旅にはSIMフリースマホとタブレット2台を持参し、片方がバックアップとなるようにしている。どちらかの不具合にすぐ対応できるからだ。
今や携帯端末は旅の命綱、時刻表や現在位置、行き先の確認だけでなく、クラウドには各種重要情報がアップされている。宿泊先予約票、レンタカーの確認書、各種電子チケットなど、旅のあらゆる情報がネット上に保管されているので、これなくしては旅を続けることが困難になる。
そこで、大切なのは海外SIM選び、安定、安価で大容量の現地SIMがあるとかなり安心できる。ところがドイツでは海外SIM購入で苦戦を迫られた。そこで、お勧めの海外SIM Three や MightySIM の便利な使い方や各国の現地キャリアのSIMその使い方をまとめてみた。そんな中で登場したのが、プリペイドSIMの進化型であるeSIMである。
● 海外SIMで ドイツでのプリペイドSIM購入はお勧めしない、初日のドタバタ
ドイツでのプリペイドSIM購入の問題についてネットで検索すると、問題となる事情がたくさん出てくる。ひと言で言うと法改正により開通作業=アクティベーションが煩雑になってしまったのが大きな問題となっている。これによって、他国では店頭購入したSIMが15分程度使えるようになるのに、ドイツでは店頭での購入時の手続きが煩雑になり、時間を酷く要することになってしまった。
2014年に訪独した際は他国同様に簡単にSIMも購入でき、アクティベーションもさしたる問題ない手軽さであった。その時ベルリンで購入したのがドイツテレコム傘下の独T-MobileのSIMは重宝し、2016年は米国やオランダでも使えたので、残りのチャージをすべて使い切った。
そのSIMを昨年、ハンブルクのDeutsche Telekom(旧T-Mobile)に持込んでチャージ (Top-up) できないか確認してみたところ、2年使わないと無効になってしまうらしく不通。更には以前より値段設定が高くなっていたのでTelekomの新規契約は諦めた。そのままボーダフォンに行くも、店頭が激混みだったので、最近評判のよいO2にあたってみることにした。
O2では、感じのよいスタッフが対応してくれたが、登録には案の定やたら時間がかかる。座ってアクティベーション待ちの人が店内に数名いるので、SIMを預け3時間ほど街を散策して戻ったのだが、トラブルでまだアクティベーションができない、とのこと。どうも中央のシステムの問題らしい。「今夜もう一度店に来てくれ」と言われるが、予定があって夜の再訪は不可能なのでキャンセルすることにした。
続いて向かったのはドイツの家電量販店SATURN。各社のSIMが並ぶ中、怪しげな格安SIMを販売員に勧められた。アクティベーションはO2同様に今日は無理だが、おってSMSで完了報告が来ると言う。ならば待つ必要もないし、安いこと手伝って、ものは試しでこちらを購入することにした。
● 再び家電量販店でSIMの設定に四苦八苦
しかし、そのプリペイドSIMもアクティベーションの完了報告が届かない。日曜日を挟んで翌々月曜日に再び購入した店舗に出向くと、幸いなことに前回対応してくれた同じスタッフがいたので、状態を調べてもらうことにする。結果、またもやシステムトラブルで申請が通っていなかったらしい。再度、パスポートやらを提示して申請完了。しかし、今度もアクティベーションがうまくいかない、さんざんスタッフが奮闘してくださって、他の端末で接続を成功させてやっと完了した。
このときは、お詫びとして通話機能までもついたボーダフォンのSIMまでいただいた。やはり自分でやらず、海外SIMのアクティベイトはやはり依頼したほうがよいと感じた次第(笑)。
この時対応してくれたSATURNのスタッフはドイツ人らしく無表情なのだけど、仕事が丁寧。SIMの扱い、資料の扱い、毎回画面を綺麗に拭いて、言語環境を戻して手渡してくれた。あげく「本当は10分で済む作業なのに、すまない」と丁寧なお詫びの言葉。いろいろな機種で動作確認して、設定もいろいろ調べてもらい、こちらこそ恐縮してしまった。
