前回からの続き。今日はニュージーランドの海岸線を楽しむ日。午前中は雨だったが海が近づくにつれ雨はあがり、ナショナルジオグラフィック推薦のカトリンズ地方、サザン・シーニック・ルートでは、青い空と青い海のコンビネーションを楽しむことができた。
また、山の奇岩地帯 エレファント・ロック(Elephant Rocks)と海の奇岩地帯 モエラキ・ボルダー海岸(Moeraki Boulders Beach)でダイナミックな自然の力業を体感。
更に、このあたりはスコットランド人が築いた街が多く、インバカーギルもそのひとつ。スコットランド風の名建築を眺めながら街歩きを楽しむことができる。
● 雨のテカポ湖から海岸に向けて出発
● 映画『ナルニア国物語』のロケ地、エレファント・ロック(Elephant Rocks)
● 亀の甲羅模様の巨大石、モエラキ・ボルダー海岸(Moeraki Boulders Beach)
● ダニーデン(Dunedin)を経て、ナショジオ推薦の南端カトリンズ地方の海岸線を走る
● インバカーギル(Invercargill)に宿泊
Lake Tekapo→Dunedin→Invercargill 580km
● 雨のテカポ湖から海岸に向けて出発
泊まったロッジを朝の8時に出発。昨夜遅くに1度空は晴れ渡ったのに、残念ながら今朝は小雨模様の曇り。晴れたテカポ湖を見ることは叶わず残念。本当はここから見る遠景の山々が見事だったはずである。
今日はインバカーギル(Invercargill)まで海岸線を走って向かう、600km近いロングツーリング、まずは海に向かってニュージーランド南島中央部へ。そこから南下する予定。
ニュージーランドの最大速度は100km/hまで。このバイクだと90km/hが快適速度なので、ひと気のない道は高速道路を走る感覚で流す。雨は降ったり止んだりの状況。風は強くないので、気長に走る分には、この程度の雨はあまり気にならない。
● 映画『ナルニア国物語』のロケ地、エレファント・ロック(Elephant Rocks)
ニュージーランドの豊かな自然は、映画『ロード・オブ・ザ・リング』以外の映画でも使われている。ここオマルー(Oamaru)近郊のエレファント・ロック(Elephant Rocks)は、映画『ナルニア国物語』のロケ地だ。
風変わりな奇岩が並ぶ牧草地で、確かにファンタジー映画を撮影にするにはうってつけである。映画のロケ地と知らなくても、この地帯に足を踏み入れると、異空間に迷い込んでしまった感じがし、オートバイで付近を流していると道ばたのあちこちに奇岩を見かける。
● 亀の甲羅模様の巨大石、モエラキ・ボルダー海岸(Moeraki Boulders Beach)
エレファント・ロックを離れ、海に向かって走り、オマルー(Oamaru)の町の先にモエラキ・ボルダー海岸(Moeraki Boulders Beach)という海岸がある。ここも奇岩地帯であり、大きな丸い石が不連続に海に並ぶ不思議な景色を見ることができる。到着時は満潮を避けた為、近くに寄って石を見ることができた。
この石は6000万年以上前にできた石で、数百万年かけて今の大きさに成長した。隆起した海底に伴って、これらの石が地上に現れたらしい。石には亀の甲羅のような模様があり素性は亀甲石。近づいて見ると模様が確認できる。
● ダニーデン(Dunedin)を経て、ナショジオ推薦の南端カトリンズ地方の海岸線を走る
ニュージーランド南島では、クライストチャーチに次ぐ2番目の大きさの都市 ダニーデン(Dunedin)。1848年に入植したスコットランド人が築き上げ、ゲール語のエディンバラにちなんで命名された。この時はスコットランド旅の直後だっただけに、この町を素通りするのは残念だった。しかし、今回は自然の下を走り回ることを目的としたので、街の観光の断念はやむをえない。
バイクを走らせながら、スコットランドを思わせる立派な建物群を眺めると、ダニーデンに逗留するのもよかったと改めて思う。この町は金の輸出港として発展しただけあって、鉄道駅含めて古くて大きな建物が多い。
午前中は曇り空だった天気も、ダニーデンを過ぎて南下するにつれて、晴れ間が拡がってきた。雨はもう降らない様子、海が近づいてきたことを海風が教えてくれる。
このあたりは南島の南端で、カトリンズ地方と言う。サザン・シーニック・ルートと言われ、ナショナルジオグラフィックも推薦している道だけあって、見事な大自然を堪能できる。ちょっとメインの道路をはずれ海に近いところを走ってみると、いきなりの砂利道で少々面食らった。
午前の雨が嘘のように晴れ渡って気持ちよく、更に流しているといきなりの絶景が現れる。
更に先にいくとカテドラル洞窟(Cathedral Cave)という海の波で浸食された美しい洞窟がある。ところがオフシーズンなのか入場不可であった、ここは私有地で有料の為に受付があるようだ。ちなみに、洞窟内に入れるのは干潮時間の2時間のみなので事前調査が必要である。
● インバカーギル(Invercargill)に宿泊
そして、今日の宿泊地インバカーギルに到着。大きな町なので宿の予約はしておらず、空いていたモーテルに飛び込んでみた。モーテル大手の Best Western の看板が掲げてあれば、大きな不安はないので ASURE Townsman Motor Lodge という宿に決定。
ちょうど1階の部屋をあてがわれたので、扉の前にバイクを停める。屋内をウロウロせずに荷物の搬入がそのままできるのでとても楽で助かる。
中に入ってみると、これまた広く簡単なキッチンもありベッドルームも別。なかなか居心地がよさそうである。
インバカーギルはニュージーランド最南端の町で人口は5万人ほど、ダニーデンと同様にスコットランド系の開拓民が築いた町で、ここも小ぶりながら立派な建物が多い。ヴィクトリア朝様式を中心としながらも様々な様式の建物があり、こうした古い建物が集中する Dee Street 沿いを歩くのも楽しい。
ファースト教会(First Presbyterian Church)1915年に建てられたロマネスク様式とビザンチン様式の融合スタイルの建物。ペンシルベニア大学で勉強した建築家がイタリアとフランスを旅してそれらのエッセンスも取り入れたから、このスタイルになったらしい。タワーの高さは32mもあり、低層の建物が多いインバカーギルではかなり目立つ。
シビック劇場(Civic Theatre)は、インバーカーギルのランドマーク的存在で、劇場兼市議会として1906年に建てられた、エドワード朝様式のネオバロック様式の建物。
町の中心のロータリーには時計台を兼ねた南アフリカ戦争記念碑(Boer War Memorial / South African War Memorial)が立っている。高さ8.5メートルで1908年に除幕式がおこなわれた。
そして、テナントが多く入るアレキサンドラビル(Alexandra Buildings)は1900年 に建てられた、
建物群を見学した後は、モーテルで紹介してもらったレストランで夕食。ニュージーランドなのでラム肉を楽しんだ。(次回に続く)