前回からの続き。イギリス / ロンドンでオートバイをレンタル(レンタルバイク)しての海外ツーリング第2弾。
まずは、故障バイクの交換をしてもらいにロンドン南東のレンタルバイク店へ。そして、新しいバイクで、ロンドン北部の ケンウッド・ハウス(Kenwood House) のフェルメールへ向かうも残念なことが。
そして、保存状態が世界最高レベルと言われる航空機博物館のイギリス空軍博物館(Royal Air Force Museum)へ。
次は、トライアンフやノートンの旧車がずらり勢揃い、バイク好きにはたまらないロンドンオードバイ博物館(London Motorcycle Museum)を訪問。
● まずは不具合バイクの交換
●フェルメールを見にケンウッド・ハウス(Kenwood House)へ出発
● 膨大な屋内保有機のあるイギリス空軍博物館(Royal Air Force Museum)
● 充実のロンドンオートバイ博物館(London Motorcycle Museum)
本日の行程、まずは不具合のバイクを交換しにレンタルバイク店 Raceways Motorcycle Rentals へ。中央下の宿泊ホテルから、真っ直ぐ東に行けばよいものの、大きく右上に北上してしまっている(笑)。所持している旧式のGPSはロンドンの道のあまりの細かさに計算が追い付かず、GPSをアテにせず感覚で東に向かっていたつもりが、ずいぶんと北東へ行ってしまった。更にレンタルバイク店近辺でも道に迷っていることがわかる。とにかくロンドンの道は一方通行、工事中、斜め道が多く慣れるまでたいへん。左上にあるイギリス空軍博物館から更に上方に誤った道を走っているのは、高速道路で降り口がなく仕方なく走り続けた結果。
● まずは不具合バイクの交換
前回からの続き。早朝から不調のヤマハバイクを交換してもらうべく、レンタルバイク屋 Raceways Motorcycle Rentals に再度向かう。バッテリーが問題だったので、朝ホテル前でエンジンが無事に始動した時は心底ホッとした。前日のAA(Automobile Association)の方がしっかり充電をしてくれていたのだ。
朝のロンドンをくねくね道を散々迷って、やっとレンタルバイク店に到着。店主に明日は長距離走行なので、このバイクであると不安である旨を話すと快くバイクを交換してくれた。今度のバイクは質実剛健そうなスズキのバンディット600(Bandit600)。ヤマハのPHAZERはヤマハの技術を結集したエンジンで、回転数が通常エンジンの倍と言う画期的なものだけど、やはりこういった異国での使用バイクは複雑な水冷式より空冷式がよく、設計もシンプルなほうがよい。
●フェルメールを見にケンウッド・ハウス(Kenwood House)へ出発
出発時間が10時過ぎと遅くなってしまったので、遠乗りはやめて、ロンドン郊外の手頃な場所に行くことにする。まずは、フェルメールを所蔵するケンウッド・ハウス(Kenwood House)へ。
タワーブリッジを通過。テムズ川に街を2つに分断されているロンドンでは橋が渋滞の元になっている模様で、手前から多少込んでいる
ケンウッド・ハウス(Kenwood House)に到着する。ケンウッド・ハウスはカントリー・ハウスと言われる地主貴族が建てた邸宅の種類の一つで、領地には庭園と広大な野原や森林を有している。ドラマ「ダウントン・アビー」に登場するハイクレア城と同種類の邸宅である。そして、周囲は現在でも高級住宅地。ケンウッド・ハウスはかつての主人の絵画コレクションが有名で、フェルメールを有していることから世界中から人が訪れる。
そのフェルメールが見られるということで楽しみにしていたが、建物はなんと改装中でフェルメールとのご対面はかなわなかった。前日のバイクトラブルに続いて今日も運がない(笑)。庭園をぶらりと散歩して、土曜の昼前、犬を散歩させたり、お茶を飲んだり、英国人の優雅な生活を垣間見てここは終わり。
ちなみにこちらの庭園は映画 『ノッティングヒルの恋人』(Notting Hill) でジュリア・ロバーツが主役を演じる映画撮影現場(ロケ現場) として登場する。写真にある柵あたりで、ロバーツが相方とリハーサル中にヒュー・グラントについて、つれないコトバを発する。グラントは音声さんから借りたヘッドホンで偶然それを耳にしてしまい・・・、という展開。
● 膨大な屋内保有機のあるイギリス空軍博物館(Royal Air Force Museum)
続いて、イギリス空軍博物館(Royal Air Force / RAF museum)に向かう。大昔からある有名な航空博物館で、屋内展示にも関わらず大型機も含めて、とてつもない数の機体が鎮座している。屋内なのでどの機体も保存状態がとてもよい。それ故ここは世界最高レベルの航空機博物館と称されている。
とにかく、展示されている航空機の種類が多く、ユーロファイター タイフーンや当時最新鋭のF35の機体を自分が見たのは、ここが初めてであった。
垂直離着陸機ハリアー (Harrier)のロールス・ロイス製ペガサスエンジン。初めて実物を見たが1つのエンジンで噴出口を4個確保し、垂直上昇と前進飛行を可能にしている。こういうのを見るとやはり英国人は独創的だなぁ、と思う、さすが産業革命の国。
ヘリコプターや飛行艇なども数機ずつ格納され、まことに壮観。
● 充実のロンドンオートバイ博物館(London Motorcycle Museum)
博物館のカフェで軽くランチを済ませたが、フェルメールを見れなかったので時間が余り気味、そこでマイナーすぎて立ち寄る予定もなかったロンドンオートバイ博物館(London Motorcycle Museum)へ向かう。ここはロンドン中心から15km以上離れ「ロンドン」と銘打つのもどうか(笑)という立地の悪さ。到着してみると住宅街の奥にひっそりと石造りの東屋がある、入口も狭いし外見からはかなり不安な印象を受ける博物館。しかし、今回の訪問は大正解だった。
入ってみると旧車がみっちりズラリと並び、機械のメカメカしい匂いが充満している。ここは1999年にオープンし、寄附とボランティアで運営されているらしい。展示品は一級品でよく整備されており、かなり高度なレベルの展示。主な展示品はバーミンガム・スモール・アームズ(BSA)、 トライアンフ(Triumph)と最近復調気味のノートン(Norton Motorcycle Company)で「マン島TTレース」のお国だなぁと感じ入る。また、あまり知られていないメーカーのオートバイも多数展示されている。
お客がほとんど来ないらしく(笑)、スタッフの方がつきっきりで展示品を説明をしてくださった。
ロンドンオートバイ博物館は外見も立地もイマイチなのだけど、収蔵バイクは一級。バイクで乗りつけたからか、アジアのおじさんを物珍しがられたのか、 博物館スタッフの方はとても親切に説明してくださった。オートバイ好きには、足を伸ばす価値ある博物館で、マン島などに行かれる方は立ち寄るとよいと思う。
急遽組んだロンドン近郊ツーリングは満たされた気持ちで帰路につくことになった。
フェルメールこそ見逃したが、充実の航空博物館は何度も訪れたい場所であったし、充実のオードバイ博物館は思わぬ見つけモノだった。点在するこれだけの博物館をテンポよく、郊外の風をうけながら巡ることができるので、足としてのバイクがあると、ひと味違う旅になる。 (次回に続く)