北極圏に接するユーコン。日本から比較的行きやすい一方で、雄大な大自然を堪能できる。一泊のアメリカ アラスカドライブを終え、カナダ国境の街ビーバー・クリーク(Beaver Creek)に宿泊。ここは小さな村ながら宿や可愛らしい教会もありユニークだった。
帰路は朝焼けを眺めながらアラスカ ハイウェイ(Alaska Highway)をひた走る。そして、旅の終点 ホワイトホースに到着し、町で買物を楽しんだ。
● ロードムービーさながらの店で @ビーバー・クリーク
● 旅の終着点 ホワイトホースへ
● ホワイトホースを散策し、思い出のつまったレンタカーを返却する
● ユーコン アラスカ ドライブ旅行のGPSデータ
● ロードムービーさながらの店で @ビーバー・クリーク
カナダへの入国を済ませ、少々走るとビーバー・クリーク(Beaver Creek)の町に入る。この小さな国境の町に商店はなく、モーテルが3つ、冬季閉鎖に入ってしまったホテルが1つと、街の人口はけっして多くないようだ。
そこで、手近なモーテル兼ガソリンスタンド兼食堂兼コンビニがセットになった宿 Ida’s Motel & Cafe に宿泊することにした。こう書くと立派な施設に思われるかもしれないが、ガソリンスタンドと言っても給油機は1つだけ。食堂にはテーブル4つ、モーテルの部屋数も少なく、コンビニはスナック類の棚のみ、とかなり貧相だ。小説やロードムービーの世界さながらである。
行き当たりばったりのモーテル泊まりも楽しいものだが、こちらのモーテルは通信環境がイマイチで、インターネットの接続が不安定だった。しかも、管理人の店主が帰宅時にWi-Fiルータの電源を落とす為、宿泊客は夜になると無線LANを使うことができないのであった。
また、食堂は初老の主人がたった1人で切り盛りするような宿だから、あまり食事内容も期待できそうもない。幸いにして小さなレストランが道の向かいにあったので、夕食はそちらでとることにした。
食事に出向く途中で、少々町を散歩すると、こぢんまりした街ながら、公民館など小さな施設や温水プール施設などがぱらぱらとあり、小ぶりで愛嬌(あいきょう)のある姿のカトリックの教会があった。こんな村を散策するのは意外に楽しいものだ。
こういった街の散策も楽しいながら、表通りの裏に回ると民家がいくつかあり、家の前には廃車が並んでいるなど寂しげな雰囲気である。この閑散とした雰囲気は冬の厳しさをしのばせ、少々感慨深い。
● 旅の終着点 ホワイトホースへ
旅の終着点 ホワイトホースまでは、あと500キロである。朝の綺麗な光を求めて、朝早くビーバー・クリークを発とうとするも、なんと車が凍りついてドアが開かない!車両の状態が心配になり、しばらく暖機運転をして、車を温めてから朝焼けの美しい平原に出発する。途中湖がいくつもあり、朝焼けが映る水面には魅了された。
朝焼けが終わっても見事な景色が連なる。アラスカ・ハイウェイは古い幹線道路であることから、道も広く、単調な景色かと思ったのだが、予想は良い方に裏切られ、最高のドライブコースであることがわかった。
ハイウェイを駆け巡った数日間が恋しくなるほど、最後のアラスカ・ハイウェイは、山脈を横に大パノラマを堪能することができた。
● ホワイトホースを散策し、思い出のつまったレンタカーを返却
無事に昼前にホワイトホースに到着し、軽く町のレストランで昼食をとった。そして、町の中を散策へ。まず訪れたのはホワイトホースの郷土資料館にあたる “MacBride Museum of Yukon History” 。ここでゴールドラッシュ時の様子や町の発展史、近代化過程での人々の暮らしぶりの変遷などを眺める。動物の剥製も多く陳列されており、間近で見るムースの巨大さなんかも実感できた。
博物館を見終わると、ショッピングである。本屋ではカナダの地図、キャンプ雑誌などを購入した。アメリカの書店にはないカナダならでは旅行誌などもあり、手にとってこういった本を吟味する時間は、しばらく訪れないだろうから、しっかり選ぶ。
また、アウトドアショップも楽しい。本場ならではで、あらゆる装備が購入でき、アウトドアのアパレルも男女ともに豊富にある。広大な店内に大きな長椅子があって、寝袋やシートの寝心地まで試すことができるようになっており、これはとてもよいサービスである。これだけのアイテムを揃えて、長椅子で試せるとはさすがはアウトドア天国の地だと感心した。
