シカゴのアパートにて、到着時に大家さんから渡された鍵と玄関のドアノブ。さて、鍵穴はどこにあり、どうやって開けるのか、わかるだろうか(笑)?海外でアパートを借りると、最初の難関となるのが鍵の受け渡しと、その解錠方法である。
以前、同様の質問をした際も、友人たちからは「わがんねっすー」「わかりません。教えてください^^;」という回答が多かった。また、私と同じように、海外で困惑した方も多かった。この鍵の難題にぶつかったのは、シカゴのオヘア空港に夜遅く到着し、その足で借りたアパートに深夜到着直後だった。鍵束を無事に受け取り、安心したのもつかの間、大荷物を抱えたまま、上階の部屋の前で立ち尽くしてしまった。大家さんも帰宅してしまっただろうし、さて、どうしたものか……。
○ シカゴ:鍵穴のない鍵がある(回答)
○ 海外アパートの鍵は意外と複雑
・ベオグラード|暗証番号だけで入れるナンバーロック
・プラハ①|大家さんから鍵の開け方を教わる
・パリ|幾重もの扉を電子キーで解錠
・ロンドン|動画でキーボックスの開け方を確認
・ブリュッセル|トラブル続きの末に偶然助かった
・プラハ②|写真付きの鍵の受け渡しが便利
・クラクフ|キーボックスで鍵を返却
○ 海外アパート泊は鍵の苦労も旅の思い出
○ シカゴ:鍵穴のない鍵がある(回答)
実は、この扉には鍵穴がない。鍵束にある2本の鍵は、屋内のベッドルームの鍵だった。なんとも紛らわしい……。
この玄関の開け方は、鍵束の左上にある丸い金属部分を、ドア上方の黒い部分にある金属部分(電子キー)にかざす。すると、透明なリング部分が発光する。その後、突起のあるつまみを回して解錠し、ドアノブを回してドアを開ける。これが正解だった。
なお、この丸い金属部分(電子キー)は、アパートの建物に入る際にも使う。呼び鈴付近にかざすと、建物入口の電子ロックが解錠される。
こちらは単純にかざすだけで、電子ロックが解錠され、そのまま押し扉が開く。自分には「この電子キーはアパート建物の入口用」という先入観があったため、まさか部屋の玄関の解錠にも使うとは思わなかった。
海外では、外鍵と部屋の鍵の2種類を渡されることも多い。今回は広めのアパートだったため、室内の鍵もいくつか付いていたようである。つまり、場合によっては、かなりの数の鍵を受け取ることになる。道路からアパートの敷地内に入る鍵、建物に入る鍵、建物内の自分の部屋に入る鍵、さらに家の中のベッドルームの鍵……と、まさに「鍵だらけ」の状態になることがある。
○ 海外アパートの鍵は意外と複雑
アパートの部屋にたどり着くには、まず道路からアパート敷地に入る扉やアパート建物の入口を通過しなくてはならない。これらは、多くの人が利用するため、ナンバーロックや先ほどのような電子キーになっていることが多い。キーをかざすだけで扉が開くので、手間ではない。昔はいちいちこれらの外扉の鍵穴に鍵を差し込んでいたので、家の出入りにもずいぶん時間がかかったことだろう。欧米ではこうした「鍵」「鍵」「鍵」の鍵責めにあうことがけっこうある。そして、海外アパートの鍵事情は都市や建物によって実にさまざまである。そこで、これまで実際に経験した各都市の例を紹介してみたい。
・ベオグラード|暗証番号だけで入れるナンバーロック
この時も夜の到着で、空港からタクシーで20分ほどかけて、市内の借りたアパートに向かった。ただ、この時は余裕であった。なんと大家さんとの鍵の受け渡しはなし、事前にメールにて玄関と部屋の暗証番号(ナンバーロック)を教えてくれる方式だった。これはストレスなく助かる。遅い時間の到着でも不安はない。ナンバーロックの場所さえわかっていれば、部屋に入れないという問題も起こりにくい。
ただ、いざという時のために、大家さんのSMSの連絡先を教えてもらっておくとよい。写真のように、かなり暗い場所の場合もあるので、念には念を入れておきたい。異国の薄暗い寒空の下に荷物抱えて、放浪するのはかなわないだろうから。

