長年使ってきたターンテーブル LINN AXIS 発売から40年を経ているが、まだ元気に稼働している。LINNの有名なターンテーブル、LP12の弟分として発売されたAXISは、LP12と共通する機構も多く基本性能は高く、採算度外視で製造されたらしい。そのためか、ほどなく廃番になってしまった。
LP12との共通部品も多く、ダストカバーのヒンジなどを交換して使い続けてきたが、駆動系のメンテナンスはもう不可能だろう。
CDプレーヤー同様、そろそろ買い替えたいところであったが、オーディオ店の諸氏が「手放すな!そのまま使っていなさい」と、かしましい(笑)。
結局、店舗で売ってくれないので、しかたなく通販でTEAC TN-5BBを購入することになった。
この30年ほどのターンテーブル遍歴を振り返ると、SOTA sapphireからLINN AXISを経て、今回TEAC TN-5BBに行き着くことになった。
○ オーディオ店から「LINN AXISを手放すな」と止められる
○ TEAC TN-5BBを選んだ理由|オートアームリフトとXLRバランス出力
○ TEAC TN-5BBの音質を改善する|フォノケーブルをSAEC SCX-5000X-Xに交換
○ カートリッジをAudio-Technica AT33Saに交換し、山本音響工芸HS-4を導入
○ LINN AXISをモノラルレコード専用プレーヤーとして復活
–海外のコンサートホール、かつての歴史的なコンサートに誘ってくれるのが自分にとってのオーディオ。なぜ旅ブログでオーディオなのか?というお話は、こちらの記事「本場のコンサートホールを再現する」をご参照ください–
○ オーディオ店から「LINN AXISを手放すな」と止められる
CDプレーヤーの次に手をつけたのがレコードプレーヤーの新調である。今使っているレコードプレーヤーはLINN AXISで40年前のもの。あまりLPを聴かなくなったので、前機種のSOTA sapphireからダウングレードしたまま、若い頃に買い集めたLPを希に聴くために使い続けていた。ただ、このLINN AXISも古くなり、いつ電源やモーターが昇天するのかと気になるところである。

ところがである。レコードプレーヤーを買い替えようとすると、ことごとくオーディオ店のスタッフに邪魔をされる。「今使っているプレーヤーの機種は何?」と、どのオーディオ店でも必ず聞かれるのだが、正直にLINN(英国の老舗メーカー)と答えると「せっかくLINNを持っているのなら、壊れるまで使っとけ。こんな日本製のプレーヤーなど買うな」と販売員が売ってくれないのだ(笑)。
別の店ではトーレンス(スイスの老舗)に買い換えようか迷った際も「LINNでいいじゃん」と若い店員に説得された。彼らは店の売上に貢献するつもりはないのだろうか・・・。そんな店員相手に「そろそろ本当に壊れそうだし、LINNと言っても超廉価版のほうのプレーヤーだよ」なんて説明しているのだが、さらに皆さんが「今のプレーヤーを手放すな」と説得にかかってくる。
先日などは「そのLINN廉価版プレーヤーでも同じ音を出したいのなら、新しいプレーヤーに50万円は払わないと手に入らないよ。しかも、「日本製なんか買えば、所詮、日本の音しか出ないよ」と言われる始末。
さらに別の店舗では、購入しようと思っているプレーヤーを目の前にして「安っぽい造りだよね。昔はこの程度のプレーヤーなんて数万円(半値)くらいで売ってたのに、酷い時代になったもんだ」なんて言われてしまった。それで仕方なく、今度のレコードプレーヤーTEAC TN-5BBは通販で買った。だって、どの店も売ってくれないのだから。
ただ、自分のレコードプレーヤーの購入遍歴を振り返ると、ダウングレードの連続である。初代は、プレーヤーの縁を木槌で叩いても針が飛ばない、米国製の凄腕レコードプレーヤー、SOTA sapphireである。学生時代に買い集めたレコードがたくさんあり、「音質もレコード>CD」という確固たる思い込みが自分の中にあったので、大盤振る舞いをして購入した。

