以前の記事「BMW C650GT インプレッション / BMWのビッグスクーターの魅力」にも書いたように、BMW C650GTにはグリップヒーターに加え、前後のシートヒーターまで標準装備されている。春秋の少し肌寒い時期なら、これらをオンにするだけでも十分に寒さをしのげるほど充実した装備である。
グリップヒーターとシートヒーターには暖かさの強弱設定に加えてオート設定もある。冬季はオートのまま使用していれば、通常の走行で寒さに悩まされることは少ない。しかし、真冬に長距離を走るとなると、それだけでは十分とはいえない。そこで、さらに冬季装備を追加することにした。
○ ハンドルカバー:大阪繊維資材
○ レッグカバー:Tucano Urbano社 Termoscud
○ 電熱ジャケット:KLAN
○ 電熱ベスト:Amazon調達品
○ BMW C650GTにレッグカバーを取り付ける
○ BMW C650GTを「走るコタツ」にしてみて
○ ハンドルカバー:大阪繊維資材

冬季においては、ツーリングの有無にかかわらず、ハンドルカバー(ハンドルウォーマー)は欠かせない装備である。大阪繊維資材のハンドルカバーは作りが丈夫で耐久性も高く、長期間使えるため、車種を問わずこのメーカーの製品を愛用している。
使用している商品の型番はNK377972で、寸法は奥行き×幅×高さが34.4×24.6×7.6cmである。万一在庫がない場合でも、BMW C650GTではこのサイズ感を目安に選べば、他製品でも大きく外すことはないだろう。
大型バイクでロングツーリングをする場合、ハンドルカバー選びでは次の3点を重視したい。
・十分な奥行きがあり、手首までしっかり覆えること
・多数のスイッチ類を装着した状態でも操作性を損なわないこと
・高い防水性を備えていること

商品説明では、取付ベルトで巻き付けるだけのクイック装着をうたっている。ただ、走行中に外れることがないよう、私は別途ひもを使って固定を強化している。
○ レッグカバー:Tucano Urbano Termoscud

レッグカバーは、海外のスクーターではよく見かける装備である。都内でも、外国人ライダーが装着して走っている姿を何度か目にしたことがある。
今回入手したのは、イタリアのTucano Urbano(トゥカーノ・ウルバーノ)社のレッグカバー、Termoscud(テルモスクード)である。BMW C650GT用として販売されているのを見つけ、すぐに購入しておいた。

実際に取り付けてみると、冬場に足元へ風が入り込まないだけで、快適性が格段に向上することを実感した。特に高速走行では、足が風にさらされないだけで、これほど冬の走行が楽になるのかと驚いた。
BMW C650GTにはシートヒーターもあるため、このレッグカバーで下半身を覆うと、腰から下の保温性が大きく向上する。寒さがかなり和らぎ、まさに「走るコタツ」と呼びたくなる装備である。

このレッグカバーには、次のような機能がある。
撥水加工:雨の日にも対応できる
起毛裏地:ひざに当たる部分には、毛布のような毛足の長い起毛生地を採用
収納ポケット:グローブなどを入れるのに便利
シートカバー機能:駐車時にシートを覆うことができる
リフレクター:ステッチとロゴプリントには反射素材を採用

実際に使用してみると、生地はとても丈夫で、装着したときの安定感も高い。写真の通り、シート全体をすっぽり覆う形になる。
○ 電熱ジャケット:KLAN
BMW C650GTを購入した際、シート左側面に、旧来のBMW車種で採用されていたヘラープラグ(欧州規格の小型電源ソケット)を追加で取り付けてもらった。以前から持っていたBMW専用充電器を使い、本体カバーを外さずにバッテリーを充電できるようにするためである。
さらに、このヘラープラグからは、イタリアのバイクアクセサリーブランドKLANの電熱ウェアにも電源を供給できる。この電熱ジャケットは袖まで電熱線が入っており、非常に暖かい。
電熱ジャケットやヘラープラグについては、以下の記事「BMW C650GT インプレッション」で詳しく紹介している。