・プラハ①|大家さんから鍵の開け方を教わる
こちらもベオグラードと同じく、インターフォンがあり、そこに電子キーのパネルが付いていた。この時は大家さんが近くに事務所をかまえていて、日中は尋ねていける環境だったのがよかった。部屋を借りる際も大家さんが同行し、鍵の開け方やエレベーターの使い方を丁寧に教えてくれた。この時は電子キーを敷地に入る玄関と建物に入る扉で使う形式だった。
部屋に入る扉は通常の通常のリアル鍵で、これは自分の経験では1番多くあるパターンである。
・パリ|幾重もの扉を電子キーで解錠
ヨーロッパの都心部にある古い建物は大きく、中庭を備えていることも多い。そのため、道路から見た印象以上に奥行きがある。道路から敷地に入る扉をくぐった後にも、さらに幾重もの扉があることもある。
特にパリは古い建物ばかりなので、道路に面した扉が木製のことも多く、入ってすぐに防犯に備えた鉄格子の扉があったりする。さらに、建物に入る前には中庭側にも鉄格子の扉があり、建物内に入ってから、しばらくしてからやっと自分の部屋の鍵を使うという具合である。
夜の帰宅時には自動で灯りが点くようになっていて、鍵を探したり電子キーをかざしたりするのに不便はない。とはいえ、その昔はどうしていたのだろう。
尚、部屋の鍵の受渡し時には、中庭にあるキーボックスに鍵が入っており、事前に教えてもらった暗証番号で取り出すことができた。
・ロンドン|動画でキーボックスの開け方を確認
こちらも事前にパスワードを教えてくれ、鍵の受け渡しはなかった。しかも、鍵の受け取り方を説明した動画のURLまで送ってくるという丁寧さで、さすが英国人、といった感じであった。
ただ、動画がなければ、シカゴの時のようにドアの前で立ち往生するような微妙なしかけである。今では、このタイプのキーボックスは一般的になったが、写真の白いboxの黒いカバーを開けるとダイヤルがある。ダイヤルを合わせて、薄いプラ板を引っ張ると、下から部屋の本物の鍵が出てくる仕掛けである。
尚、玄関の鍵は電子キーで右上のパネルにキーをかざすと解錠される仕組みだった。
・ブリュッセル|トラブル続きの末に偶然助かった
ここは、アパート到着前からトラブルが続き、とても不安な気持ちでの訪問となった。この日は鉄道での移動中にいきなり電車が運行停止になり、アムステルダムから大迂回をしてのブリュッセル入りとなった。さらに追い打ちをかけるように、スマホで使っていた海外SIMにもチャージできなくなり、電話も不通状態になった。悪いことというのは重なるもので、大家さんには待ち合わせの時間に遅れる旨をSMSで送っているのだが、一向に返事がない。
なんとかブリュッセルに到着すると、足早にアパートの鍵の受け渡し場所へ向かった。大遅刻をしているのだから、もちろん待ち合わせ場所には誰もいない。
このまま数時間大荷物をもって街の真ん中にいるのは厳しいな、と思いながら、ふと待ち合わせ場所の後ろにあったドアを見るとアパートの管理会社の呼び鈴ボタンがある(笑)。迷わず呼び鈴を押すと、中からおじさんが出てきてくれた。名前を確認すると、いきなり「ご免ご免、俺、英語できないんだよ」と(笑)。SMSは読んでいたものの、遅刻することは伝わっていなかったようである。
早速、彼が向かいのモールの上にあるマンションの部屋を案内してくれた。「夜中はモールが閉まるので、裏口のこの通路から入って」と教えられた通路が下の写真である。横に古い飲み屋さんがあって、趣のある小径であった。
この扉をくぐると無人のモール内に入ることができる。そして、アパートの建物へ上がっていく手前に別の鉄格子があり、さらにフロアの施錠扉がある。その先でようやく部屋の鍵を開けて、部屋に入る。まさにダンジョンゲーム状態であった。
・プラハ②|写真付きの鍵の受け渡しが便利
こちらが、アパートの大家から送られてきた鍵の受け渡し方法を示した写真である。鍵の受渡し場所はメール文章で送られてくることがほとんどなのだが、実は、アパート入口の扉の場所やキーボックスのありか、さらにはキーボックスの開け方にまごつくことがある。
そのため、こうして写真で送ってきてくれる方法はかなり助かる。大荷物を抱えてアパートの玄関前で途方に暮れる事態を避けることができるからである。
おかげで入口もアパートの扉もすぐわかり、すんなり部屋に入ることができた。なお、道路の鉄柱にくくりつけてあったキーボックスについては、外して部屋に保管するようにメールで指定してきていた。

・クラクフ|キーボックスで鍵を返却
アパート前の道路側にある扉と、アパートの建物に入る扉は、番号式の電子ロックだった。そして、アパートの部屋の鍵のみがアパートの扉表につけてあるキーボックスでの受け渡しであった。
これらは事前のメールで指定されていたので問題はまったくなかった。なお、チェックアウト時は通常、部屋の鍵を室内のテーブルに置いて退出するのだが、ここでは扉のキーボックスに返却するよう指定されていた。部屋の清掃の方なども、この鍵を使うのだろう。

○ 海外アパート泊は鍵の苦労も旅の思い出
やはり、逗留する旅ではアパート泊が快適である。地元のおいしい食材や総菜を買ってきて料理をしたり、我が家のようにゆったりと食事をしたりできる。洗濯機もあるので、旅の荷物を少なくできる。
アパートの鍵についていろいろ書いてきたが、旅の初日に経験するこうしたドキドキ、わくわくも、やがてはよい思い出になるのだろう。お世話になったアパートのドアノブ周辺は、今でも各国それぞれの風景とともに鮮明に記憶に残っている。














