オーディオシステムの変遷-サブシステム編 4 / NuforceからNmode X-PM7 MKIIへ|BAM TUNING外部クロックで音が変わった

オーディオシステムの変遷-サブシステム編 4 / NuforceからNmode X-PM7 MKIIへ|BAM TUNING外部クロックで音が変わった

長らく使用していたNuforceのパワーアンプが故障し、代替品を探し始めた。候補に挙がったのは、近年注目している日本製のデジタルアンプメーカー各社である。迷った末に選んだのが、1ビットデジタルアンプのNmodeであった。このアンプには、以前からその有効性を実感していた外部クロック入力端子が搭載されている。このアンプには、最近その有効性に気づいた外部クロック入力端子が搭載されている。
そこで、ヤフオクで見つけたBAM(ビー・エイ・エム)というガレージメーカーのクロックジェネレーターを接続したところ、アンプの音も大きく変化した。久しぶりに、デジタルならではの鮮烈かつハイスピードな空間表現を楽しんでいる。
○ Nuforce stereo8.5 v3が故障、お世話になったフューレンコーディネート
○ Nuforceの後継に国産デジタルアンプを探す
○ Nmode X-PM7 MKIIを後継アンプに選ぶ
○ Nmode X-PM7 MKIIに外部クロックを導入する理由
○ BAM TUNING クロックジェネレーターを導入
○ Nmode X-PM7 MKIIに対応するワードクロック

–海外のコンサートホール、かつての歴史的なコンサートに誘ってくれるのが自分にとってのオーディオ。なぜ旅ブログでオーディオなのか?というお話は、こちらの記事「本場のコンサートホールを再現する」をご参照ください–

○ Nuforce stereo8.5 v3が故障、お世話になったフューレンコーディネート

長年使っていたパワーアンプのNuforce stereo8.5 v3が、ついに昇天してしまった。スイッチをオンにしても立ち上がらず、正面の青いインジケーターが点滅している。
ハイスピードで濁りのない音に惹かれ、デジタルアンプに大いに興味を持つきっかけとなったのがNuforce社のアンプであった。それだけに思い入れもひとしおであり、残念至極である。

Nuforce stereo8.5 v3
Nuforce stereo8.5 v3

Nuforceは、一部の経営陣が離脱してNuPrimeというブランドを立ち上げた後、次第に勢いを失い、現在ではオーディオブランドとしてほぼ消滅してしまっている。にもかかわらず、元代理店であったフューレンコーディネートさんに問い合わせたところ、大変親切で丁寧な対応をしていただいた。

「もうパーツもないので修理は難しい」としながらも、「一応見てみるので送ってほしい」と応じてくださった。早速、アンプを現在オフィスを構える埼玉県所沢市へ送ると、受け取りの確認とともに、簡単な内部診断の結果を電話で知らせてくださった。
そして翌週には、さらに詳しく精査してくださったらしく、故障の状況や原因などを改めて詳細に教えてくださった。

銀座時代のフューレンコーディネート入口
銀座時代のフューレンコーディネート入口

Nuforceには、本当にお世話になった。ハイスピードで音は繊細、低能率のスピーカーもやすやすと鳴らす大出力、本当に申し分ない性能であった。そして、代理店のフューレンコーディネートさんには、こうした不具合時だけでなく、機器のバージョンアップの度にお世話になった。銀座にオフィスがあった時は何度か持ち込みに伺ったことすらある。

訪れるたびに様々な話を伺い、丁寧な対応をいただいた。そのためNuforce消滅後も、同じくフューレンが代理店を務めるNuPrimeブランド製品を使用し続けていた。デジタルアンプに目覚めて以降、長くお世話になった代理店であった。

聞けば、さすがにこの数年はNuforceについての相談はなかったらしい。それにもかかわらず、修理のための検査を快諾してくださったようだ。結局のところ既に交換パーツはなく、修理はかなわなかったが、この丁寧なやりとりに、やはり良い代理店の製品を使い続けていてよかったと感じたものである。

○ Nuforceの後継に国産デジタルアンプを探す

こうして、Nuforceに代わるアンプ探しが始まった。前回の記事でも書いた通り、近年は日本のデジタルアンプの開発に目覚ましいものがある。そこで、今回は国産メーカーに目を向けてみることにした。

候補に挙げたのは、以下の3社である。いずれもデジタルアンプを手がける国産メーカーだ。

・SPEC(https://www.spec-corp.co.jp/):パイオニアが事業縮小した際に退職した方々が設立
・Nmodeというブランドを展開するLyric(https://www.nmode.jp/):シャープで1ビットのデジタルアンプを開発した方が設立
・逢瀬(https://ause-audio.com/?page_id=23):魅力的な製品群を細々と打ち出しているガレージメーカー

思案の末、これまで使用したことのない1ビット技術に興味を惹かれ、Nmodeを選択した。機種は、1bitプリメインアンプの Nmode X-PM7 MKII(税抜定価:300,000円)である。

