺めたのがフン族の歴史。フン族については、ハンガリーはフン族の末裔だと言う偽説が流れたり、チャーチルが第二次世界大戦中にドイツ人を「フン族」と悪し様にののしる時に使ったり、少々謎めいたところがある。そこで、実際のフン族がどうだったのか、をこちらの展示から垣間見ることができた。ポーランドはフン族とは密接な関係にあり、今のポーランドの領土はフン族のアッティラの支配下にあった。そして、3世紀と4世紀にはポーランドの領土のほとんどにゲルマン民族が定住することになる。ポーランドの北東部にのみ非ゲルマン民族で西バルト民族が住んでいたらしい。西ゴートあたりの歴史も少々勉強しておきたく感じた。

フン族など民族の移動を動画で時系列に表示する動画
@Muzeum Archeologiczne Oddział Muzeum Miejskiego Wrocławia

軍事博物館は兵器庫だったこの建物の成立ちと同じく大量の武器庫をイメージさせる展示であり、18世紀から銃器類が整然と並ぶ。また、圧巻なのはヘルメットのコレクションで、様々な国の昔から現代に至るまでのヘルメットがたくさんの棚に陳列されている。古代から中世の武器類のブースは改修中であった。古い建物なので、常にどこかしら建物のメンテナンスをしている様子である。

ヘルメットの陳列の一部
@Muzeum Archeologiczne Oddział Muzeum Miejskiego Wrocławia

・ヴロツワフ大学博物館(Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego)

ヴロツワフ大学は1702年に設立されイエズス会のアカデミーとして出発した中央ヨーロッパ最古の大学のひとつ。展示物は大学建物内に点在しており、たくさんの展示室がある。その為、展示室の移動の際の建物見学も楽しみのひとつ。

ヴロツワフ大学外観 @Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego

熱心に1階の天文学機器のブースを見ていると、後ろからか細い声で声をかけられた。自分に対しての声かけとは思わずにスルーしていたところ、二度目のささやき。どうも私に遠慮がちに話しかけていたらしい。そして、この学芸員とおぼしきご婦人スタッフがいろいろ説明くださる様子。
説明を受けていると、この方が20日から始まる特別展の部屋にこっそり入れてくださった。無関係の東洋人が入室し、同僚の方も驚いていたので、よっぽど特別の配慮だったのだろう (笑) 。帰り際に「貴方が特別展の1番最初の見学者ね」、とチャーミングな笑顔。ポーランドの美術館、博物館ではスタッフの方に親切にされることが多く、とても嬉しい出来事だった。

天球図など天文学の展示 @Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego

フリードリヒ・ウィルヘルム3世がおこなったプロイセン改革によって、1811年フランクフルトヴィアドリナ大学(現 ヴィアドリナ欧州大学 Europa-Universität Viadrina)がヴロツワフ大学に統合された。その際に本、棚、家具、楽器は船に詰まれオーデル川で運び込まれたという。その時を描いた絵が展示されており、当時の美しいヴロツワフの街並みが俯瞰してみてとれる。

1811年フランクフルトヴィアドリナ大学統合時の絵 @Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego

このヴロツワフ大学にはレオポルディア講堂(Aula Leopoldina)というバロック様式の講堂があり、こちらも博物館の展示の一部となっている。素晴らしい装飾ながら修復改装中。大学関係者の像が並んでおり見物だったらしい。天井のフレスコ画も見事なようだが、階下から見上げられず消化不良。

レオポルディア講堂 @Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego

もう一つの見所は豪華絢爛な音楽ホール オラトリウム・マリアヌム(Oratorium Marianum)。元は修道院の礼拝堂だったが先のプロイセン改革の際に音楽ホールとして使われるようになった。ブラームスはもちろん、リスト、ベルリオーズなども演奏したと言う。

オラトリウム・マリアヌム @Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego

屋上階は大学の古くからのコレクションを展示しており、更に階段を昇ると屋上テラス(Mathematical Tower)に出られる。ここは、かつて天文台として使われていた。高さ42 mなのでさほど高くはないが、街をかろうじて一望できる。ついでながら高台からの街の展望の場を得たので、これで教会の塔に登らずともよし、と用を済ませてしまった(笑)。

