アメリカツーリング 1 準備編 / フリーダムアメリカ社との出会いと海外ツーリングに目覚めたきっかけ

アメリカツーリング 1 準備編 / フリーダムアメリカ社との出会いと海外ツーリングに目覚めたきっかけ

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ふと見つけた旅行代理店『道祖神』を通じて、アメリカ全土のバイクツーリングを企画運営しているフリーダムアメリカ社(Freedom America Inc.,)を知った。そして、この会社の創業者である木村社長との出会ったことが、その後の世界各地のオートバイツーリングに目覚めるきっかけとなった。
この出会いや、異国ツーリングでの手取り足取りの指南があって、後のカナダ、欧州各国、ニュージーランドなどのバイクツーリングに単独で行く力をいただき、木村氏からいただいた知見が大いに役にたつことになる。
初めての海外オートバイツーリングはツアーで
フリーダムアメリカ社の魅力
楽ちんのオートバイレンタルとリラックスした旅の初日
木村氏に教えてもらった海外ツーリングの流儀

● 初めての海外オートバイツーリングはツアーで

長らくバックパッキングのような旅行をしてきた身としては、引率されて決められたルートを巡るツアー旅行は考えたこともなかった。しかし、ホームページをつらつら眺めて見つけた旅行代理店「道祖神」はひと味違った。ツアー旅行主体の代理店でありながら、うたい文句に『暑さも寒さも、埃も風もなるべくその土地をジカに感じて頂きたい』とある。渋くてハードな旅を提案している会社のようで少人数で構成されるツアーもたくさんある。しかもこの会社のお薦め旅行先はアフリカだ。

パンフを送ってもらい眺めていると、アフリカでバリバリのキャンプ生活を強いたり、海外ツーリングでもモンゴルやアフリカの大地を駆け巡るオフロードのツアーまで記載されている。その中に、アメリカ横断など米国のあちこちをハーレーダビッドソンで巡る企画が目についた。オフロードバイクでの海外ツーリングはなにかあった場合は仕事に支障をきたしそうだ。しかし、オンロードで、しかも米国大陸なら大きなリスクもなさそうでバイク旅にうってつけである。

そして、出会ったのが「道祖神」が提携しているフリーダムアメリカ社(Freedom America Inc.,)という1994年創業の旅行会社。ここは アメリカ全土のオートバイのツアーやレンタルをおこなっており、社長含めて日本人で運営されている。その彼等がツアーの同行はもちろん、ツーリングすべてを切り盛りしてくれるそうだ。

フリーダムアメリカ社(Freedom America Inc.,)のホームページ
フリーダムアメリカ社(Freedom America Inc.,)のホームページ

● フリーダムアメリカ社の魅力

初めて海外でのオートバイ旅行で、妻も同乗してのタンデムツーリングとなると車両故障などの心配もある。やはり最初だから人の力を借りようと「道祖神」のパンフレットに載っているツアーに飛びついた。
そして、現地で会ったのはフリーダムアメリカ社社長の木村氏。なんと空港まで迎えに来て下さる。ツアーなのだから出迎えは当然ではあるが、空港でお迎えをされることは久しぶりなので、妙に感激してしまった。最近でこそ空港内で迷ったりはしなくはなったものの、慣れぬ異国に足が着いた瞬間から案内をしてくれる方がいれば、旅の不安など消し飛んでしまう。

目的地フェニックスへアプローチ @Phoenix
目的地フェニックスへアプローチ @Phoenix

こうして始まったフリーダムアメリカ社のツーリングツアー、参加して感じたことは、予定調和の一般的なツアーとは全く異なることであった。おかげで「道祖神」のうたい文句と同じく『暑さも寒さも、埃も風もなるべくその土地をジカに感じる』オートバイ旅行を楽しむことができた。木村氏の引率するツアーでは、思わぬところで現地のリアルな生活にふれ、一般的な観光地巡りとはひと味違った旅らしい体験ができるからだ。