● eSIM、プリペイドSIMの進化型【追記記事】
eSIMと言う デジタル SIMの登場で、いよいよ物理的な SIM を使わなくてもよいようになった。
事前に物理的なSIM(プリペイドSIM)を購入せずに済むのはなんともお手軽だ。もちろんeSIMはレンタルWi-Fiよりもお得であるし、使用料金も安い。
そして、なによりもお手軽さだ。QRコードでカンタンに申し込んで使うこともできるし、日本語での設定でなので現地語で戸惑うこともない。周遊プランで国を移動して使うこともできるので欧州などでも気軽に使える。また、対応国ならトランジットで目的地到着前の空港でも使えるのも便利だ。
特に eSIM-san(イーシムさん)は、世界90か国以上対応している上にデータプランも豊富で500MB/日、1GB/日、2GB/日、3GB/日、無制限/日と選ぶことができ、重宝する。
● SIMは渡航前に準備するのが1番 Three のプリペイドSIMカードはお薦め
このドイツ訪問の際に、日本国内で別途に準備したのが、格安の欧州向けプリペイドSIM「ThreeプリペイドSIM/3GB」。最近は現地での海外SIM調達がうまくいかなかったことを考慮して、渡航前に通販で海外SIMを1枚購入しておくことにしている。
この 「ThreeプリペイドSIM/3GB」 は90日間有効でAmazon経由で1,980円+送料無料とかなり安く。使用方法説明もチャージ(Top-up)方法もネットを検索すれば簡単に出てくるのでよさそうに感じた。PayPalがあればどの国でもチャージできるのだから長旅でも安心である。やはり海外SIMを現地での調達だけに頼るのは少々危険である。
そして、今回もドイツ に最初に入国したので、ミュンヘンでSIMを購入するのは避けるべく、Three の海外SIMを2枚を事前に用意することにした。1枚は Three 30日/データ12GB/通話3000分 ¥ 2,150円。なかなか良心的な値段設定である。尚、「 周波数のあったSIMフリー携帯のみご利用可能(タブレット端末やモバイルルーターではお使いいただけません) 」と小さな文字で説明があるので注意しなくてはならない。
先のがタブレットで使えないとあるので Three UK プリペイド シムカード ヨーロッパ用 12GB ¥ 2,980 と同じ Three ながら別のSIMも購入した。
● 旅行ではスマホとタブレットの2台持ちがお勧め
先ほど説明した通り、Three のプリペイドSIMカードを2枚別々に購入したのは、一つはタブレットで使う予定の為である。宿泊先予約票、レンタカーの確認書、各種電子チケットなど、最近は旅のあらゆる情報がクラウドに格納されているから端末は命綱になることもある。オランダでは鉄道チケットもアプリを使ってQRコード読み取りの電子改札を抜ける仕組みだったりもした。
そのため、 スマホなどのネット端末の故障、電池切れやSIMの通信不良に備えて、スマホとタブレットの2台を旅行には持参している。2台通信端末があると、一方の端末のSIMのアクティベーションの為に、もう一つ別のSIM端末が使えるので、助かったこともあった。
また、 最近はどこの国でもフリーWiFiがあり、ホテルなどではWiFiは快適なことも多いので、極端な通信不安はない。ただ、WiFiの調子が悪いホテルがたまにあり、その際はスマホやタブレットのテザリング機能がノートPCのルータにもなることもある。やはり、2台あるとなにかと安心である。
そして、スマホと違ってタブレットの大画面は旅の最中には便利だ。美術館でのちょっとした調べ物やGoogleマップでの行き先検索、他人になにかを説明する際は画面の大きいほうが明瞭であるからだ。
● 旅先では、SIMを2つ以上持参しておく
通常異なるキャリアで2枚持っていれば、いざという時に安心なので、日本で海外SIMを1枚を準備し、現地で更に1枚調達する。また、現地で調達する代わりに、以前使ったSIMで再度チャージできそうなものは持参しておいてもよい。ただ、しばらく使っていないとSIMに追加チャージができない場合も多いので、あくまでも念のためということになる。
