初の南半球への旅かつオートバイをレンタルしての旅。映画『ロード・オブ・ザ・リング』の雄大な自然に惹かれたのがきっかけ。山に海に大平原に氷河と見どころ盛り沢山、バイクで駆け巡るに最適の島であった。
クライストチャーチで借りたホンダのバイクもすこぶる快調で、レンタルバイク店のオーナー マットさんの子煩悩話もよき思い出となっている。
● クライストチャーチ国際空港(Christchurch International Airport)からバイクレンタル店(Te Waipounamu Motorcycle Tours)へ
● クライストチャーチ(Christchurch)でオートバイを借りる
● ニュージーランド南島の真ん中に位置する テカポ湖(Lake Tekapo)へ
● テカポ湖で広すぎるコテージを格安で借りる
Christchurch→Lake Tekapo 280km
● クライストチャーチ国際空港からバイクレンタル店 Te Waipounamu Motorcycle Tours へ
初のニュージーランドへの旅。レンタカーにしようか迷ったが、オートバイをレンタルすることにした。今回の旅程には各種映画のロケ地巡りがあり、奥まった道を走ることが予想される。そして、せっかくの大自然の下を走り回ることができる機会なので、取り回しの楽なバイクで風を感じながら巡りたいと思ったからだ。
今回の旅は、クライストチャーチ国際空港に到着直前、機内から眺める遠景が映画『ロード・オブ・ザ・リング』的景色でかなり興奮する状態から始まった。この景色を見て、やはりオートバイを選択してよかったと感じた次第。
ニュージーランドと日本の時差は4時間。この程度であれば時差ボケもなく身体にはかなり楽だ。時間はニュージーランドが先行しているので、日本との連絡もなにかと余裕をもって行うことができる。飛行時間は約11時間で、夜便であれば昼前に現地に到着し、初日から時間を有効に使えるのも好都合だ。尚、直行便ではない場合は、バンコクやシンガポール経由となってしまい、所要時間が大幅に増えるので注意が必要である。
今回は18時30分に成田を発ち、翌日10時頃にクライストチャーチ国際空港に到着した。この到着時間であると、車両をピックアップして午後一番からオートバイを乗り出せる好都合な展開になる。
空港からバイクレンタル店までタクシーに乗ることにした。バイクツーリングの時はヘルメットや雨具など持参する荷物が多いこともあってレンタルバイク店まではタクシーを使うことも多い。たいていの場合、こういったレンタルバイク店は街中から少し離れたところにあるので、タクシーでさっと行く方が便利だ。
また、タクシーに乗ると、その国の交通事情を手際よく理解する良い機会になるので、重要だったりもする。窓越しに道路標識を眺めたり、交差点に慣れたり、タクシーに乗るとなんとなく交通ルールの雰囲気がわかるのだ。今回は、ラウンドアバウトの復習もこのタクシー乗車で済ませた。
● クライストチャーチ(Christchurch)でオートバイを借りる
選択したレンタルバイク店は「Te Waipounamu Motorcycle Tours」。インターネットで探し出し、メールをするとオーナーのマットさんが丁寧に対応してくれた。メールにてバイクに付属している装備を確認したところ、彼はバイクに取り付けられたパニアケース(サイドの収納ボックス)、トップケース(後部のボックス)、フロントスクリーン(風防)などの写真を事前に送ってくれるなど、とても頼もしい。
バイクで持ち運ぶのは、私と妻の2人分の荷物。数日分となると、それなりの大荷物だ。これに雨具や修理キットなどのバイク旅行で必須の荷物が加わる。その為、バイクの積載量の把握は四輪のクルマ以上に重要であり、事前に各ケースの容量がわかるととても助かるのである。今回はサイドのパニアケースがかなり大きかったので、予定していた荷物はすべて搭載できた。
また、フロントスクリーンがない場合は、向かい風の中を長時間走り続けると、夜は肩こりに悩まされることになる。意外とフロントスクリーンの存在は大事である。以前、アメリカでオートバイを借りた際は、レンタル時にバイク車種を替えられてしまい、数日間走り続けて砂漠の風に悩まされたことがある。
レンタルしたバイクは Honda VT1100。さすがホンダ車で、まったく不安を感じさせない安定した挙動である。そして何よりもアメリカンタイプであるのがいい。のんびりと長距離ツーリングをする際には、このアメリカンタイプが最適だ。車高が低いため、多少の悪路を走っても、また少々風や雨が強くなってもしのぎやすい。そのうえ前屈みにならなくて済むので運転中の肩への負担も少ない。
レンタル料金は一日当たり150NZドルであった。これに対してBMWやハーレーだと一日当たり250ドル以上になる。日本車はどこの国でもレンタル料金が一番安い(笑)。
● ニュージーランド南島の真ん中に位置する テカポ湖(Lake Tekapo)へ
本日の目的地はニュージーランド南島のど真ん中に位置するテカポ湖(Lake Tekapo)。ニュージーランドの都市はどこも日本に比べれば小さいため、クライストチャーチの街を出るとすぐに大自然の真っ直中に放り出される。そのうえ人口密度が低いので他の自動車とすれ違うこともほとんどなく、とりわけ自然を身近に感じることができる。
丁度高台に来たので、雄大なラカイア川(Rakaia River)の流れを眺めながら、途中で購入したサンドイッチを食べる。車もほとんど通らず、静かな自然の中で食べる食事はなんだって美味しい。
山に入る前に現金を降ろしておこうと思い、田舎町でATMを使ってみた。すると、なんと日本語表示可でかなり驚いた。
● テカポ湖で広すぎるコテージを格安で借りる
今回の宿泊地は風任せで現地で決めることにしていた。雨がしとしと降ってきたのもあって、急ぎテカポ湖のインフォメーションに向かう。
インフォメーションでは、親切な方が対応してくださり、1万円ほどでコテージが借りられると聞き、早々に決定。湖の見える高台にあり、なかなか素敵そうだ。
雨具を再び着るのも面倒なので、コテージには荷物を降ろして、すぐに自炊の為の食材を買いに湖畔に戻る。湖畔には大きなスーパーがあり、地元のステーキ肉とニュージーランド産のワインを買って来た。日本で入手できるニュージーランドワインは種類が少なく、お値段もちょっと高めだが、地元では種類も豊富で価格もかなり控えめである。
食材を携えて、コテージに戻り、改めてコテージ内をゆっくり見て回る。ベッドルームが3つもあり広すぎるが、その分キッチンには調理道具や食器が充実しており、便利そうである。
このコテージには薪ストーブまであり、裏庭には薪がたんまり積んである。テカポ湖の裏にはサザン・アルプス(Southern Alps)をひかえており、夜は冷え込むので、薪ストーブはありがたい。早速、今日のツーリングで濡れた装具を薪ストーブ前で乾かす。
そして、軽くシャワーを浴びた後は、ステーキを焼き、値段にしてはかなり美味しいニュージーランドワインを楽しむ。
食事後、一息ついていると、あれだけシトシト降っていた雨もやみ、なんと空はテカポ名物の満点の星空となっていた。ニュージーランドは南半球の広大な海の真ん中に位置しており、空気が綺麗な上に、ここテカポは人口が少ない高台で星を見るのに最適。そして、日本では見られない「南十字星」などを見ることができ、天体観測ツアーまだ組まれている観光地なので、これは幸運である。
ワインをテラスに持ち出し、星空を眺めながら晩酌を楽しんだ。(次回に続く)