BMW C650GT を購入し、前オーナーがつけていたスマホナビがちょっとした遠出に便利そうなのと、シートヒーターが快適なので、日頃の足として使っている250ccのスクーター「ホンダ フォーサイト」も少し手を加える気になってきた。
そこで、スクーターのフロント部分にはUSBポートとシガーソケットの2つの電源を付け、スマホと電熱ベストへの給電を可能にした。また、シート下にはバッテリー直結のシガーソケットを取り付け、走行時のモバイルバッテリー充電や地震災害の際の非常用発電機に代替できるようにもした。
このホンダ フォーサイトには10年以上乗っており、その前の車種もフォーサイトであった。かれこれ17年この車種に乗っていることになる。いい加減、街中でも見かけなくなった車体だが、小型の車体に250ccのエンジン、シート下の広い収納スペースと今のスクーターにはない魅力がまだある。現在の距離計は4万キロ超、リアサスペンションやバッテリーも交換し、前輪タイヤなども新調したばかりなので、まだまだ活躍しそうだ。
● スクーターのヒューズボックスから電源をとる
● ヒューズ電源の取り付けと配線の取り回し
● USBポート+シガーソケット(電源くん3)の 取り付け
● スマホナビの為にスマホホルダー RAM MOUNTSを取り付ける
● 寒い時の強い味方、電熱ウェア 電熱ベスト
● 非常用発電機としてスクーターを活用する
BMW C650GT の装備については、以下のブログ記事の「BMWのビッグスクーターの魅力」をご参照ください。
フォーサイトのバッテリー交換については、以下のブログ記事の「ホンダ フォーサイト EX バッテリー交換」をご参照ください。
● スクーターのヒューズボックスから電源をとる
バッテリーから直に電源をとることも考えたが、電源をフロントに設置すること、キーのオンオフと連動させて無駄にバッテリーが消耗することを防ぐ為に、ヒューズボックスから電源をとることにした。
・フォーサイトのフロントカバーを外す
ヒューズボックスはフロントのカバーを外したところにある。そこで、フロントカバーを外す為に、プラスティリベットと呼ばれる留め具を取り、フロントカバーを上にスライドさせて前にひっぱる、すると簡単に外すことができる。プラスティリベットは頭を引っ張ると下部の留め具部分がしぼんで抜けるようになるので、無理にひっぱらず頭部分だけを最初にひっぱってから抜く。
プラスティリベットは種類もサイズも様々だが、エーモンの型番 3804 で代用できたので、紛失した一方には、こちらを取り付けた。
フロントカバーを外すと右下にあるのがヒューズボックスである。ここから電源を取ることになる。
ヒューズ電源を取り付ける前にテスターで通電状態をチェックする。エンジンをかけるもしくはキーをひねって車体をスイッチをオンにした状態で、ヒューズボックス内のヒューズの頭の左の小さな金属部分(ヒューズ電源側)と車体アースとなる車体金属ネジをテスターで図る。この時に12Vの電流が流れていれば問題がない。
● ヒューズ電源の取り付けと配線の取り回し
ヒューズ電源と車体アースとなる車体金属ネジの通電が確認できたら、配線を取り回して、このヒューズから電源をとる。用いたのは エーモン フリータイプヒューズ電源(ミニ平型) DC12V・60W/DC24V・120W 2835
このヒューズ電源(ミニ平型) をヒューズボックス の1番下 10ヒューズもしくは下から2番目の15ヒューズに接続する。そして、ヒューズ電源の赤い線がつながっている線(プラス側)が向かって左(ヒューズ電源側)になるので、向きを間違えないように取り付ける。
ヒューズ電源 (ミニ平型) を取り付ける際に外したヒューズは、ヒューズ電源 (ミニ平型) についている黒いボックスに取り付けておく。
● USBポート+シガーソケット(電源くん3)の取り付け
USBポートやシガーソケット単体は安いものがたくさんあるが「電源くん3」を選んだ。防水の為にポートのフタがついていること、スクーター本体に強力な両面テープでしっかり装着できることがその理由である。バイクやスクーターは、どうしても細かな路面の振動が車体に伝わるのでパーツは固定を強めにしたほうがよく、風雨にさらされる為に電送パーツはある程度の防水の配慮はしておいたほうがよいだろう。
こちらの接続、設置は簡単である。電源ソケットにつながる線はフロントカバーの上面の隙間から出すようにした。ヒューズ電源(ミニ平型)赤い線は「電源くん3」の切りっぱなしのプラスコードに接続し、「電源くん3」のクワ型のボディーアースを先ほどテスターで通電テストをしたフロントの金属ネジにつなげれば完了である。
尚、ヒューズ電源の赤い線はギボシ端子になっているので、電工ペンチを用いて「電源くん3」側もギボシ端子加工をしておくと、今後の取り外しに便利であるし、着実に接続できる。
また、ギボシ端子の加工には、ギボシがいくつか付属している電工ペンチ セットを購入しておくと便利である。電工ペンチは、ちょっとした配線工事の際にもなにかと役に立つので、安物でも買っておくと重宝する。
結線が済んだあとは、電源ソケット本体をスクーターに取り付ける。風雨を避ける為にハンドル下で左側に付属の強力な両面テープで貼付けた。ただ、あくまでもテープによる固定なので、プラグの抜き差しにはソケット本体を押さえて行なう方が安全と思う。
● スマホナビの為にスマホホルダー RAM MOUNTSを取り付ける
・RAM MOUNTS ベース部 ミラーフレームベース