それがレコードを買わなくなっていった。というか、今では信じられないことだが、売り場からレコードがほとんど消えた時期があった。レコードが買う機会がなくなり、CDを購入する機会が増えるにつれ、レコードプレーヤーも手軽なもので良いと思うようになった。そこで、LINNの入門機を中古で購入した。
そのLINNのレコードプレーヤーに軸受けへオイルを注したり、アームを交換したり、細々とメンテをしながら使い続けて20年、そろそろ買い替え時だろう。
○ TEAC TN-5BBを選んだ理由|オートアームリフトとXLRバランス出力
機械だけでなく自分も限界である。2楽章が終わったらプレーヤーの前まで行き、レコードをひっくり返す気力が自分にはもはやない(笑)。今や寝っ転がっていても、アレクサが何でもやってくれる時代である1曲を途中で中断したうえに、針とレコード盤の上げ下げまでさせられるのはかなわない。
それに、これまた歳のせいか夜レコードを聴いているとついウトウトしてしまう。それで気がつくとブッツンブッツンと、レコード盤の中心付近で針が空回りしていることが最近多々ある。
そんなわけで今度こそオートアームリフトが欲しかった。ミニコンポのレコードプレーヤーなどにはよく付いていた、レコードの再生が終わると自動的に針を持ち上げ、針と盤面を守る機能である。ただ、このものぐさ機能は高級レコードプレーヤーにはまずついていない。お高くとまった高額プレーヤーのほうが不便にできているのだ。

それで、今回もレコードプレーヤーはダウングレードとなった。しかも、選んだレコードプレーヤーはオーディオ店スタッフも否定気味の日本製(笑)。自分が長らくCDプレーヤーでお世話になっているTEAC社のTN-5BBという機種にした。
決め手は先のオートアームリフトに加えて、ベルトドライブであることとXLRバランス出力がついていること。ベルトドライブは、モーターの振動がターンテーブルに伝わりにくいというメリットがある。
XLRはバランス伝送に対応した端子・接続方式で、外来ノイズの影響を受けにくいのが特徴である。レコード再生のような微弱な信号を扱う場合には、そのメリットを期待できる。これくらいは高級機の面影を残したかったのも、この機種の選択理由(笑)。

それで、使ってみて感心したのがターンテーブルが肉厚のアクリル製であることにも感心した。静電気でシートがくっつくこともなく、盤面も取り上げやすい。
また、ユニバーサル型コネクター方式になって、カートリッジを簡単に取り替えられるようになったのも良かった。
○ TEAC TN-5BBの音質を改善する|フォノケーブルをSAEC SCX-5000X-Xに交換
自分は高額なレコードをそれほど所持していないけれど、CDに買い直せないLPを中心に枚数だけはけっこう所持している。一方で、オペラなど長時間ものはCDのほうがメリットがあるので、ほとんど売ってしまった。つまり、残っているLPは売ってもお金にならないか、CDで買い直すまでもないと言うようなレコードばかりが棚にたんまり眠っている状態である。これらは久しくレコード再生環境を整えていなかったので、LPをあまり聴く気にならなかったことから死蔵に近かった。
ところが、今回買い替えたフルデジタルアンプのTechnics(Technics SU-R1000)の内蔵フォノイコがあまりに優れており、レコード再生能力が爆上がりした。そこで、再びLP再生環境に手をつけることにした。このアンプのおかげで久しぶりにレコードの繊細でスピード感ある音が聴き取れるようになったので、やはり再生環境においてアンプによる影響は大きい。

レコードプレーヤー TEAC TN-5BBの選択理由は XLRバランス出力がついていること、オートアームリフトがついていることの2つであった。XLRケーブルはノイズを拾いにくいので、繊細なレコード再生には最適だし、デジタルのフォノイコにつなぐ意味でもXLRバランスのほうが相性が良いような気がする。アンプのTechnics SU-R1000にはアンバランスとバランスの2つのフォノ入力端子があるので、XLR端子とを使うことによって2つのターンテーブルを同時接続できることも幸いした。
TEAC TN-5BBをTechnics SU-R1000につなげると、なかなか良い音でなり始めたのだが、このままではCDの再生音には追いつかない。そこでMITの安物XLRケーブルからSAEC SCX-5000X-X のフォノケーブルに変えた。
プレーヤーのアームもSAEC製のものなので無難な選択のはずと睨んだからだ。これが当たったのか、ケーブル交換だけで音の鮮度と表現力がかなり増した。いずれMITの相応グレードのケーブルでも試してみたいが現状はこちらで十分な鳴りっぷりである。

