前回からの続き。ずっと愛用していたガーミン(GAMIN)の携帯GPSだが、今回は趣向を変えてランニングウォッチの ガーミン(GAMIN)ForeAthlete 230J で代用してみた。歩数計とGPSデータロガーの両方を兼ね備えており、軽量であるのも携帯GPSより優れていると思ったからだ。
携帯GPSと異なりランニングウォッチの画面上での地図表示は現実的ではないが、位置検索などはスマホにまかせると、ランニングウォッチは旅のお供として、とても便利かつ優れていることに気がついた。
● 旅行でのGSPランニングウォッチの使い方 ガーミン(GAMIN)ForeAthlete 230J
ジョギング時などトレーニングでのランニングウォッチの使い方や設定の仕方は多くの方が解説してくれているので、そちらは割愛し、旅での便利な使い方を説明したい。旅の思い出を豊かにしてくれるのが歩数計、GPSのロギング機能(軌跡保存機能)、旅の最中にあると便利なのが自分の位置把握となる。
まずは歩数計、通常のGPS端末では歩数は計れないので、今まで歩数計はPCにデータを転送できるものを別途購入して使用していた。
しかし、今回のGSPランニングウォッチに歩数計は内蔵されているので、この歩数計は不要になる。また、その歩数データも簡単にコピペできるのでExcelなどで歩数の集計も簡単だ。
次に自分の位置把握であるが、地図表示やルート検索はスマホアプリにまかせ、 方位計(Compass G2)アプリをガーミンのランニングウォッチに入れておくと代用できる。地図がある程度頭に入っている街歩きならば、方角がわかると、行きたいところへは なんとか 行きつくものだ。
そして、 ガーミンのサイトConnect IQ には他にも、追加アプリが幾種類も用意されている。そこで、せっかく腕に時計をつけるのだから、日本との時差がわかるワールドタイム(World Clock Widget)アプリも追加インストールした。こちらは新規に都市を追加設定する時のみBluetoothでネットとの接続が必要だが、それさえ気をつけておけば、取り扱いは簡単である。
GPSのロギング機能(軌跡保存機能) については、登山やトレッキングなどをせず、都市ドライブや街歩きで使うには、このGSPランニングウォッチで充分であろう。携帯GPSと異なり ランニングウォッチは屋内での移動データもある程度補足するし、なによりも軽量なのもよい。また、ラップ機能を使って博物館毎の滞在時間なんかを記録しても面白い記録になると思う。
このGPSのロギングは機能は地上以外でも活用できるので、いろいろな場所でロギングするのも楽しい。
● GPSのロギング(軌跡保存機能)の楽しみ
旅先でのGPSを使って楽しみは、陸上だけではない。例えば、ヘリコプター。ニュージーランドのフォックス氷河からマウント・クックの見学で短時間ながら遊覧飛行のヘリコプターに乗った。眼下に拡がる雄大な景色や尾根道を眺めた旅、この軌跡である飛行コースをGPSロギングでたどることができる。
このヘリコプターツアーはScenic helicopter flightと言い、その中のFox Glacier – Mount Cookのコース。ニュージーランド南島のフランツ・ジョゼフ・グレイシャー(Franz Josef Glacier)から搭乗した。
ヘリコプターというのは機体も小さく、山間の風に抗ってローターが食いしばっているのが体感でき相応にスリリング。山間を抜けたり、突風時の対応など操縦は相当難しそうな印象を持った。
こちらが、そのフォックス氷河とマウント・クックへのヘリコプターツアーの軌跡。手元のGPSデータをグーグルアース(GoogleEarth)に投影してみた。ちなみにデータによると、 搭乗時間は氷河での着陸時間を含めて30分、最高高度3160m、最高速度290km/hを記録している。
こちらは川下り長野県の犀川をカヌーで下った時の軌跡。行程は11km。
このように陸上の道路上をトレースするだけでなく、空や川などの軌跡をしっかり記録できるのが面白い。
● 旅行でのGSPランニングウォッチの設定 ガーミン(GAMIN)ForeAthlete 230J
今回の機種選定では、心拍数を測る機能がないガーミン(GAMIN)ForeAthlete 230J を選んだ。理由は簡単で、 心拍数測定機能がないこちらのほうが電池の持ちがよく長時間駆動するからである。1日中歩き回る旅行では、余計なことでバッテリーを消耗しないほうがよい。
ガーミン(GAMIN)ForeAthlete 230J を用いて、GPSロガー(位置情報の記録)として足跡を記録するには、まずトレーニングモードを実行する。その際に表示される時計画面を自由に設定できるので、画面設定は旅行用に以下のようにした。
画面1は画面を四分割し、現在の距離、経過時間、速度、高度を表示するように設定した。これら移動距離や移動時間は旅中気になる情報であるし、列車やバスに乗っていても現在の移動速度がざっとわかる。
画面2も画面を四分割し、方位、日の出時刻、日の入時刻、現在時刻を表示するようにしている。方位が瞬時にわかり、日の入時刻の見当がつくのも知らない土地では便利だ。
● 優れたソフトが付属 Garmin Express と Garmin Connect
Garmin Express はランニングウォッチを充電する際に専用のケーブルでPCと接続する。その時、PCを通じてクラウド上のガーミンのサイトとデータやアプリの同期をおこなってくれる。
このGarmin Express を通じてガーミンのサイトに保存されたデータは Garmin Connect (WEBベース)というソフトで閲覧することができる。この閲覧画面が秀逸で、歩数や消費カロリー、移動距離、前日の睡眠の状態、軌跡の地図表示、速度や時間などが一覧できる。旅行の日々のデータが蓄積され、楽しいかぎりだ。これらはスマホのアプリ版もあるので、同じ内容をスマホでも確認できる。
更にガーミンらしくて優れているのは、各種軌跡データをダウンロードできることだ。TCX、GPXなどの定番GPSデータフォーマットに加え、CSVやグーグルアース(GoogleEarth)への出力もできる。その為、従来のBaseCampやMapSourceというガーミンの地図ソフトも使用可能である。
ちなみに、 Garmin Connect (WEBベース) でみられる。軌跡データはこんな感じだ。こちらはドイツ ミュンヘンを散歩した際のもの。 ガーミン ForeAthlete 230J のロギング機能がしっかりしており、けっこう細かく軌跡をトレースしていることがわかる。
こちらはポーランドのクラクフを街歩きした時のもの、線が重なっているところは散策をしたり建物に入った際のもので、寄り道をした場所を把握できる。地図下方の斜め真っ直ぐの線は路面電車で往復移動した際のもので、ガーミン ForeAthlete 230J を腕にはめているだけで、 鉄道や車の中にいてもGPS信号をしっかり捕捉してくれる。
こちらは飛行機でワルシャワ-モスクワ間のフライトをした際のもの。途中くるりと飛行機が一周しているのがわかる。当然、高度情報も記録されていた。飛行機の場合は窓側席であるとGPSを補足するようだ。
● ガーミン(GAMIN)のGSPランニングウォッチにはオプションパーツもたくさん
付属の時計ベルトはランニング用でありビニールや樹脂製の為、長時間使用には向かない。そこで、汗などでベタつかない本革のベルトに変更した。こちらの製品は、取り付け用の専用ドライバーも付属しており、交換の手間はさほど要さない。
充電クリップは予備や持ち歩き用として、もう一つ調達した。サードパーティから安価なものがでており、予備にはこちらで充分であろう。