このところの旅ではホテルを使わずに、レンタルアパートを予約している。唯一面倒な鍵の受渡し方法に慣れると、旅先に自分の家をもったような安心感が生まれ、旅を豊かにしてくれる。
● アパート泊の魅力-旅先での生活感ある過ごし方
● 実際的なメリットもたくさんあるアパート泊
● アパート泊のデメリット、ホテル泊のメリット
● アパートの探し方、宿泊場所の決め方
● アパートの選び方
● 各予約サイトの使い方 アパートの予約確定まで
● アパート泊の魅力-旅先での生活感ある過ごし方
気に入った街に逗留する旅では、アパート泊は旅をより豊かなものにしてくれる。地元の美味しい食材や総菜を買ってきて煮炊きをし、ゆったりと我が家のように食事をしたり、空いた時間で洗濯をしながら読書をしたり、とホテル泊の快適さとはまた異なったリラックスした空間を得ることになる。
もちろん配慮の行き届いたホテルで、いつも清潔整然とした部屋に帰宅できるのは嬉しいものだし、夜中にホテルのバーに立ち寄ったりと、ホテルならではの時の過ごし方もある。一方、アパート泊はそれとは別の時間の流れ、旅先ながら生活感ある時を過ごせるのが魅力だ。
例えば、パリのアパルトマンでフランスならではの美味しいバターやチーズを市場で買い、早起きのブーランジェリーやパティスリーでパリジャンさながらに焼きたてのバゲットを買ってカフェオレと共に朝食なんてことも可能である。
また、シカゴの高層アパートのゆったりしたリビングで、簡単なつまみをキッチンで用意して、優雅に夜景を楽しみながら就寝前にウィスキーをいただくなんてこともアパート泊ならではである。
● 実際的なメリットもたくさんあるアパート泊
アパート泊の魅力はまずはキッチン、それに普段使いができる冷蔵庫があることがあげられる。旅先での市場巡りやスーパーで、地元ならではの食材に出会うことは旅行の楽しみのひとつだが、部屋に大きな冷蔵庫があれば大量の食材や総菜を買ってきても問題はない。調理したものも冷蔵庫でそのまま保存できる。
そして、キッチンには食器や調理道具も一式揃っているので自分の好きな時間に自炊して食事をとることができる。これがかなり快適なのである。コンサートなど観劇後の寒い夜中、まっすぐアパートに帰宅して惣菜やスープや温めて軽い夕食としたり、朝食では新鮮な乳製品やフルーツ、焼きたてパンを朝の散歩で買ってきて食べたりもできる。
また、キッチンにオーブンがあると更に便利だ、手軽に多彩な料理をつくることができる。
オーブン料理の詳細については、こちら↓のブログ記事をご参照ください。
もうひとつアパート泊の大きな魅力は洗濯機があること。洗濯機があって助かるのは、旅に持参する衣類を減らすことができることにある。乾燥した地域では一晩で洗濯物が乾くので、マメに洗濯ができるとなると着替えの持ち合わせを、ぐんと減らすことができる。
長期旅行で衣類の持ち合わせを減らせるメリットは大きい。もちろん風呂場などで手洗い洗濯も可能だが、手洗いであると、脱水が甘く、干し時間が余計にかかる上に洗濯時に別の作業ができない為、やはり洗濯機があると重宝するのだ。また、キッチンに洗濯機があるアパートも多く、その場合は食事の準備をしながら洗濯も合わせて済ませてしまうことができる。
こうしてアパートの部屋で食事をつくったり、洗濯なんかもこなしたりして2日もすると、借りているアパートが自分の家のような感覚になってくる。朝食を自分で用意してカフェオレを飲みながら今日のプランを立てたり、出かける前に洗濯をしたり、旅先ながら日常に生活感がでてくるのも面白い。
そして、近場を観光や買物をした場合は、アパートの部屋に度々戻るのも日常のように振る舞うことができる。例えば、夜の観劇前に夕食の買物をしてアパートに立ち寄って軽く夕食の下準備をし、お茶を飲みながらオペラの台本を読み直して予習したり、小腹が空いたら軽食をつまんだりして部屋で過ごす。時間になったらオペラグラスを持ち、正装して出かけるなんていうことも手軽にできる。こんな感じで、訪ねた異国の街々で、まるで住人のように暮らすことができるのもアパート泊の魅力である。
● アパート泊のデメリット、ホテル泊のメリット
ホテル泊の最大メリットはフロントの存在である。ホテルではチェックイン手続きが済み次第すぐに部屋に入ることができる。しかし、アパートを借りる場合には、部屋に入る前に鍵の受渡しが必要である。もちろんレンタルアパートでもフロントを設置しているところもある。