観光ガイドをこなすことをメインとする通常のツアーガイドと異なって、木村氏の場合はライダーと食事を共にするし、途中途中では必要品を買う買物などまで木村氏に同行することになる。当然、米国各地の様々なスーパーマーケットに行くわけだが、そこでその地の暮らし向きなどを聞くことになる。この時初めてアメリカのスーパーは地域の所得水準に応じて、ブランド分けがされていることを身をもって体験することができた。そして、買物途中も現地の生活など様々なことを木村氏が教えてくれる。

サポートのおかげで給油の仕方で戸惑うこともない
サポートのおかげで給油の仕方で戸惑うこともない

こんな肩の力が抜けた旅をさせてくれるし、運営スタイルも臨機応変である。参加者の力量に応じて木村氏はサポートをしてくださるので、同行メンバーによっては体力的に余裕があり、日中の走行時間を大幅に短縮できたりする。その場合には各人の自由走行の時間を増やしてくれたり、臨機応変に立ち寄り先を増やしてくれたり、オプションツァーをも提案してくださったりもする。この時は、参加者が少なかったこともあるのだろうが、緩急自在に日程まで変化させてくれる素晴らしい体験ができた。
おまけに最終日前日夜は木村氏自らの手料理を振る舞ってくれるサプライズまであった。旅の案内人と言うよりも、目線一緒に旅の過程をいっしょに楽しんでくださる感じだ。

そして、ツーリング中にピックアップトラックが並走してくれる安心感は捨てがたい。広大なアメリカでは50km以上ガソリンスタンドがない地域も多い。日陰のない気温40℃を越える荒野でパンクなんて事態もありえる。いざとなったらバイクを積めるサポートカーが先行や併走してくれることは、海外ツーリングにおいてとても心強い。
このツァー参加以降は海外ツーリングの自信もついて、単身で海外各地に赴き、オートバイを借りることとなった。それでも、延々と続く荒野の道や夕暮の寂しい森林地帯を走る際は心細く、この時のサポートカーの安心感を思い出すことがある。

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● 楽ちんのオートバイレンタルとリラックスした旅の初日

このツアーでは、米国 フェニックスの空港に午後に到着した。空港に迎えに来てくださったフリーダムアメリカ社の木村氏がそのままバイクを借りるためにハーレーのレンタルショップ(EagleRider Motorcycle Rentals and Tours)に連れて行ってくださった。
ちなみにフリーダムアメリカ社はイーグルライダー社(EagleRider Motorcycle Rentals and Tours)と提携しており、こういったツアーでなくとも木村さんを通じてバイクをレンタルすることも可能である。翌年からのアメリカツーリングでは都度、木村氏にバイクの手配をお願いすることになった。

ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson) のレンタルショップ @EagleRider Motorcycle Rentals and Tours
ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson) のレンタルショップ @EagleRider Motorcycle Rentals and Tours

先々幾度も経験するレンタルバイクの乗り出しだが、思いのほかサインして提出する書類が多い。そして車のレンタルに比べて書類が多いだけでなく実車の傷などの確認も入念に時間をかけておこなわれる。初めての経験であったので、乗り出しのサポートをいただいたことは、次回につながるよい体験になったし、そして木村氏が同行してくれているおかげで手続時間もたいして要せずに終わった。

店内にズラリと並ぶ豪華なエレクトラグライド(Electra Glide)@EagleRider Motorcycle Rentals and Tours
店内にズラリと並ぶ豪華なエレクトラグライド(Electra Glide)@EagleRider Motorcycle Rentals and Tours

選択したオートバイはヘリテイジ・ソフテイル・クラシック(Harley-Davidson Heritage Softail Classic)という車種。初めてハーレーにまたがるので、長距離かつタンデムであることを考慮してこの機種を選んだ。

