オーディオシステムの変遷-お手軽オーディオ編 / REGZAのAVシステムの入替えとサウンドバーによる音質改善

オーディオシステムの変遷-お手軽オーディオ編 / REGZAのAVシステムの入替えとサウンドバーによる音質改善

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Booking.com

12年ほど使用した大型液晶テレビ REGZA ZX9000 が遂に故障した。この機会にHDDレコーダーなども一新し、I-O DATA RECBOXなども導入したのだが、新しいテレビは音質がかなり劣化していることに気がついた。これでは録画した映画やオペラを観賞するのにも不都合である。
最近のテレビは薄くて軽い、55インチから65インチに変更したがフチいっぱいまで画面となったので外寸はほぼ同サイズ、しかも値段も安くなっている。良いことづくめと思いきや、このテレビの薄さと軽さが仇となってスピーカーが充分に機能しないのだろう。低音が弱すぎる上にバランスもよくない。人の声すらもクリアではないのだ。そこでサウンドバーを購入してAV周りの音質を改善することにした。
このサウンドバーなるもの、テレビの補助スピーカーにしては予想以上に音がよい。そこで、これもサブシステム的に使用するようにした。折しもネットオーディオとして使用していたDENNONも故障してしまった。昨今は手頃なネットワークオーディオシステムも見かけなくなったので、使わなくなったAppleTVやiPadを活用してネットワークオーディオとして使っている。
サウンドバー SONY HT-S200F テレビの音質劣化を補う
AppleTV(第3世代)でネットワークオーディオシステムを肩代わり
I-O DATA ネットワークHDD RECBOX 長時間録画をバックアップ
旧方式のテレビもお薦め(REGZA ZX9000からREGZA 65M540Xへ)
改善された東芝 HDDレコーダー(DBR-T350からDBR-T1010へ)

● サウンドバー SONY HT-S200F テレビの音質劣化を補う

これまでテレビの音質はあまり重視しておらず、こんなものだろうと済ませてきた。しかし、さすがに今回新型テレビに買替えて、その薄っぺらな音質で、声すら明瞭でないのには閉口した。せっかくの大画面テレビなのに、これでは迫力がないばかりだけでなく、音楽鑑賞など不可能なレベルである。

テレビの音質の劣化は、軽量化薄型化を追求しての結果だろうから仕方ないとは言えるし、様々な音質改善の設定メニューがテレビ本体には内蔵されておりメーカーの努力もうかがえる。それでも、この薄型のテレビでは物理的な容量が本体に不足しており、良いスピーカーなど仕込めないことは容易に想像ができる。

昨今では同様の問題が起きているらしく、サウンドバーなるテレビ用スピーカーが花盛りである。テレビ台に若干スペースもあるので、この細身のスピーカーはうってつけと考え、早速導入してみた。サウンドバーには横長1メートル近い大きなものもあるが、そこまで大仰ではないほうが使い勝手が良いので、60センチほどのものを検討した。

さて製品を選ぶとなると、中華製から各種各様な状態で格安のものも多数あるが、あまり低価格品を買ってテレビの音が改善しないのはよろしくないので、ソニーの下から2番目くらいの商品 SONY HT-S200F を選んだ。

SONY HT-S200F
SONY HT-S200F

決め手となったのは小さいながらサブウーファーが内蔵されている上にバスレフの穴が両脇に開いていることだ。元来、スピーカーは密閉型の音が好きでバスレフは避けてきたが、極小のスピーカーで低音を求めるとなると仕方ない。結果的に重低音とはいかないが、適度のバランスの良い低音が得られており満足している。ちなみにカタログで喧伝されているようなサラウンド感は感じられなかった。そもそもサウンドバーくらいの小型スピーカーでサラウンドの音場を造るのは難しいので、最初から期待しないほうがよさそうだ。

SONY HT-S200Fの構造
SONY HT-S200Fの構造

SONY HT-S200F のテレビとの接続は簡単で、テレビ側のHDMI端子(ARC対応)とつなぐだけである。このARC(Audio Return Channel)とは音声を出力できるHDMI端子で新しいテレビにはほぼ必ずついている。試聴してみると音が格段に拡がってステレオ感もある。オペラなどの試聴も問題なくなった。ちなみに設定は、どなたかが勧めていた「ボイス/オン、モード/シネマ、低音/ブラス1」がよいようだ。

このサウンドバーでは予想外の使い方であったのだが、HT-S200Fは音質が良くステレオ感も得られるので、BGM用スピーカーとしても使うことにした。
これまでBGMを気軽に楽しむには AmazonのEcho Dot をBluetooth接続にて用いていたが、SONY HT-S200F もBluetooth によるワイヤレス接続が簡単に設定できる。おかげでBGMも格段に音質が向上した。そして、Apple社のiPadやiPodをBluetooth接続すると、SONY HT-S200Fとの相性がよいのか、BGMには贅沢すぎるような音になった。