屋上テラスからの眺め @Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego

ブロツワフ大学を出ると、ここでも小びとが送り出してくれる。

大学前の小びと @Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego

そして、左手には大学建物に隣接している形で イエズス聖名教会(Parish of the Most Holy Name of Jesus / Kościół Rzymskokatolicki pw Najświętszego Imienia Jezus)があり中を見ることができる。こちらも彫刻が見事で現在もヴロツワフ大学の大学教会として使用されている。

イエズス聖名教会 @Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego

● ヴロツワフの美術館

・ヴロツワフ国立博物館(Muzeum Narodowe we Wrocławiu)

ここはGoogleマップであたりをつけた。日本のガイドブックにも載っておらず、どんなものだろうと思って、とりあえず行ってみることにした。

ヴロツワフ国立博物館外観 @Muzeum Narodowe we Wrocławiu

到着してみると巨大かつ3層の充実した展示で驚いた。博物館というよりも美術館であり、展示品は絵画とキリスト教関係の彫像が中心。3階には日本を含めた諸外国の工芸品や服飾や電化製品などの技術発達史もあり、とても楽しめる。スルーしてしまうにはもったいなさ過ぎる美術館で建物も1886年に建てられた非常に立派なものである。

ヴロツワフ国立博物館内部 @Muzeum Narodowe we Wrocławiu
回廊ですらゆとりある展示 @Muzeum Narodowe we Wrocławi

絵画はポーランド絵画の展示が中心なものの、スルバラン、カナレット、カンディンスキー、ピーテル・ブリューゲル /子(西洋美術館と全く同じ絵画)などがあった。絵画で面白かったのはフランツ・スカルビナ(Franz Skarbina)というドイツの印象派画家の作品で「ニシン漁の後で」というタイトルの漁業の後方作業の絵。今で言えば缶詰工場なのだろうが画題として珍しい。

フランツ・スカルビナ作「ニシン漁の後で」@Muzeum Narodowe we Wrocławiu

また、工芸博物館的な視点からは錠前屋、呉服屋のギルドのプレートなど実態をうまく表現した看板が展示されており興味深かった。

特筆すべきはポーランドのこの地域の独特の感性によるキリスト教関係のもの、どのポーランドの美術館に行っても楽しませてくれるのがこれらキリスト教関係の作品。素朴で表情含めて面白く、見ていて飽きない。

https://twitter.com/juntaniguchi/status/1195262711984033792

・ヴロツワフの現代美術館( National Museum in Wroclaw Museum of Contemporary Art @ Four Domes Pavilion / Pawilon Czterech Kopu)

世界遺産の百周年記念ホール(Hala Stulecia)に行ってみたが、なぜこれが世界遺産なのか、と疑問に感じるようなコンクリートの建築物なのだが、1911年完成と聞いて納得。当時としては大事業であったろう。時代的にはポーランドというよりもプロイセンの建築物。

百周年記念ホール(Hala Stulecia)外観ー 場所: Hala Stulecia we Wrocławiu

百周年記念ホールは当日の演目がない為、内部の見学不可だったので、そのまま横にあるヴロツワフの現代美術館に向かった。建物外観は百周年記念ホールとのバランスをとったデザインで同時期に展示会場として建てられた建物。2009年に国立博物館が引き継いで現代美術館として改装、内部の色が白で統一されており、内装デザインも見事な美術館である。

早朝で開館より早く着きすぎてしまい、手持ちぶさたで美術館前のベンチに座って待っていると、わざわざスタッフがこれでも見ておいたらと英語のリーフレットをくださる。その後、荷物をロッカーに入れようとしていると、別の男性職員があとで返してくれればといからと2PLNのコインを、お願いもしないので貸してくださった。良い人ばかりの美術館スタッフの方々。

待っていた際にもってきてくださったリーフレット @Pawilon Czterech Kopu

スタッフの方々の愛想の良さはこの後も続く、閲覧中に面白い仕掛けがあって、それに今ひとつ気がつかないでいると、説明してくださる方が笑顔で駆けつけてくれ、子供のように楽しそうにケタケタ笑いながら「こうやるのよ」と説明してくださる。道順がわからなそうにしてれば「こっちよ」と説明しに来てくれて、これは見ておいたほうがよいとまで教えてくださる。なんだろう、この美術館の親切さは、という感じなのだ。おかげで、とても気持ちよく鑑賞ができた。

