旅先でアパートを借りるとホテルより割安で便利。そして、アパートにはキッチンがついているのが嬉しい。朝食は市場で買ってきたチーズやハムなどを並べられるし、夜食やお酒のお供用に総菜なんかを買いだめしておける。
また、キッチンには立派なオーブンが設置されていることも多いので、これを活用しない手はない。なにしろオーブン料理は簡単、お手軽な上に地元の食材をそのまま味わうのに適しているのだ。
● アパートに着いたら、オーブンがあるか、まず確認(笑)
● 旅先での食材探しは楽しく、美味しいものがたくさん!
● オーブン料理は手軽だけど多彩
・パプリカの肉詰め
・ローストチキン
・手間のかかるラタトゥイユ
● お魚のオーブン料理各種
・イサキの蒸し焼き
・漁師のグリル
・魚のカマ焼き
● アパートに着いたら、オーブンがあるか、まず確認(笑)
オーブンは普通コンロの下に設置されている。まず、キッチンに入るとそちらに目が行く。そして、オーブンが設置されていると、かなり嬉しい。
ちなみにキッチンに洗濯機を置いてあるアパートも多い。家事を集中して行なえるから これが意外に便利。
● 旅先での食材探しは楽しく、美味しいものがたくさん!
外食をしても相応にお金を出さないと最近の欧米では、なかなか美味しいものに巡りあわない。日本人にとっては最近の為替状況から、異国での外食は割高に感じることが多い。ただ、食材を購入する場合は、海外でも日本と同価格帯かもしくは質を考慮すると安いこともある。特に地場の果物や乳製品は新鮮で美味しいものが手に入るし、肉や魚も地元で採れるものは味わい深いものばかりだ。
また、アメリカや英国は食事が不味いとよく言われているが、食材に関してはそんなことはない。太陽をたくさん浴びたカリフォルニアの農産物、特に果物はとても美味しいし、英国だって四方を海に囲まれ、豊かな漁場を有しているのだからお店には肉だけでなく、美味しそうな魚も並んでいる。
魚料理も西欧風の簡単料理がたくさんある。1番お手軽なのは、バジルなどのハーブと塩を加え、美味しいバターでフライパン焼きにすればよい。手持ちがあれば醤油をふったり、軽く小麦粉をまぶしてムニエルにしても美味しい。更にオーブンがあればシンプルに塩、胡椒とオリーブオイルをかけてオーブンにつっこむだけ。素材がよければ、美味しい魚料理があっという間にできあがる。
肉類は魚よりも入手が楽な上に種類も豊富だ。例えば、日本では少量しか見かけないポークリブなんかがスーパーでドーンと売っていたりする。これをアパートに持ち帰って、あり合わせの調味料で下ごしらえをする。この時は日本から持参したバジル、醤油、塩に、スーパーで買ったケチャップを混ぜ、それを肉の表面に塗ってオーブンで焼いた。良いお肉だったのか、しっかり目の濃い肉の味にケチャップがよくあった。それに、英国ビールとの相性も良い。
● オーブン料理は手軽だけど多彩
オーブン料理は、アイデア次第で多彩なものができる。そのくせ手軽なので、つくった料理を皆でワイワイ楽しむのもよい。
・パプリカの肉詰め
彩りは綺麗ながら超手抜き料理ができるのがパプリカの肉詰め。挽肉はハンバーグ用に既に加工済みのものを使う。そうすると半分にカットしたパプリカに挽肉を詰めるだけ。あまった野菜を余興で散らして、卵なんかもパプリカに詰めてみたりする。これをオーブンで180度で60分で放置。見栄えの良いわりに、お手軽で美味しいものができあがる。そして、焼き上がると、お肉は少し小さくなって肉団子状になり、パプリカの底には美味しい肉野菜スープが溜まるという寸法。
・ローストチキン
ローストチキンはオーブン料理の定番。日本では鳥1羽(まる)を入手するのはちょっと面倒だけど、海外のスーパーでは意外とあちこちで販売している、市場なんかに直接行けばより入手は簡単だ。ベーコンを巻いてメイプル・シロップを塗ってオーブンへ。 焼き上がると周囲のベーコンが焦げて、これが甘しょっぱくて、とても美味。
鶏肉の中に、玉葱とニンニクを詰めてワインに1日浸しておいてもよい。そうするとお肉はかなり柔らかく仕上がる。この鶏肉を浸したワインは鍋で野菜を入れて煮込み、味を調えてスープに転用できる。
・手間のかかるラタトゥイユ
映画『レミーのおいしいレストラン(Ratatouille) 』 にでてくる、超手間のかかるラタトゥイユ(笑)。これを真似してみた。
材料はズッキーニ、茄子、トマト、蕪、パプリカ。ソースとしてセルビアで買ってきたアイバル(パプリカと茄子のペースト)があったので、それを鍋底に敷いた。そして、野菜類を1~2mmに薄く切って、気の遠くなるようなチマチマ作業で並べる。使った鍋はルクルーゼのパエリア鍋(26cm)。
最後はオリーブオイル、塩、胡椒とタイムをのせ、オーブンに。
● お魚のオーブン料理各種
・イサキの蒸し焼き
イサキを丸ごと買ってきて蒸し焼き、見事に耐熱鍋からはみ出している(笑)。オーブン料理は鍋がかなり熱くなるので、持ち手がついていると便利。だから載せる鍋やプレートはなんでもよいが持ち手付を使う。この時のイサキはウロコを落としてワタをとったら、中から立派な白子がでてきた。まるまる太った魚を選ぶと、こんな幸運もついてくる。
炒めた玉葱を敷いて、イサキを上に。イサキには塩とレモン汁とホワイトペッパーにタイムを盛って、最後にオリーブオイルをふりかける。先の白子は塩水に30分ほど漬けて、そのままイサキの傍らに置き、火であぶった。焼いている途中、タイムと魚の香ばしさがオーブンから漏れ香り、ホクホクの蒸し焼きができあがる。
・漁師のグリル
NHKの番組「世界入りにくい居酒屋」でマルセイユで元漁師たちが食べている料理が美味しそうで真似てみた。番組ではヒメジを使っていたが、手近なアジときんきを使用。オーブンにてオリーブオイルをかけて、野菜は先に180度30分焼き、お魚は200度で7分、ワインをかけて更に7分焼いた。味付けは塩とコショウだけのシンプル料理、だけどこれが白ワインにぴったりで満足度100点。
・魚のカマ焼き
マグロと鮭のカマが安かったので、カマ祭り(笑)。小松菜を敷いて、カマには塩をふり、 キノコとネギをちらして少し菜種油を垂らしてオーブンへ。200度25分でできあがり。
多少の下ごしらえをしたら、あとはオーブン任せの手軽さ。素材の味を充分に引き出すオーブンを使わない手はない。