それで、最近は古いiPadやiPodに音源を大量に落して、なにかにつけ SONY HT-S200F で鳴らしている。また、仕事中はパソコンにUSBアダプター式のBluetoothレシーバーを装着しHT-S200Fを接続している。パソコン作業をしながら、手元でネットラジオの選曲などが手軽にできる環境となるからだ。これも千円程度のレシーバーで実現可能だ。製品は定評のあるTP-Linkを選択した。

● AppleTV(第3世代)でネットワークオーディオシステムを肩代わり

古い機材の活用だが、とても古い AppleTV も活躍し始めた。こちら以下の記事でご紹介したDENON DNP-F109が故障してしまい、AppleTV をネットワークオーディオシステムの受け皿として転用を始めたためである。

オーディオシステムの変遷-ネットワークオーディオ編 / DENON DNP-F109、Squeezeboxを通じてのインターネットラジオからNuforceのDAC、静音パソコンの導入
ネットワークオーディオは Squeezebox(スクィーズボックス)というWi-fiで音楽を受信してくれるちょっと高級なインターネットラジオの導入から始まった。…
jtaniguchi.com

AppleTVの旧機種(第3世代まで)には、光デジタル音声端子が付いているので、これをオーディオ(DAC)につなぐことによって、オーディオがネットワーク対応となる。単なる廃品利用なのだが、こちらもラジオやストレージの音楽を軽く聴く分には、音質上の問題は感じていない。Appleの製品には PowerCD など人知れず音質に評判がよいものが多く、今でも高値で取引されていたりする。AppleTVもそれなりの造りなのであろう。

AppleTV(第3世代)のポート配置
AppleTV(第3世代)のポート配置

AppleTVと各再生機器との接続はAirPlayでおこなっているので、Wi-Fiで音楽をとばすだけである。こちらも手元のタブレットでインターネットラジオをザッピングしながらオーディオとして聴いたりするのに重宝している。

尚、Appleでは IDの2ファクタ認証をおこなっているので、確認コードを入力を求められる。その際は「パスワード+確認コード」を入力すると解除される。また、iPadなど端末からAppleTVを操作する場合は同一のWi-Fiに接続している必要があるので、そのチェックもしておいたほうがよい。

● I-O DATA ネットワークHDD RECBOX 長時間録画をバックアップ

大型液晶テレビ REGZA ZX9000 の不具合が出始めた際に録画していたものが心配になり、アイ・オー・データ ネットワークHDD RECBOXにオペラや旧作映画などのバックアップをとることにした。

このRECBOX は付属のソフト共々なかなか優秀で、最新式のものは外付けのハードディスク(HDD)を追加取付が可能であり録画容量を更に増やせる。外付けHDDをHUBを用いて多数接続し、同時に複数台つなげることはできないが、HDDを1台1台交換しながら接続するのならば複数の外付けHDDを使うことができる。その為、容量も大幅に増やすことができ、すぐにHDDが埋まってしまうオペラなど長時間録画番組に優れている。但し、RECBOX本体と外付けHDDとは1対1対応なので、RECBOX本体が故障してまった際には録画した外付けHDDも再生不可能になる。この辺は他の録画機器と同じである。

また、複数台のRECBOXをネットワーク接続しておけば、2台のRECBOX間で簡単にデータをダビングできる。その為、RECBOXを複数台つないで、そこにネットワーク対応のテレビやHDDレコーダーを接続すれば、録画管理の自由度がかなり拡がって便利になる。しかも、RECBOXに録画しておけば、テレビを買替えても再生が可能である上に、ソフトをインストールすればパソコンでも録画番組を試聴することができる。

RECBOXの欠点と言えばLAN接続なのでダビングには少々時間を要することぐらいだろう。ただ、パソコン画面でダビングやデータ移動の指示や管理ができるので、仕事の片手間でダビング作業ができ、ダビングに時間を要することは苦にならない。このパソコン用のソフトを活用して、HDD毎に録画番組のジャンル整理をしたり、タイトル管理をしたりして、逆に作業がはかどったくらいであった。

● 旧方式のテレビもお薦め(REGZA ZX9000からREGZA 65M540Xへ)

REGZA ZX9000の電源は突然入らなくなった。コンセントを指し直すと、かすかなリレー音が背面から聞こえるが電源は入らない。どうも経年劣化で基盤の半田付けが剥がれた可能性があり、パーツ交換をしてもけっこうな費用がかかる。そこで、REGZA 65M540X に買替えることにした。画面サイズは55インチから65インチと大きくしたが、横幅は136.2cmから144.6cmとなっただけで、テレビサイズはあまり変わらない。

RECBOXを活用したいこともあって、東芝に問い合わせたところ、とても親切かつ具体的に教えてくれた。最近の東芝テレビは AndroidTV となっており、LANケーブルで録画番組をダビングするレグザリンク・ダビングに非対応かつレコーダーの録画番組をLANで再生するDMP機能にも非対応となっている。そこで、従来のREGZAソフトウェアTVである本機M540Xを選択した。