この手のアイコンを絵に合わせると照明が点灯するのよ、とスタッフさん @Pawilon Czterech Kopu

ひとつ重いテーマでIDO(Institut für Deutsche Ostarbeit)に関する特別展『po/wy/miary(measure-/assess-/ments)』があった。このIDOとは1940-1945年のナチス政権時代にクラクフで運営されているドイツ東部労働研究所のこと。人類学者が運営した研究セクションについては論争の的となっているらしい。研究内容はポーランド社会の文化的後進性、東欧での長期にわたるドイツの存在を証明することだったので、さもありなんである。

アーティストは、この展示を通じて、科学がナチズムによってどのように活用され、全体主義システムに巻き込まれたかを提示している。見せ方は写真中心でモダンアート風な端正な展示が多く、淡々と展示されているだけに、静々と問題の深みに引き込まれた。

特別展『po/wy/miary(measure-/assess-/ments) @Pawilon Czterech Kopu
https://twitter.com/juntaniguchi/status/1235680051871576068

・パノラマ・ラツワヴィツカ(Panorama Racławicka)

この美術館は円筒型の形をしており、建物内部で360度のパノラマ絵画を展示するために造られた。題材として「ラツワヴィツェの戦い」を描いたパノラマ絵画は1894年の完成当時から人気がありポーランド人が見物に押し寄せたという。その為、ラツワヴィツェの展望美術館とも呼ばれている。

美術館内部は360度歩いて鑑賞することができる @Panorama Racławicka

パノラマ絵画は大きくキャンバスは縦15m、横120mと巨大で、当時の人にとってはVR、3D体験さながらだったと思う。実際、今見ても戦場にいるかのような迫力がある。このパノラマ絵画は現ウクライナ領のリヴィウ / ルヴフ(Lwów)にあったが、展示建物が大戦中、爆撃にあい、補修が必要な状況になった。そしてヴロツワフに運ばれたものの、戦後はソ連の許可がおりずに保管されたまま、ホールも完成してからしばらく空っぽだったと言う。1985年にやっと修復ができ展示とあいなった、という。気の長い話で、見学者が絶えないのもわかる。

ここで描かれている「ラツワヴィツェの戦い」は1794年農民兵が2000人も参加して帝政ロシアに立ち向かった戦い。ポーランド人としては忘れがたい歴史の一コマなのだろう。ソ連が展示許可をしなかったのもわかる。

● ヴロツワフの散策

・トゥムスキ島(Ostrów Tumski)

ヴロツワフの街からオドラ川(オーデル川)向こうにトゥムスキ島(Ostrów Tumski)と言われる地区がある。ヴロツワフの真珠と言われ、市内でもっとも古い地区である。ここは対岸からの眺めも美しいし、古い街並みでは中世を彷徨う気分が味わえる。

屋内市場の横にある赤いPiaskowy橋をまず渡ると遠目にトゥムスキ島と聖ヨハネ大聖堂が見える @Ostrów Tumski

トゥムスキ島1番の名所でヴロツワフのランドマークでもある聖ヨハネ大聖堂(Katedra św. Jana Chrzciciela)。聖ヨハネ大聖堂は第2次世界大戦で戦災を受け再建された。元は12世紀後半のロマネスク様式であるが、塔と正面入り口上方の湾曲部分は15世紀のバロック様式。その為、外見の醸し出す雰囲気にギャップがある。
中に入ると厳かながら、工事のけたたましい音が聖壇後ろからする。まずい、これは見所である聖壇の後ろ 「聖エルジュビェタ」礼拝堂が見られないことを意味する(笑)。まあ、オフシーズンだから仕方ない。

聖ヨハネ大聖堂内 @Ostrów Tumski
https://twitter.com/juntaniguchi/status/1237129903092498432

・ナドドジェ(Nadodrze)地区

トゥムスキ島の横のナドドジェ(Nadodrze)地区はストリートアートがさかんということで、当てもなくぶらぶらしてみた。下校中の学生や立ち話をする主婦たちの姿、そして普段使いの店々を眺めながら歩くのは楽しい。