○ 電熱ベスト:Amazon調達品
KLANの電熱ジャケットでは少し大げさに感じるときには、Amazonなどで販売されている格安の電熱ベストを使っている。軽量で消費電力も少ないため、使い勝手がよい。モバイルバッテリーでも駆動できるので、バイクを降りたあとにもそのまま使えるのが便利である。
電熱ベストを選ぶ際のポイントは、やや小さめで、身体にしっかり密着するサイズを選ぶことである。電熱ベストを身体に密着させ、その上から重ね着をすると保温性が高まり、実際に使ってみてもその効果を実感できる。
なお、このUSB電熱ベストをBMW C650GTで使用する際は、ヘラープラグをシガーソケットに変換し、そこへシガーソケット型のUSBカーチャージャーを接続した。
バイクを降りる際には、ソケットからケーブルを外す必要がある。ただ、USB電源の接続部を左腰付近にまとめているため、ここを外せば電熱ベストを簡単に着脱できる。
○ BMW C650GTにレッグカバーを取り付ける
ここからは、Tucano Urbano Termoscudの取り付け方法を紹介する。レッグカバーの取り付けはやや手間がかかり、初めて丁寧に作業したときには60分近くを要した。
●必要工具
取り付けに必要な工具は以下の通りである。
・T25トルクスビットソケット/T25ビットソケット
・ラチェットハンドル
・T型スライドソケットハンドル
・ビットソケットセット用のアダプタ
これらの工具については、記事「BMW R1150R のバッテリー交換」で詳しく紹介している。BMWに乗るのであれば、いずれも用意しておいて損はない工具類である。
更に記事内容に加えて、次の2つも必要になる。
・プラスドライバー ハンドルを接触しないよう短いサイズのもの
・8mm ボックスレンチ

付属のT25ドライバーでは十分に力をかけられず、作業には不向きであった。レッグカバーが走行中に外れないよう、ネジはある程度しっかり締める必要がある。しかし、この短い付属ドライバーでは十分なトルクをかけることができない。

この工具類は普段のBMWの整備でもよく使うので、ラチェットハンドルやT型スライドソケットハンドルを用意しておくことをお勧めする。特にネジをなめないためにも、ラチェットハンドルにトルクスビットソケットを組み合わせ、適度な力で丁寧に締めるのがよい。
また、走行中に取り付けたネジが緩む可能性もあるため、ツーリングの際には以下のT25ドライバーを持参することにした。ラチェットハンドルなどはかさばるため、携帯するのは簡単なドライバーだけである。
ハンドル部分のネジ止めには、短いプラスドライバーが必要となる。長いドライバーではハンドルに接触してしまうからである。また、足元のネジ止めはナットで固定するため、8mmのボックスレンチが必要になる。
・レッグカバー取付け方法
図解付きの説明書が付属しているものの、少し分かりにくい部分がある。そこで、実車に取り付けた際の写真を使いながら、取り付け方法を順番に紹介していく。
まず、レッグカバーを固定するネジの位置を確認する。写真の赤い丸で示した部分が片側4か所、左右合わせて合計8か所ある。

次に、取り付け金具を確認する。車体外装を固定している純正のネジをそのまま流用する箇所が4か所、純正ネジを付属のネジに交換する箇所が4か所ある(写真のAとB)。
また、写真のCはネジとナットが一組になっており、L字金具を使って新たな固定箇所を追加する仕組みである。

1.ハンドル脇の2か所
ハンドル脇の2か所は、写真のように固定する。上側の留め具には、取り外しができるようバックルが付いている。下側は、車体の純正ネジを流用して固定する。
上側のバックルを外せばレッグカバーをめくることができるため、ハンドル下の収納スペースも通常通り開閉できる仕組みである。

2.フロントライト下
ライト下の固定ベルトは、車体のサイドを回して固定する。

ライト下の留め具は、車体の純正ネジをそのまま使って固定する。

3.足元の固定金具
足元はフットマットを外し、L字金具を取り付ける。マットの下には2本のネジがあり、そのうち外側のネジを付属の長いネジに交換して、L字金具を固定する。

次に、L字金具の先端にネジとナットを取り付け、レッグカバーをしっかり固定する。

4.バイク下部とレッグカバーをベルトで固定する
最後に、バイク下部の溝にベルトのフックを掛ける。これでレッグカバーが車体にしっかり固定され、取り付けは完了である。

5.レッグカバー左右のチューブに空気を入れる
最後に、レッグカバーの左右に付いているチューブから空気を入れる。空気を入れることでカバーが内側から膨らみ、走行中の風によるばたつきを抑えることができる。
かなりの空気量が必要になるため、手動ポンプよりも電動ポンプを使ったほうが楽だと感じた。
電動ポンプについては「バイクの空気入れを超便利にする方法 / オートバイの空気圧管理|電動ポンプとツーリングの備え」の記事を参照ください。

空気を入れると、写真のようにカバー全体がしっかりしてくる。ただし、空気を入れすぎて硬くしすぎると、かえって使いにくくなりそうなので、ほどほどのところで止めている。

以上で取り付け完了である。
○ BMW C650GTを「走るコタツ」にしてみて
最初は説明書を見ながらの作業になるため少し時間がかかるが、一度取り付け方法を理解してしまえば、それほど難しい作業ではない。実際、手順に慣れれば取り付けにかかる時間も大幅に短縮できると感じた。
BMW C650GTはもともとグリップヒーターやシートヒーターを備えているが、ハンドルカバー、電熱ウェア、そしてレッグカバーを組み合わせることで、真冬のツーリングでもかなり快適に走ることができる。特にレッグカバーは足元への冷気を大きく抑えてくれるため、冬季装備として非常に効果を感じた。