キャッチフレーズに『Nmode 史上最大パワー 1bit アンプ誕生』とあるのがポイントになった。サブシステムなので、さほど出力はいらないが、それでも能率の高くないスピーカーを使っているので、そこそこのパワーは必要である。この機種ならばちょうど良いと考えた次第である。

○ Nmode X-PM7 MKIIを後継アンプに選ぶ

Nmode X-PM7 MKII (Lyric社ホームページより)
Nmode X-PM7 MKII (Lyric社ホームページより)

Nmode X-PM7 MKIIの特徴として、以下が挙げられている。

・X-PM7 から大幅に回路の見直しを図り、1bit アンプ部、プリ部は新設計。
・10周年モデル用に制作した、薄膜高分子積層コンデンサの専用品を搭載。
・残留ノイズレベルは従来モデルの10分の1以下。
・背面にパワーアンプ化への切り換えスイッチ搭載。
・音質、パワーともに大幅にアップ。
・リモコン対応。
・外部スーパークロック入力付き、外部クロックの使用で 6 種類のサンプリング選択が可能
端子:BNC コネクター(75Ω終端)
クロック周波数:5.6448、6.144、11.2896、12.288、22.5792、24.576 MHz
信号レベル:5Vp-p
・仕様 W420×H80×D360mm(突起物除く) 最大出力32Wx2(4Ω)、20Wx2(8Ω)

特に魅力的だったのは、パワーアンプ化への切換えスイッチの搭載と、外部クロックジェネレーターへの対応である。

Nmode X-PM7 MKII の背面 外部クロック入力用のBNCコネクターとパワーアンプ切換えスイッチ
Nmode X-PM7 MKII の背面 外部クロック入力用のBNCコネクターとパワーアンプ切換えスイッチ

Nuforceのパワーアンプの代替として購入するので、そもそもプリ部は不要である。そのため、パワーアンプへの切り替えスイッチがあることは、音質面でも有利だろうと思ったからである。しかし、Nmode X-PM7 MKIIはリモコンで音量調整やソースの切り替えができる。そこで、結局は使い勝手のよいプリアンプとして使うことにした。

○ Nmode X-PM7 MKIIに外部クロックを導入する理由

もう一つ、X-PM7 MKIIで魅力的だったのが、外部クロックジェネレーターに対応していることである。前の記事でも書いた通り、メインシステムにクロックジェネレーターを導入して以来、外部クロックによるオーディオ機器の音質向上効果にすっかり魅せられてしまった。

Nmode X-PM7 MKIIについて事前に調べていると、このアンプは異常なほど立ち上がりが遅いらしいことが分かった。そのため、使わないときでもアンプの電源を入れたままにしている人も多いという。アンプ本体はあまり熱くなるわけでもないので、それでもかまわないらしいが、アンプをつけっぱなしというのはどうも気になる。

ここで外部クロックの導入が効果を発揮する。X-PM7 MKIIの立ち上がりの遅さは内部クロックに起因しているため、外部クロックを用いることで、その問題を解決できるのだ。

外部クロックは消費電力もさほど大きくないうえ、ヒーターによる温度維持が必要なため、常時電源を入れておくのが原則である。そこでクロックは常時電源オンにして、アンプのほうは通常通り使用時のみ電源投入をすればよい。アンプに余計な負荷をかけないで済む上に、音質は更に改善するので、外部クロックの導入は良いことづくめである。

○ BAM TUNING クロックジェネレーターを導入

Nmodeからは、X-CL3という外部クロックジェネレーターが発売されている。また、その水晶発振器をルビジウム発振器に変更するなどの改造も行われているようだ。しかし、前記事でも紹介したように、オーディオメーカーではないクロックジェネレーターのガレージメーカーも存在する。実際には、こうしたメーカーのほうが、一般的なオーディオメーカーよりもクロックの心臓部である発振器に、より良いパーツを使っているケースも多い。

サイバーシャフト社のPalladiumシリーズもその一例であり、今回ヤフオクで購入したBAM(ビー・エイ・エム)というクロックジェネレーターも同様である。メーカー品であれば10倍ほどの価格になりそうなクロック製品を、こちらなら比較的安価に入手できる。

そこで、今回選択したクロックは、ヤフオクとeBayの出品者hyper_bamがBAM TUNING名で販売しているマスター / ワード・クロック・ジェネレーターである。BAM TUNINGの発振器には、超高精度のOCXOが搭載されている。事前に計測結果についても説明を受けたが、その精度は非常に高いものであった。ちなみに、クロック発振器には、SPXO(温度補償・温度制御なし)が使われることが多く、高級なものではTCXO(温度補償型)、ハイエンドではOCXO(恒温槽付き)が一般的である。