こちらならLANケーブルで録画番組をダビングするレグザリンク・ダビングに対応しており、レコーダーの録画番組をLANで再生するDMP機能にも対応している。また、RECBOXとの連動もすんなりできる。画質にとてもこだわる方には旧型TVには不満があるかもしれないが、拡張性が広い旧型のREGZAはなかなか使い勝手もよい。

● 改善された東芝 HDDレコーダー(DBR-T350からDBR-T1010へ)

テレビ購入時に、東芝のサービスセンターがあまりに丁寧かつ真摯に相談にのってくださるので、HDDレコーダーも買替えることにした。長らくDBR-T350という初期のHDDレコーダーを使っていたが、さすがに内蔵ソフトの使い勝手が悪く辟易していた。録画予約を入れるにも動作がモタつき、検索ワードも保存されないので毎回入力するので酷く時間を要する。また、外付けHDD間のダビングができず、1度内蔵HDDにコピーしてから外付けHDDに移管しなければならない。これではダビングするのに一手間かかり内蔵HDDも痛みやすい。

東芝のサービスセンターに確認したところ、外付けHDD間のダビングには、対応している機種と未対応の機種があるようだった。対応機種をピックアップしてもらい、晴れてDBR-T1010を選択することになった。ダビングやHDDの整理もしやすくなった上に、操作性も格段にあがり、きびきび動くので扱いやすい。

一方、長らく使用していた DBR-T350 は内蔵HDDから異音がし始めていたのでHDD換装して使用することにした。DBR-T350 はネジ5本で簡単にフタがとれる。HDDはマウントから外さないとデータ転送用ケーブル(SATAケーブル)のソケットが抜けないので、1度マウントからHDDをはずす必要があるが、ドライバー1本で一目でわかる程度の簡単な作業である。

蓋を取り外したDBR-T350
蓋を取り外したDBR-T350

HDD換装後のHDDの初期化は、本体の設定メニューから個人情報を消去をすると、HDDも初期化され無事に認識される。ちなみに3.0TのHDDを取り付けた際には容量が増えなかったが、1.5Tだとなぜか容量増に成功した。リミッターがしかけられているかもしれないので、換装は1.5Tまでとしたほうがよさそうだ。尚、使い回しの古いHDDを使用したので、内蔵HDDの高さが高くなってしまった。その際は裏蓋内側についているHDD固定用のウレタンは取り外す必要がある。

DBR-T350の内蔵HDDマウント
DBR-T350の内蔵HDDマウント

<<関連記事>>
オーディオ機器の変遷
よき機器と出会い、オーディオが届いた日
本場のコンサートホールを再現する


● 少しでもホールの音響に近い音を自宅で再生するために
エルプ フィルハーモニー・ハンブルク 見学記
ロイヤル・アルバート・ホール 見学記
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス 見学記
ラジオ・フランスの新コンサートホール 見学記
ミュンヘンのコンサートホール 見学記

シカゴ オーケストラホール 見学記

オーディオやシアタールームをスマートリモコン化する
SwitchBot、Nature Remo を活用しアンプ.AV機器.スクリーンをスマート化

50年前のヴィンテージオーディオのハイレゾ感に息を呑む
五味康祐氏のオーディオによるレコードコンサート

録音評価付の優秀録音がわかるクリスマスアルバムのお薦めリスト
クリスマスの名曲・名盤! 気分で選ぶクリスマスソング 録音評価付

オーディオシステムの変遷-スピーカー編
マーティンローガンからアヴァロンへ。静電型同様に細やかな再現可能なスピーカーに出会う
オーディオシステムの変遷-パワーアンプ編
管球アンプからデジタルアンプへ。静電型スピーカーをドライブするには強力なパワー必要だった
オーディオシステムの変遷-ネットワークオーディオ編
インターネットラジオからニューフォースのDAC、静音パソコンの導入。加えて、プリアンプとCDプレーヤーの変遷
オーディオシステムの変遷-オーディオルーム編
長年の念願かなって反響を押さえた部屋をこしらえた、そしてホームシアター化へ
オーディオシステムの変遷-レコードプレーヤー編
LINN AXIS LP12の廉価版がまだまだ現役、オーバーハング調整ゲージやデジタル針圧計を使って調整を
オーディオシステムの変遷-サブシステム編
KEFのスピーカーを使い続けて30年、NORDOSTのオーディオチェックCDでメンテナンス

オーディオシステムの変遷-スマートリモコン化編
オーディオやシアタールームを
便利に。SwitchBot、Nature Remo を活用しアンプやAV機器類、スクリーンをスマート化

↑よろしければ、ランキングにクリックくださると嬉しいです。ブログランキングに挑戦中でして怪しいリンクではありません-笑