○ カートリッジをAudio-Technica AT33Saに交換し、山本音響工芸HS-4を導入
次はカートリッジである。使っていた「Ortofon Kontrapunkt a」も購入してから20年以上が経つ。一方、先日新調した「DENON DL-301II」では大味な音で物足りず、やはりOrtofonにはかなわない。そこで、新たにカートリッジも新調することにした。
選択したのは前から気になっていたAudio Technica AT33Saである。これでターンテーブルもアームもフォノケーブルも国産になり、カートリッジまで国産品になった。シェルも安物をやめて評判の良い山本音響工芸 HS-4を選んでみた。Ortofonより、ほんの少し優しい音になったが、その分、繊細さと透明度はグンと上がり、Ortofonとも互角だと感じる。
これらの構成で聴いてみると、やっとCD再生とほぼ互角の音質になった。

○ LINN AXISをモノラルレコード専用プレーヤーとして復活
Technics SU-R1000にはアンバランスとバランスの2系統のフォノ入力がある。そこで、アンバランス(RCA)はLINN AXISに接続し、ターンテーブル2台体制とした。
そして、モノラル専用カートリッジのAudio Technica AT33MONOを取り付け、モノラル録音の再生専用とした。貧乏だった学生時代はとにかく曲をたくさん聴きたくて、安価な古い録音のレコードを購入していた。その中にはモノラル録音のものがたくさんある。モノラル専用カートリッジを使えば、アンプのセレクタを変えずにそのままモノラルレコードをかけることができるし、音も多少よくなっているかもしれない。今回のモノラルカートリッジの導入で、モノラルLPに再度手を伸ばす良いきっかけになっている。
モノラルカートリッジでモノラルレコードをかけてみると、スピーカーの間にしっかりと音像が浮き上がる。モノラルでも良い録音のものは、確かにハイファイの音であった。
今回聴いたLPレコードは以下のとおりである。上の2枚は中古販売品があったが、その価格表示には驚いた。貧乏時代に買ったので、どれも中古屋で1,000円を超えるものはなかったはずだ。これらは今CDで買えば数百円の盤ばかりである。これでは新しいレコードを買う気にはなれない。

・ビリー・ホリデイ 奇妙な果実(K23P-6611) The Greatest Interpretations Of Billie Holiday
・E・クライバー ベートーヴェン/交響曲第5&9番(仏DECCA 2524)Beethoven Symphonies #5&9 Erich Kleiber
・フルトヴェングラー メンデルスゾーン&ウェーバー(独DG 2535 821)Weber Mendelssohn Ouvertüren FURTWANGLER HYSTORIC MONO
・トスカニーニ ワーグナー(仏RCA GM 43404)Wagner Toscanini Arturo Toscanini, NBC Symphony Orchestra and Richard Wagner
<レコード再生構成>
○ターンテーブル TEAC TN-5BB
・カートリッジ Audio Technica AT33Sa、Ortofon Kontrapunkt a、DENON DL-301II
・ヘッドシェル 山本音響工芸 HS-4
・フォノケーブル SAEC SCX-5000X-X
○ターンテーブル LINN AXIS
・カートリッジ Audio Technica AT33MONO
・フォノケーブル LINN純正
<<現在のシステム構成>>
・スピーカー:Avalon Acoustics Eidolon
・プリメインアンプ:Technics SU-R1000
・CDプレーヤー:ESOTERIC K-03XD
・レコードプレーヤー:TEAC TN-5BB
カートリッジ:Audio Technica AT33Sa
・レコードプレーヤー:LINN AXIS
カートリッジ:Audio Technica AT33MONO
・サブウーファー:ELAC SUB2050
<使用ケーブル>
Spectral/MIT MH-750 ULⅡ:スピーカー Avalonと接続
MIT Shotgun MA RCA:ESOTERIC K-03XDとアンプ接続
SAEC SCX-5000X-X [XLR→XLR] :TEAC TN-5BBとアンプ接続
サイバーシャフト 純銀高品位BNC:ESOTERIC K-03XDとPalladium OP17を接続
MIT Shotgun AC1:ESOTERIC K-03XDと電源接続
MIT Magnum AC1:SU-R1000と電源接続
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