BAM TUNING 10MHz マスタークロック+ワードクロック
BAM TUNING 10MHz マスタークロック+ワードクロック

発振器には水晶が使われており、精度を維持するためには温度を一定に保つ必要がある。そのため、水晶を収めた容器をヒーターで加温する機構が採用されており、常時通電が必要となる。
今回導入したBAM TUNINGクロックジェネレーターも同様の機構を備えており、通電したままにしておくのが原則である。

○ Nmode X-PM7 MKIIに対応するワードクロック

一方、Nmode X-PM7 MKII側には外部クロック用のBNCコネクターがあり、75Ωのケーブルで接続する仕様になっている。対応するワードクロックの周波数は、5.6448、6.144、11.2896、12.288、22.5792、24.576MHzである。

サイバーシャフト社のクロックジェネレーターは10MHzのマスタークロック形式であるため、X-PM7 MKIIには直接接続できない。一方、BAM TUNINGクロックジェネレーターは、マスタークロックの出力1系統に加えて、ワードクロックを2系統備えている。さらに、オプションでワードクロックの周波数を変更できるほか、各端子のインピーダンスも50Ωまたは75Ωに設定してもらうことができる。

BAM TUNING 10MHz マスタークロック + ワードクロック / EPSON-TOYOCOM製 二重恒温槽搭載の仕様

・10MHz出力: 10.000MHz 高精度マスター・クロック
・第1出力:  44.1kHz、88.2kHz、176.4kHz、352.8kHz、8.4672MHz、11.2896MHz、22.5792MHz
 48kHz、96kHz、192kHz、384kHz、24.576MHz、計12種のワード・クロック
・第2出力:  44.1kHz、88.2kHz、176.4kHz、352.8kHz、8.4672MHz、11.2896MHz、22.5792MHz
 48kHz、96kHz、192kHz、384kH、24.576MHz、計12種のワード・クロック
・オプションで25MHz、16.9344MHzなど標準以外の周波数へも変更可能
・出力波形: 矩形波 (TTL)
・出力インピーダンス: 75Ω(オプションで50Ωに変更可能)
・10MHz外部基準クロック用入力
・ALPS製のスムーズで確実なロータリー・スイッチ
・オプション類は後日組込も可能

BAM TUNING 10MHz マスタークロック+ワードクロック 背面
BAM TUNING 10MHz マスタークロック+ワードクロック 背面

ちなみに、ワードクロックとは、機器間の同期に必要となるクロック信号そのものを指す。一方、マスタークロックとは、複数の機器の基準となる高精度なクロック信号を生成し、ワードクロックなどの同期信号を供給する機器を指す。つまり、BAM TUNINGはマスタークロックを生成・供給できるだけでなく、ワードクロックも供給できるのである。

BAM TUNINGには、マスタークロック1系統、ワードクロック2系統の合計3系統の出力がある。電気的には、それぞれ別々の回路でクロックが生成され、個別のプロセス回路を経て各出力端子に接続されている。
通常のクロックジェネレーターでは、未使用端子に終端器を付けるケースが多いという。しかしBAM TUNINGでは、各出力端子がそれぞれ独立したプロセス回路を経ているため、未使用端子を個別に終端処理しなくても、その影響は無視できるほど小さいとのことであった。

これほど多機能なクロックジェネレーターを、BAM TUNINGは3万円程度で販売している。実際に使ってみても音質改善の効果は大きく、Nmodeユーザーにとって非常に魅力的な存在といえる。
ちなみに、BAM TUNING側からNmodeの製造元であるリリック社へ、信号レベルなどを含めた接続の可否について確認済みとのことであった。

結果として、外部クロックを接続したNmode X-PM7 MKIIは、導入前とは明らかに異なる、広いレンジと精緻な分解能を聴かせてくれた。

Nmode X-PM7 MKII と BAM TUNING クロックジェネレーター
Nmode X-PM7 MKII と BAM TUNING クロックジェネレーター

<<システム構成>>
・スピーカー:KEF Q700 (Version UP)
・プリメインアンプ:Nmode X-PM7 MKII←Nuforce stereo8.5 v3
・クロックジェネレーター:BAM TUNING EPSON-TOYOCOM搭載
・ネットワーク/SACDプレーヤー:Technics SL-G700
・スピーカー:KEF LS3/5a
・ワンボックス・ミュージックプレーヤー:LINN Classik T
<使用ケーブル>
Spectral/MIT MH-750 ULⅡ:スピーカーKEF Q700 (Version UP)と接続
MIT Terminator 2:スピーカー KEF LS3/5aと接続
MIT Terminator 2 RCA:Technics SL-G700とアンプ接続
CANARE L-5CFB 75Ω BNC:Nmode X-PM7 MKIIとBAM TUNING クロックを接続
BELDEN PS9364:Nuforce stereo8.5 v3 と電源接続
BELDEN PS9364:Technics SL-G700と電源接続
BELDEN PS9364:LINN Classik Tと電源接続

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