しかし、基本はオーナーである大家さんとの直接の鍵の受渡しをしなければらならず、これが難関だ。そこで、受渡し場所や待ち合わせ時間の事前の調整が必要となる。もちろん最近は無人のキーボックスを活用した受渡しも多いが、それでもキーボックスの場所や開錠の仕方などオーナーとのやりとりに一苦労したりする。そんなことから宿泊地に夜遅く到着する場合は、素直にホテルを予約するか、24時間フロント付のアパートを利用するのがよい。
この鍵の受渡し方法は各種各様なので、こちら↓のブログ記事をご参照ください。
もうひとつホテル泊のメリットがある、それは荷物の受渡しが確実であることである。ホテルにはフロントがあるのでホテル着の荷物や郵便物を受け取ることができる。旅の最中に、いつ届くか分からない荷物や郵便を部屋の中で待ち続けるのはさすが辛い。
急遽ネットで購入したコンサートチケットが郵送扱いだったり、再発行してもらったクレジットカードを受け取るとなるとフロントのないアパート泊では難儀する。また、航空機で預けた荷物が紛失(ロストバゲージ)した際など、後から送られて来るはずの荷物を逆に指定の場所に取りにいかなくてはならないなどもあるだろう。
一度、ロストバゲージで痛い目にあってから、旅の最初の宿泊はレンタルアパートを避け、あえてホテル泊とすることにしている。夜遅くに宿泊地に到着してもフロントの方から開いている飲食店や買物場所などを教えてもらったりもできるので、そういった意味でも初日のホテル泊はなにかと便利だ。
ロストバゲージの苦労や対処方法の詳細については、こちら↓のブログ記事をご参照ください。
● アパートの探し方、宿泊場所の決め方
旅の行き先を決めたら次に宿泊地の選定に入る。せっかくなのでなるべく居心地が良くて利便性のよい立地のアパートを選びたいだろう。そうすると、まずはGooglemapに観光したい場所や散策したいところ、ナイトライフの場所をマーキングする。特にナイトライフでの帰宅ルートは安全かつ近い方がよいので、立地選択は重要だ。自分の場合はコンサートホールやオペラハウスから、なんとか歩いて帰れる場所に宿泊地を選ぶことが多い。
そこで、Googlemapに行きたい場所を適度にマーキングしたら、だいたいどの地域にするかアタリをつける。例えばパリの場合、どちらの美術館・博物館にも近く、バスティーユのオペラハウスとオペラ・ガルニエやシャトレ座の間をとってマレ地区にするという案配である。そして、この宿泊候補地帯をBooking.com、ホテルズドットコム、agoda.comなど複数サイトでアパートを物色していくことになる。
● アパートの選び方
次にアパートの選び方だが、Booking.com、ホテルズドットコム、agoda.com などには絞り込み検索機能がついている。こちらを駆使して自分の求める機能に適合したアパートを選ぶのがよい。
先ほど決めた宿泊候補地帯と旅程(宿泊日程)を入れると該当地域の宿泊リストが表示されるので、次に Booking.com、ホテルズドットコム の画面左側、 agoda.com ならプルダウンメニューで絞り込み検索をする。
絞り込み検索でチェックを入れるのは、
・宿泊施設タイプ→アパートメント
・お部屋の設備→洗濯機
キッチンや冷蔵庫はアパートを選択した段階でほぼ完備されているのであえてチェックは入れない。ここにチェックを入れた場合、アパートを貸し出す側の設定ミスがあると候補から漏れてしまうことがある。つまり、キッチンが付いているにも関わらず無しの設定になっており、絞り込み検索するとリストから漏れるのだ。その為、このチェック項目は必要最小限のものに入れる。
また、洗濯機などが絞り込み検索の選択肢がないサイトもあり、これまで洗濯機有と表示されながら、実際アパートに行ってみると洗濯機がなかったことも2度ほどあった。そこでサイトにアップされているアパートの部屋写真で設備の有無の最終確認をしている。たいしたことではないと思われるかもしれないが、長い連泊時で洗濯機がない場合、手洗いを幾度もしなくてはならないのは辛いので、できれば避けたいところ。
また、写真のチェック時にはキッチンの様子も確認しておくとよい。場合によっては、洗面所ほどしかないキッチンもあるからだ。2泊程度なら我慢できるが、逗留する旅ならキッチンは広いほうが好ましい。
