梅雨が明けると、いよいよツーリングシーズンの幕開けである。皆さん、準備はできているだろうか。私は「さて、バイクに乗ろうかな」と思ったところ、なんとバッテリーが昇天していた。
乗らないときはバッテリー充電器(BMW純正 ヘラープラグ付バッテリー充電器)で充電していたのだが、つい充電を忘れてしまう期間もあり、それがいけなかったようである。
しかし、BMW R1150Rのバッテリー交換はたいへんである。バッテリーにアクセスするには燃料タンクを外す必要があり、これがなかなかの一苦労なのだ。
やはり、たまには走らせたり、こまめにバッテリーを充電したりしておいたほうがよいようだ。しかし、バッテリーを交換すると、思わぬ効果もある。ABSなどの電装品を備えているため、R1150Rはそれなりに電力を消費する車両であり、バッテリーを新品にすると、エンジンまで少し好調になったように感じるのである。
今回の交換で、新しいバッテリーを得たR1150Rで、これからのツーリングを楽しめそうである。それでは、BMW R1150Rのバッテリー交換方法をレポートしたい。
● バイクのバッテリーメンテの必要性について
● BMW R1150R バッテリー交換に必須のもの
● BMW R1150R バッテリー交換使用器具
・秋月電子バッテリー
・トルクスネジビットセット
・T型ソケットハンドル
・電動ドライバドリル
・ドリルビット
・T型ソケットハンドルと電動ドライバドリルのアダプタ
● BMW R1150R バッテリー交換手順
①オイルクーラーのカバーを外す
②オイルクーラーを前にずらす
③車体右側のみにある黒い小カバーと後方サイドカバーのネジを外す
④小カバー裏にある電源コネクタと燃料ホース2本を外す
⑤シート下のオーバーフロー用のホース2本を外す
⑥燃料タンクを外す
⑦バッテリーの交換
⑧バッテリーを車体に収める
● バイクのバッテリーメンテの必要性について
今の時代、オートバイはほとんど趣味の世界のものだから、各社とも走行性能の向上を熱心に競っている。車体の軽量化も重要になるのだが、そこで問題となるのがバッテリーである。
バッテリーは基本的に液体を含むため重量があり、車体の中でもかなりのスペースを占める。一方で、軽量化しすぎれば必要な電力を確保できない。実にやっかいなシロモノなのである。
そのため、各社とも車体のスペースや必要な電力とのバランスを考えながら、できるだけコンパクトなバッテリーを設計しているのである。
また、大型バイクになると、エンジン始動時には大きな電力を必要とする。そのため、短時間の走行だけでは、消費した電力を十分に補えないこともある。そのため、バッテリー充電器は必需品であり、定期的なバッテリー交換も大切になってくるのである。
● BMW R1150R バッテリー交換に必須のもの
・新しいバッテリー(Kung Long WP20-12)
・T20とT40のトルクスネジ
・6mmのドリルビット
・バッテリーの取り付け金具に応じたスパナやドライバー
ちなみに、いつも使っている充電器はこちらである。 BMW R1150R ではエンジン横にあるヘラーソケットから直につなげることができる。
● BMW R1150R バッテリー交換使用器具
・秋月電子バッテリー
バッテリーは評価の高い秋月電子のKung Long製のものを選んだ。
Kung Long / WP20-12 (GP12170 PE12V17 NPH16-12T 12m17W HF17-12A 12SSP18互換) 12V用 サイクルバッテリー シールド型 MF
・トルクスネジビットセット
T20とT40の2種類が必要になるので、セットで購入してもよいだろう。また、Amazonで販売されているこちらの低価格なセットでも、今回の作業には十分使用できる。
・T型ソケットハンドル
トルクスネジを回すには、T型ソケットハンドルが便利である。多少力をかけられるうえ、ハンドルをくるくる回すことで、ネジを楽に外すこともできる。
・電動ドライバドリル
コチラの記事「BMW パニアケース(サイドボックス)の改造」の時に使用したドリルが役に立った。 リョービ(RYOBI) BD-70という機種になる。金属に穴を開けるためには、これに類する多少パワーがある電動ドライバーを選ぶ。
・ドリルビット
前回のパニアケース改造の際はφ4.5(4.5mm)を使ったが、今回はφ6.0(6.0mm)が必要になるので、ドリルビットもセットで購入しておくとよいだろう。
・T型ソケットハンドルと電動ドライバドリルのアダプタ
こちらはT型ソケットハンドル差込角3/8インチ(9.5mm)を1/4インチ(6.35mm)に変換したり、電動ドリルドライバーに取り付けたりすることができるアダプターになる。手持ちのソケットレンチなどを、T型ハンドルやラチェットハンドル、電動ドライバーにつなぐことができ、とても便利なツールである。
● BMW R1150R バッテリー交換手順
さて、道具が揃ったら早速取りかかろう。作業時間は1時間半程度を見ておけば、余裕を持って作業できるだろう。
①オイルクーラーのカバーを外す