美しい花屋の店先 @Nadodrze

街並みは旧市街より近代的だが、それでも重厚で古風な建物が建ち並ぶ。

重厚な建物が建ち並ぶ @Nadodrze
巨大な工場跡が街中に @Nadodrze

そして、ナドドジェ地区と言えば、ストリートアートだ。これほど散歩が楽しい街はない。ちょっとした裏手通りで顔をあげるとそこに壁画がという街。大きなアパートが建ち並ぶ建物の下を、するりと入って中庭を覗くと、四方の壁全面に壁画があったりもする。

・小人(こびと)の街 ヴロツワフ

観光客に大人気の小人達 @Wroclaw

ヴロツワフの小人は、1980年に反共産主義の地下運動(Orange Alternative)の際に小人をシンボルとしたことが起源と言われている。ポーランド人にとって馴染みある小人をアイコンにして、平和的かつユーモアをもった抗議活動で逮捕免れ運動を持続させたようだ。それからしばらく経って2001年に現在「お父さん小人」と言われている小人像が建てられ、それに続く形でヴロツワフに小人の銅像が広まったらしい。最初は政治シンボルとして、続いてアートとして、現在は広告塔も兼ねてという流れらしく、新しい小人像はユニークなものも多い。

店先にいた食べ過ぎ小人 @Wroclaw

・中央市場広場(Stary Rynek Wrocław)

旧市庁舎 @Wrocław Town Hall

ヴロツワフの市場と表記されるが、ここは中世のマーケット広場で常設の大きな青物市場がある訳ではない。クラクフなどと同様にとても大きな広場で周囲には旧市庁舎など歴史的な建造物が立ち並ぶ。また、中世の趣を残す長屋スタイルの土産物店が並ぶヤトキ通り(Stare Jatki)も隣接している。

ヤトキ通り(Stare Jatki) @Wroclaw

広大な広場のあちこちで、クリスマスマーケットの準備をしており、華やかな12月となることを予感させていた。

● 美味しいヴロツワフ

・ヴロツワフ屋内市場(Wrocław Market Hall / Hala Targowa)

ヴロツワフ屋内市場外観 @Hala Targowa Wrocław

この屋内市場の建物に入った瞬間にこれだ!と思った。この市場なら、あらゆる食材が揃うので地場の美味しいものにありつけそうだと瞬間的に確信した。また、食材だけでなく、花屋やユニークな雑貨屋もたくさんあり何でも揃いそうな楽しすぎる屋内マーケットであった。

ヴロツワフ屋内市場の中の様子 @Hala Targowa Wrocław

ふと脇を見ると行列している食堂がある。これは美味しいかもしれないと思い、ランチはここでいただくことにした。そして、これがヴロツワフの滞在中3日間続く事になる(笑)。

食堂に並ぶ列 @Hala Targowa Wrocław

・ヴロツワフ屋内市場1日目

最初なので、食堂ではポーランド定番料理がよいと考えて、ピエロギとロールキャベツを注文した。ピエロギの中味はお肉、ロールキャベツは米が具材のもの。寒い日だったのでシンプルに暖かい料理が美味しい。ただ、列をなしているので注文をゆっくりさせてもらえない。予習が必要と感じた。

市場食堂で食べたピエロギとロールキャベツ @Hala Targowa Wrocław

食後は場内で食材探し。夕食を何にしようかと考えていると、肉屋でもピエロギを幾種類か売っている。スープの具材に丁度良いので2種類を適当に選んだ。ついでに、鶏もも肉の焼いたものも試してみることにした。八百屋では白菜、キノコなどを購入しスープの具材とする。
チェコからの移動もあって、少々気疲れもしていたので、食事はいろいろ取り揃えみた次第。