ハーレー ヘリテイジ・ソフテイル・クラシック(Harley-Davidson Heritage Softail Classic)
ハーレー ヘリテイジ・ソフテイル・クラシック(Harley-Davidson Heritage Softail Classic)

そして、初めてハーレーダビッドソンに跨がり、宿に行き荷物を預けると、夕食をかねてカジノ「Casino Arizona」に連れて行ってもらった。このカジノはネイティブ・アメリカンの居留区にあって、彼等が経営しているらしい。このカジノの建物は綺麗でサービスも行き届いている。レストランには新鮮な牡蠣まであり、おいしい料理も楽しめた。

平原に忽然と建つカジノ @Casino Arizona
平原に忽然と建つカジノ @Casino Arizona

おまけに、スロットマシンは結構なペースでお金を飲み込んでいくのだが、運の良いことに10分ほどで100ドルあまり稼いでしまった。ビギナーズラックである。1度お金を投入した後は、バーコードの印字された紙が機器から出力されるようになっており、これが会場内で有効になる。他のスロットで再挑戦するにもこの紙を入れるだけ、換金の際もこの紙を窓口に持っていけば現金に換えてくれる。

カジノで使えるチケット @Casino Arizona
カジノで使えるチケット @Casino Arizona

カジノの初めて見る仕組みに感心しつつ、楽しい場所と木村氏の計らいで旅の緊張も早速ほぐされた。そして、先々では各国のカジノにも物怖じせずに入れるようになり、この経験が活かされる結果となった。

● 木村氏に教えてもらった海外ツーリングの流儀

フリーダムアメリカ社の木村さんのおかげで、その後カナダ含めた北米やヨーロッパ各国、ニュージーランドとオートバイツーリング先を開拓できたことは冒頭に書いた。

その木村さんに最初に教えてもらったことで今でも役にたっていることがある。それは、どの国に行っても毎朝どちらの車線を走るか念じて走り始めることである。今日は「右車線、右車線」と念じていれば、宿から出発した瞬間に逆車線を走りだしてしまったり、最初の交差点で逆の車線に突っ込んで行ったりしまうことを防ぐことができる。とにかく異国の地では最初にどちらの車線を走るのか頭に浮かべてから乗り出すことにしている。

朝の出発や給油後に道に出る際には、気を抜くと危険
朝の出発や給油後に道に出る際には、気を抜くと危険

また、ガソリンスタンドはほとんどがセルフなので、バイクをレンタルした際にオクタン価を確認しておく。ヨーロッパでも国をまたぐ時はガソリン種別の表記やガソリンスタンドのノズルの順番が国毎に異なるので、ディーゼルを入れないように注意が必要だったりする。そしてオクタン価の種類も田舎に行くと少ないこともあるので、あらかじめ許容範囲を確認しておくのが良い。バイクだけでなくレンタカーでも先々の国々でレンタル時にガソリンの種別を確認するようになった。

米国のガソリンスタンドの給油機
米国のガソリンスタンドの給油機

食事の際に、木村さんからフリーダムアメリカ社創業までのご苦労など米国での起業話をたいへん面白おかしく聞かせてもらった。グリーンカードを取得し、共働きで子育てをしつつ家庭と仕事を両立させながら会社を経営していく。なかなか凄まじく、カッコのよい生き様で、ビジネス面でも刺激を受けっぱなしの旅であった。ツーリングももちろん楽しかったが、木村氏と知り合えたこと、木村氏から米国人の視点でナマの体験談を日々聞かせてもらえたことが、なによりも有意義な旅となった。

アメリカ / アリゾナ

<詳細情報>
フリーダムアメリカ社(Freedom America Inc.) アメリカ オートバイツアー・レンタル専門
Superstition Harley-Davidson
2910 Apache Trail, Apache Junction, AZ 85120
Casino Arizona
524 N 92nd St, Scottsdale, AZ 85256

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*海外でのオートバイレンタル方法記事

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