赤い矢印部分のT20のトルクスネジ2本を外す。

カバー上側は、赤い矢印部分の2つのクリップではめ込まれているだけである。そのため、オイルクーラーのカバーを上方に引き上げれば、オイルクーラーがむき出しになる。
②オイルクーラーを前にずらす

オイルクーラー下部の赤い矢印のT20のトルクスネジ1本をはずします。

続いて、オイルクーラー上部にある赤い矢印部分のT20のトルクスネジ2本を外す。これでオイルクーラー本体を前方へずらせるようになり、燃料タンクを後方へ引き出すスペースができる。

③車体右側のみにある黒い小カバーと後方サイドカバーのネジを外す

赤い矢印部分のT20のトルクスネジ1本を外し、カバーを下にずらすと簡単に外れる。このとき、サイドカバーにある緑色のT20のトルクスネジも1本外しておく。

④小カバー裏にある電源コネクタと燃料ホース2本を外す
燃料タンクを車体から外すために必要な作業

1.電源コネクタは左側のつまみ(緑の矢印の先)の上下をつまむと外せる。
2.燃料ホースには、コネクタ式と、写真(赤い矢印の先)のようなホースバンド式がある。
コネクタ式は着脱が簡単だが、ホースバンド式は注意が必要である。燃料ホースを適切に処理しないと、ガソリンが漏れてしまうからだ。
ホースバンドをマイナスドライバーで緩めたら、太いほう、つまりタンクから燃料が流れてくる側のパイプを上向きに折り曲げ、ガムテープなどで固定しておく。これを2本とも同様に処理する。
なお、作業中にガソリンが垂れることもあるので、すぐに拭き取れるよう布を用意しておくとよい。
⑤シート下のオーバーフロー用のホース2本を外す
シートを通常通り外して、ホースを上方に引き抜けば簡単に外れる。

⑥燃料タンクを外す
赤い矢印のT40のトルクスネジ1本を外す。タンクの荷重がかかっているため、少しタンクを浮かせる必要があるかもしれない。

矢印の方向へ両手で燃料タンクを持ち、やや上方へ持ち上げるように水平に引くと、燃料タンクを外すことができる。

こちらの燃料タンク設置詳細図では、T40のトルクスネジが「4」に該当し、「5」と「6」のパーツが次の写真である。タンクを戻す際にも関係する部分なので、構造を確認しておく。



緑の矢印は、先ほど燃料パイプを折り曲げ、ガムテープで固定した部分である。
燃料タンクは、前方にある赤い矢印部分の「凹」が、次の写真の赤い矢印先にある「凸」にはまっているだけの構造になっている。

⑦バッテリーの交換
取り外した純正バッテリーと交換用バッテリーを並べてみると、交換用バッテリーのほうが少し低く、薄くなっている。そのため、布などでスペーサーを用意し、取り付ける際にはバッテリーの下に敷いて高さを調整する必要がある。

また、交換用バッテリーは端子の穴が小さいため、純正バッテリーの端子用ボルトがそのままでは入らない。そこで、6mmのドリルビットを電動ドリルに取り付け、赤い矢印部分の穴を6mmまで拡大する。

⑧バッテリーを車体に収める

あとは、外したときと逆の手順で組み戻していく。ネジやパーツは、外した順番に並べておくと組み戻しやすい。

タンクを水平にスライドさせて取り付ける際には、少し神経を使う。しかし、それ以外はホースやコネクタを接続し、外したネジを締めていけばよい。
すべての接続と固定が終わったら、一度エンジンを始動して、問題なく始動できるか確認しておくと安心である。
これでバッテリー交換は完了である。梅雨明けのツーリングシーズンに備えて、R1150Rで気持ちよく走り出したい。
※ちなみに、スクーターのバッテリー交換はこんなに↓楽ちんである(笑)。R1150Rとのあまりの違いに唖然とする。