市内の散策の後は郊外の大型店舗も巡ってみた。初日は気がつかなかったが、この大型店舗ゾーンにはウォルマートまであり、なんでも揃う。今までのユーコンを巡ってきた際の不便さが嘘のようだ。
以前、カナダを旅した時と同様に、普段使いのメイプルシロップをスーパーでは大量に購入した。ちなみに、こういった量販店で買う方が、土産物店や空港などで購入するよりも分量の多いボトルを安価に買うことができる。
再度、ホームセンターの”Canadian Tire”もゆっくり回ってみた。驚いたのはテント売り場である。値札の上にかなり精巧なテントのミニチュアがズラリと並んでいる。サンプルなのにデキがよく、間口の大きさやヒサシの出っ張り具合等が細かなところまで確認できる。
そして、こちらでは購入して結局使用しなかった熊スプレーを店舗に差し上げてきた。
ひととおり、町を巡ったので、いよいよ車返却の時間。その前に長距離の悪路を世話してもらったお礼に車を綺麗に洗車することにした。1週間も悪路で世話になった車なので、すっかり綺麗になった車を前に、思い出も愛着も生じて別れが辛くなる。ついつい輝く車体に一礼をしてしまった。
今宵泊るホテルはスッキー ホテル(SKKY Hotel)で、道の向こうにはホワイトホースの空港が見える。ホテルで車から荷物を降ろしチェックイン、そして空港に車を返却しに行く。
レンタカー返却時に、フロントガラスに小さなひびが入っていたことに気がつき、気になっていた。どうも悪路で小石がはねたか、対向車の跳ね石があたったようだ。担当者にこれを説明しようとしたもののカウンターには担当者がおらず、指定通りカウンターの箱にキーを入れて所定の場所に車を置いたままにした。後から送られてくる請求書が怖いな、とその時は思ったが、レンタカー会社は保険で処理したようで、なんの追加請求もなかった。
そして、空港からホテルに徒歩で帰る途中、美しい夕暮れ時の空港が目に入る。いよいよユーコンとお別れと感じた瞬間だった。
● ユーコン アラスカ ドライブ旅行のGPSデータ
全走行距離は7日間で3,677km、ルートは地図上の黄色の線の通りで、走行した近辺の標高はあまり高くなく1000m程度であった。最北のInuvik近辺はマッケンジー川河口の湿地帯なのでほとんど0m地帯だったようだ。
燃費を計算してみると9.9Km/ℓで、371 ℓガソリンを消費していた。当時のガソリン価格はカナダで100円/ℓ程度なのだが、最高値と最安値を比較してみると以下の通りであり、国境付近であればカナダよりアメリカでガソリン給油をするほうが圧倒的にお得であった。
最高値:Inuvik(カナダ) 1.790 CAD/ℓ 約134.3円/ℓ
最安値:Delta Junction(米国) 19.28 USD /ℓ 約82.8円/ℓ
尚、これらのトラッキングデータは当時愛用していたガーミン社(GARMIN)のGPSによるもので、ガーミンのソフト MapSource という地図ソフトにてまとめている。このGPSの詳細については以下のブログ記事「旅行にはガーミン(GAMIN)の携帯GPS eTrex を!」にしたためている。
カナダ / ユーコン ビーバー・クリーク、ホワイトホース
<詳細情報>
・Ida’s Motel & Cafe
1202 Alaska Hwy, Beaver Creek, YT Y0B 1A0
・ビーバー クリークの教会(Our Lady of Grace Catholic Mission)
65 Yukon 1, Beaver Creek, YT Y0B 1A0
・MacBride Museum of Yukon History
1124 Front St, Whitehorse, YT Y1A 1A4 カナダ
・スッキー ホテル(SKKY Hotel)
91622 Alaska Highway Whitehorse, Yukon Canada
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