スマホホルダーやGPSの取り付けには昔からRAM MOUNTS(ラムマウント)シリーズを愛用している。バイクは微振動が絶えず、舗装状況によってはかなりの衝撃を伴うことがある。そのため、機器の取り付けには耐久性があり、ホールド感があるものを選ばないと、走行中に機器を落下させ壊す可能性がある。
バイクへのGPSの取り付け方法については、以下のブログ記事の「旅の思い出にかかせないGPS」をご参照ください。
そのために、今回も選んだのはRAM MOUNTS(ラムマウント)であり、 ベース部 ミラーフレームベース 11mmボルト穴用 ブラック RAM-B-252U をホンダ フォーサイトに取り付けることにした。これはフォーサイトのミラーの軸部分に取り付けるにちょうど良い。通常のオートバイにあるようなハンドルバーがあればもっと簡単に RAM MOUNTS を取り付けられるが、スクーターにはそれがない。そこで、ミラー下に取り付けるのが比較的簡単である。
・フォーサイトのスクリーンをはずす
ホンダ フォーサイトでは、ミラーの軸にRAM MOUNTS をかませる為にはスクリーンを外す必要がある。まずは、ハンドル左右上部と下部の計4本のネジを外すとフロントカバーが外れる。
フロントカバーが外れるとスクリーン下部がネジ止めされていることがわかる。この左右のネジ4つを5mm六角レンチで、中央の10mmボルトをレンチではずせば、簡単にスクリーンが外れる。
スクリーンが外せるとミラーをくるくると回せば外せるので、ミラーを外して、ミラーの軸にRAM MOUNTS ミラーフレームベース をかませる。
この時、ミラーフレームベース に ワッシャーを3枚ほどかませると、ミラーを取り付けた際にミラーの方向が丁度よくなる。
・RAM MOUNTS アームとマウント部 Xグリップ の取り付け
スマホナビを活用する為にBMW C650GTと全く同じ構成でRAM MOUNTS のツールを組んでみた。
バイクのスマホナビ取り付けについては、以下のブログ記事の「BMWのビッグスクーターの魅力」をご参照ください。
フォーサイトのミラーフレームベースから、まず アーム部 として、標準アーム アルミ 約93mm RAM-B-201U を用いる。
スマホをホールドするのは マウント部 Xグリップ ファブレット用 テザー付き RAM-HOL-UN10BU とする。このテザーと四方から強く握るXグリップでスマホが脱落したことは1度もなく、安心できるツールである。
● 寒い時の強い味方、電熱ウェア 電熱ベスト
真冬の走行は、長距離でなくとも辛い。ホンダ フォーサイトの後期車種ではグリップヒーターが付いているので、これにハンドルカバーを付ければかなり楽なのだが、身体も少しは暖をとりたかった。
そこでUSB接続の電熱ベストを使うことにした。中華製 電熱ベスト、ヒーターベストと呼ばれており、仕込まれた電熱線は少ないように思えるが、着用してみるとかなり暖かく、寒さを和らげてくれるどころか、小まめに温度調整が必要なほどであった。
スクーターのバッテリー容量は多くはないので、あまり電力消費が高いものは避けたい為、USB電源の電熱ウェアはちょうど良い。大型バイクで使用しているKLANの電熱ウェアは消費電力が高そうなので、こちらのほうが具合がよさそうだ。
電熱ベストの商品検索をすると数多あり、当たり外れがあるようだ。電源が入らない、暖かくならないなど問題があるようなので、検品して問題があればすぐに返品できるところで買うのがよい。
電熱ベストを選択する際のポイントとしては、スクーターを運転しながらスイッチ操作ができるものがよい。そのため、スイッチボタン形状やボタン位置が重要である。アウターの外からも触ってスイッチの場所がわかり、スイッチのオンオフを乗車中でもできるのが便利である。バイク用と決め込むなら腹側背側の切替えができるスイッチが2つあるタイプよりも、スイッチ1つのもののほうが便利かと思う。
また、電熱線が多すぎるものは電力供給が追いつかないこともあるから、あまり欲張らないほうがよい。とりあえず、こちらを購入したが今も問題なく使えている。
● 非常用発電機としてスクーターを活用する
工作ついでにシート下のバッテリーからもシガーソケットを出して使えるようにした。
まずは、バッテリーからシート下に線を出す為に、バッテリーの蓋部分に元から空いていた穴を、ドリルで更に拡げる。
配線が穴に通るようになったら、バッテリーのプラスとマイナスに端子を接続して蓋を閉じる。
直結では電気が流れっぱなしになってしまうと困るのでスイッチを間にかませる。
配線する際にはシガーソケットのプラス、マイナスを確認しておく必要がある。シガーソケットのマイナス側(黒線)は内側周囲の金属全面 で、シガープラグのスプリング(サイドの接点)と接触する部分であり、プラス側(赤線)はシガーソケット中央の金属面で、シガープラグの先端と接触する部分になる。
これを覚えておき、配線をする。
工作が終わったら電圧を測る。電圧計付き USB シガーソケット という便利なツールがある。これがあればいちいちテスターも使わなくてよいので重宝する。また、USB電源ソケットを兼ねてバイクに常備しておいてもよい。
エンジンを始動すると12V以上の充分な電源となっていることがわかる。シート下なので、こちらにモバイルバッテリーをつなぎ、走行中に充電しておくのもよい。モバイルバッテリーがあれば、先の電熱ベストを降車時にも使うことができるようになる。
また、カーインバーターのコンセントを使えば、ノートパソコンを含めてたいていの電気機器は使えるので、災害時の緊急電源として、非常用発電機にもなる。