● MightySIM は予備の海外SIMとして最強
更に3枚目の海外SIMカードとして、MightySIMがある。これは3G回線で、少々割高だが、優れたSIMカードで旅先には毎回持参している。まず、よいのがアクティべーション不要で日本で接続確認してから海外に持ち込めること。SIMカード自体に損傷がないことや課金の方法を、日本にいながらにして確認ができるので、フリーSIMの端末に不慣れな人には向いている。
逆に他国のSIMは現地に行くまでアクティべーションができないので通信可能になるかは到着までわからない上に、途中のトランジットの空港でも使えないケースがある。そういったことから、毎回一番安いプランを購入して日本で稼働をチェックして予備としてこのSIMは活用している。(尚、対象国Zone1を選択した場合のみ日本での通信は不可)
MightySIM のおかげで、到着時の空港で確実に連絡がとれたり、Googleなどで検索できたりするのは大きな安心材料になる。例えば、旅先でのアパートの鍵の受け渡しが深夜になる時など、空港に到着してすぐにアパート管理者にメールなどで一報を入れられるのは心強い。深夜の冬の寒空の下、アパート前で重い荷物を携え待たされるのはかなわないからだ(笑)。
● ご当地キャリアのSIMの数々Vodafone Orange AT&T
イギリスでは Vodafone(ボーダフォン)を、フランスではOrange(オランジェ)を使ったが、どちらも直営店でセットをしてくれアクティベーションもスタッフがすぐにやってくれた。
アメリカのAT&Tも電話付のSIMを使ったことがある。到着後すぐに電話を使いたかったので、事前にamazonにて購入した。料金も安価でよいサービスだったが、一点困ったことにSIMを抜き差ししてスマホからタブレットに移した際に稼働しなかった。アクティベーションをおこなった端末でしかSIMが使えないのか、タブレット(データ通信のみ)に対応していなかったのか不明だが、注意が必要だ。
また、マカオで購入したSIMでは、アクティベーションの際に1度だけ端末から電話をかける必要があったが通話機能がないタブレットだったので、その際はホテルのフロントが慣れた手つきで自分のスマホでコールをしてくださり、アクティベーションに成功したこともある。
かようにアクティベーションでは一手間かかったりするし、一人で対応にするにはけっこうな時間を要してしまう。その為、なるべくなら現地のキャリアの直営店舗に持込んだほうがよい。
● スマホやタブレットには、有線キーボードという選択もあり
海外SIMの話から脱線するが、最近ノートPCを持ち歩かないことが多くなり、代わりにタブレットにキーボードを有線でつないでいる。旅行中のカフェで一息つきながら、タブレットにキーボードをつないで長文をゆったり書いたりするのにちょうど良い。
ただ、スマホやタブレットのキーボードはBluetoothが全盛なので、軽くて小型の有線キーボードはなかなか見つけるのはたいへんだ。そこで、最近見つけたサンワのこちら↓キーボードが案配がよい。小型軽量でキーピッチも標準なので快適で長いおつきあいになりそうな予感である。
Bluetooth接続がなぜイマイチかと言うと、まず接続に多少時間がかかる。タブレットの設定操作をしてベアリング、これを都度都度おこなうのが、面倒だ。数分の空き時間に、ちょっとした文章を書く時には余計煩雑に感じる。もうひとつは電池電源の問題。有線であると消費電力も少ないし、Bluetoothキーボードはキーボード本体に充電が必要で、しかもその内蔵バッテリーが逝ってしまうとキーボード自体が廃棄となる。実際、過去にBluetoothキーボードがおしゃかになったことが数回ある。そこで、最近はキータッチに慣れを覚えている有線キーボード一択を愛用している。