また、先に書いたように深夜便で現地に到着する場合など鍵の受け渡しに不安がある時は、絞り込み選択画面で
・24時間対応のフロント→フロント24時間対応
のチェックを入れたりもする。ただし、フロント付にこだわりすぎると、アパートの選択幅を狭めてしまい良い物件に巡り合わなくなることもある。また、オーナーとの直のやりとりも旅の醍醐味であるので、 旅行日程に余裕がある時はフロント付にこだわらないほうがよい 。ひとつの部屋を個人所有しているオーナーも多く、こうしたオーナーは部屋に愛着があって、自慢げに部屋の解説や立地の説明をしてくれたりするので、滞在先の豊かな情報を得ることができる。
さて、絞り込み検索のチェックが済んだら、絞り込み検索ボタンをクリックする。すると検索結果がリストアップされる。ここでリストを眺めるのではなく、ページの地図部分をクリックしてアパートがプロットされた地図を表示させる。町中の空室アパートが表示されるので、先ほど想定した自分好みの地帯にあるアパートを選ぶ。
この時に、だいたいどのエリアが宿泊料金が高いであるとか、アパートやホテルが集積しているとかがわかる。この集積度合いと料金とで絞り込んでいく。
先ほど書いたように夜のコンサートで帰りが遅くなる為、コンサート会場そばを借り、アパートには寝に帰るくらいだからと、立地優先で安いアパートを探すのでもよい。また、短期滞在なので、次の目的地に行く為の鉄道駅やツアーバスの発着場のそばにするとかで選ぶのも好都合だったりする。わざわざ重い荷物を持ってウロウロしないで済むからだ。ちなみに鉄道駅やバスターミナル付近は飲食店などもたくさんあり便利だが、多少治安が悪かったりするので、気になる方は注意が必要だ。
いずれにせよ、最終的には宿泊地近辺を Googlemapのストリートヴュー で確認し、周囲の雰囲気を把握して、サイトの口コミなどを読んで絞り込んでいく。
尚、旅行でレンタカーを利用する場合は、アパートに乗りつけられるように絞り込み検索画面で
・施設・設備→駐車場
のチェックを入れて、駐車場付のアパートを探すこともできる。駐車場が無料の場合もあるし、オーナーが有料で近辺の駐車場を紹介してくれることもある。直接アパートのオーナーにチャットで確認してもよい。たいていは親切な返答がかえってくる。また、Googlemapで駐車場を検索することもよくしている。欧州の場合は都心内で比較的多くの駐車場があり、都心から離れれば無料の駐車場付のアパートも多く見つかる。
● 各予約サイトの使い方 アパートの予約確定まで
各サイトによって値段が異なったり、特典があったりするので、最後に余裕があれば比較検討してもよい。Googlemap で一括表示で金額比較が表示されるし、別途宿泊比較サイトなどもあるが、直接予約サイトを覗いたほうが確実だ。
特にホテルズドットコムの「10泊すると1泊無料になる」特典が見逃せない。しくみは、10泊すると10泊の平均金額が次回予約分の1泊から引かれる。10,000円のホテルに10回宿泊すれば、次のホテル代が10,000円無料にななるということだ。長期滞在の場合は使わない手はない。
こうして1番手頃な価格提示のサイトで予約をする。そして、予約後はダブルブッキングをしないようにカレンダーに入力し管理をする。 また、サイトによっては予約時に Googleカレンダーに取り込める機能があるので、こちらを活用してもよい。
長期旅行や頻繁に移動する場合には、ダブルブッキングや宿泊日の誤認を避ける為にExcelなどで表をつくって管理してもよい。
いつも作成している表では以下の項目をチェックしている。
・チェックイン時間
・到着時のオーナーへの連絡要否
・鍵受け渡し方法
・洗濯機やキッチン、コーヒーメーカー/湯沸かし、朝食サービスの有無
表にしてあると次の宿泊地に着いても慌てないし、事前に必要品の買物も済ませておける。
また、宿泊地が確定した場合は、予約確認書は現地語で記載された紙も持参したほうがよいだろう。現地で英語を話さないオーナーに対応する場合や条件面の確認が必要な際に何度か役に立った。
尚、予約を確定しても一定期間キャンセル可能のアパートも多いので、ひとつの物件を押さえたら、しばらくより良いアパートが出てこないか探したり、キャンセル物件を待ってみるのもよいだろう。大きな都市では素敵なアパートに巡り合う可能性がとても高いのだから。