夜のヴロツワフ屋内市場 @Hala Targowa Wrocław

・ヴロツワフ屋内市場2日目

博物館を2つ見終えお昼もまわっているので、2日目も屋内市場の食堂で遅めのランチに訪れる。今回はシュニツェルをお願いし、サラダもつけてもらった。

市場食堂でシュニツェルと赤カブサラダ @Hala Targowa Wrocław

食後は、ゆっくり市場の2階も眺めてみた。2階は雑貨を中心に日用品を販売している店が多い。やはりポーランド独特の雑貨がたくさんあり眺めていて楽しい。

ヴロツワフ屋内市場2階から @Hala Targowa Wrocław

夕方も立ち寄った。博物館を出ると4時半というのに外は真っ暗。午後4時を前に日没となるので、4時半となるともう夜中のように真っ暗である。散策をしても寒いだけなので再び屋内市場へ夕食の食材を買いに、再度立ち寄る。
今回は昨夜のピエロギに加えてロールキャベツも購入。ピエロギはきのこチーズとほうれん草を、ロールキャベツはお米に肉入りを選んだ。良い香りのネギがあったので、そちらと量り売りのマッシュルームを4つほど買った。少量でも売ってくれるのが嬉しい。ピエロギのキノコは食べてみるとポルチーニだった。この市場のおかげで夕食も楽しく美味しいのがありがたい。

https://twitter.com/juntaniguchi/status/1239303436778106880

・ヴロツワフ屋内市場3日目

3日目もランチは、あらかじめ食べるものが決まっており、牛肉をほろほろになるまで煮た料理を注文。ウィンドウで見て、ずっと試したいと思っていた。また、スープも初めてつけていただいた。周囲にはスープだけで済ます人も多く、それなりにしっかりしたお味と具が揃ったスープだった。サラダはニンジンサラダ、少しニンニクが効いており、これも美味しい。この美味しさとボリュームで400円なのだから、混雑するのも当たり前か。

▲ほろほろ煮た牛肉&具だくさんのスープ @Hala Targowa Wrocław
https://twitter.com/juntaniguchi/status/1240028161770958848

● ヴロツワフのアパート泊(Lucky Apartments – Old Town

予約したレンタルアパート Lucky Apartments – Old Town まではヴロツワフのバスターミナル(中央駅)から路面電車で3駅ほどであった。荷物が多いと小回りの効く路面電車は本当に助かる。
今回、ヴロツワフで宿泊するアパートは24時間受付であった。値段さえ見合えば鍵の受渡しの不安や手間がない24時間受付でフロントがあるレンタルアパートを選ぶのがよい。このアパートのフロントは、フロントと言ってもアパートとは別棟にあり、ホステルを兼ねた建物の1階にあった。フロントでは単純に鍵の受渡しとチェックイン手続きだけをおこなっているようだった。アパートはフロントから200m離れたところにあって詳細な地図と開錠の手順が書かれた紙を渡される。

Lucky Apartments – Old Townのフロントがあるホステル入口 @Wroclaw

アパートには少し早く着きすぎたので部屋の準備ができていないが、小一時間で準備するとフロントが言う。そこでフロントに荷物を預け、ポーランドに入国したばかりなのでATMで現金を引き出したり、借りる予定アパートの周囲を散策したりして、入居までの時間をつぶした。

大通りに面したLucky Apartments – Old Townの外観 @Wroclaw

プラハでのアパート古い建物で味わいがあったが、今回のヴロツワフではモダンな建物に、設備の整った部屋に様変わりして、気分も大きく変わる。窓からは路面電車の大きな停車場が見え、繁華街の入口に位置した便利そうだ立地だ。実際、この後は食材を買って部屋に戻ったり、観光の合間に雨に降られて着替えたり、幾度も部屋の出入りをして3泊の滞在中に好立地を大いに活用させてもらった。キッチンも狭いながらも清潔で、ロールキャベツを煮たり、パスタを茹でたりには充分で気持がよい。

モダンかつ使いやすそうなLucky Apartments – Old Townの部屋 @Wroclaw

● ヴロツワフでの音楽

ブラームスの大学祝典序曲は、彼がブレスラウ大学から名誉博士号を授与の返礼だし、指揮者のクレンペラーはここで生まれ、アーベントロートがブレスラウ帝国大管弦楽団を指揮した記録もみかけたことがある。音楽に深い関わりのある街。

・ヴロツワフ歌劇場(Opera Wrocławska)

戦災を逃れたドイツ風の立派なオペラハウス。1782年に完成し、作曲家ウェーバーは1804年にこことのカペルマイスターとなっている。上演日にあたらなかった為、観劇できず残念だった。

ヴロツワフ歌劇場(Opera Wrocławska)

・CDショップ “De’Molika” – UNIQ SOUND a.s.

珍しく路面店のCDショップがあったので入ってみた。寡黙な主人が1人で切り盛りしており、クラシックとジャズのCDがまずまず置いてある。こぢんまりした雰囲気のよいお店だが、ネット通販や音楽ストリーミングサービス全盛の時代にやっていけるのか心配。

CDショップ “De’Molika” – UNIQ SOUND a.s.

・ヴロツワフ国立音楽フォーラム(Narodowe Forum Muzyki / NFM)

2015年に完成した新しいホール。茶褐色の建物はモダンで風格あり、面した広場には指揮者などのプレートがあり、作曲家のメンデレツキや指揮者メータ、ガーディナー、エッシェンバッハ、スクロヴァスキのものもあった。

https://twitter.com/juntaniguchi/status/1240752933907632129

このホールはベルリンフィルの国外公演記事(Facebook)で見かけ、新築のよさげなホールだな、と以前から目をつけていたが、今回は残念ながら大ホールでの演目は日程があわなかった。そこで小ホールながら真新しいホールでフルートとチェンバロのトリオを聴いた。
演目の半分は現代音楽で幽玄なフルートを楽しむ、演目のもう半分はヴィヴァルディ等は中世の街で聴く浮遊感を味わった。独奏のイタリア協奏曲は弦を爪弾くような2楽章の音がたいへん美しい。

The Past and the Future@NFM, Chamber Hall
Performers:
Łukasz Długosz – flute
Agata Kielar-Długosz – flute
Marek Toporowski – harpsichord
Programme:
K. Baculewski Frisium for two flutes and harpsichord
J.S. Bach Concerto Italiano in F major BWV 971
G.Ph. Telemann Sonata in G major TWV 40:101 from Sonates sans basse,
Trio Sonata in C major TWV 42: C1 from Der getreue Music-Meister
G. Pstrokońska-Nawratil – work for two flutes and harpsichord
A. Vivaldi Concerto in G minor RV 103

ポーランド / ヴロツワフ(ブロツワフ、ウロツワフ 、ブレスラウ)

<詳細情報>
● ヴロツワフの博物館
・ヴロツワフ市歴史博物館(The City Museum of Wroclaw / Pałac Królewski we Wrocławiu)
Kazimierza Wielkiego 35, 50-077 Wrocław
・考古学博物館/軍事博物館(Muzeum Archeologiczne Oddział Muzeum Miejskiego Wrocławia)
Antoniego Cieszyńskiego 9, 50-043 Wrocław
・ヴロツワフ大学博物館(Muzeum Uniwersytetu Wrocławskiego)
plac Uniwersytecki 1, 50-001 Wrocław

● ヴロツワフの美術館
・ヴロツワフ国立博物館(Muzeum Narodowe we Wrocławiu)
plac Powstańców Warszawy 5, 50-153 Wrocław
・ヴロツワフの現代美術館(Four Domes Pavilion / Pawilon Czterech Kopu)
(Muzeum Narodowe we Wrocławiu: Muzeum Sztuki Współczesnej)
Pawilon Czterech Kopuł,, Wystawowa 1, Wrocław
・パノラマ・ラツワヴィツカ(Panorama Racławicka)
Jana Ewangelisty Purkyniego 11, 50-155 Wrocław

● ヴロツワフの散策
・トゥムスキ島 聖ヨハネ大聖堂(Cathedral of St. John the Baptist)
plac Katedralny 18, 50-329 Wrocław
・ナドドジェ(Nadodrze)地区 ストリートアートがたくさんある中庭
Niezwykłe podwórko
Franklina Delano Roosevelta 20, 50-236 Wrocław

● 美味しいヴロツワフ
・ヴロツワフ屋内市場(Wrocław Market Hall / Hala Targowa)
Piaskowa 17, 50-359 Wrocław

● ヴロツワフのアパート泊
Lucky Apartments – Old Town Wrocław
Krawiecka 1/113, 50-148 Wrocław

● ヴロツワフでの音楽
・ヴロツワフ歌劇場(Opera Wrocławska)
Świdnicka 35, 50-066 Wrocław
・CDショップ “De’Molika”
Kazimierza Wielkiego 65, 50-077 Wrocław
・ヴロツワフ国立音楽フォーラム(Narodowe Forum Muzyki / NFM)
plac Wolności 1, 50-071 Wrocław

○ ヴロツワフ、ブロツワフ 地図

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