スズキ バーグマン 200 インプレッション / 用途の広い中型スクーターの魅力

スズキ バーグマン 200 インプレッション / 用途の広い中型スクーターの魅力

日本でのバイクのEV化がまだまだ先になりそうなのと、13年も乗ったホンダのフォーサイトのエンジンから、カムの異音(タペット音)がし始めたのとで、スクーターを買替えることにした。
そこで、選んだのがスズキ バーグマン200。ロング車体が多いビックスクーターが流行する中、異色の小型車体、しかしトランクスペースは大きく、日常使いにもツーリングにも重宝しそうなのが選択の理由であった。
バーグマン 200 の選定理由
バーグマン 200 の魅力
・走行について
・エンジン特性について
・車体の振動について
・ウインドスクリーン(風防)について
・トランクスペース / 収納について
・シート / 足つき性について
・メーターについて
・外部電源 / シガーソケット
・サイドスタンドの傾き
魅力的な前オーナーの追加オプション
・Barsado スマホホルダーと電源供給
・別体型ETC
・パニアケースキャリア

● バーグマン 200 の選定理由

250ccのスクーターは車体の大型化が進み、今やホンダ フォーサイト程度の手頃なサイズ感の中型スクーターというのは皆無になってしまった。250ccとなるとエンジンはそこそこ力強く、車体が小型であれば街乗りにも便利だから、用途が多様になる。日常の買物にも使える一方、伊豆程度ならタンデムでツーリングにも出かけることができる。

ホンダ フォーサイトの前はホンダのフリーウェイに乗っていた。フォーサイトの全長が2070mmなのにタイして、こちらは全長が1840mmと更に小さい。排気量が250ccでありながら、現行の150ccスクーター(HONDA PCX150)より小さいのだ。しかもシート下にはゆとりある収納もついており、とても優秀な設計であった。

バーグマン200フォーサイトフリーウェイ
全長 (mm)2,0552,0701,840
全幅 (mm)740735730
全高 (mm)1,3551,4101,095
ホイールベース (mm)1,4651,4501,300
車両重量 (kg)161167145
ホンダ フリーウェイ / HONDA FREEWAY
ホンダ フリーウェイ / HONDA FREEWAY

最近の250ccスクーターのトレンドは、ボディだけがどんどん大きくなり、これまでの乗ってきたスクーターの流れとは逆行している。見栄えこそよくなっているが、使い勝手がどうにも悪そうだ。ちょっとした買物でスーパーに立ち寄っても、大柄な車体はバイク置き場で、もてあまし気味である。ゆとりある車体はツーリングにはよいかもしれないが、高速道路でのロングツーリングとなると250ccだと少し物足りない、もう少し排気量が欲しくなるところだ。

そこで、今回選んだ車種が スズキ バーグマン200、全長も重量もホンダ フォーサイトとほぼ同一で、シート下の収納スペースは広くとられている。排気量はフォーサイトより50ccほど少なくなったが、乗ってみるとパワー不足はさほど感じない。購入した車体は中古車だが、ETCや頑丈な後部パニアケース用のキャリア、スマホフォルダーがついているのが決めてだった。

● バーグマン 200 の魅力

スズキ バーグマン200 | SUZUKI BURGMAN 200
スズキ バーグマン200 | SUZUKI BURGMAN 200

・走行について

街乗りでは、軽妙に曲がるのでフォーサイトより乗りやすくなった。ハンドリングはキレが抜群によい印象である。フロント13インチ、リヤ12インチとホイール径が小さく小回りが効き、乗り出した時は曲がりすぎて戸惑ったほどだ。
お試し走行として近場の高速道路をタンデムで走ってみた。二人乗りでも追い越しは余裕であり、パワー不足も感じない。少々シートが堅いことが気になる程度で短距離のツーリングならば充分の性能である。

・エンジン特性について

加速は5000回転までマイルドで、人によってはもたつく感じを持つかもしれない。しかし、速度が乗った後はスッと伸びていくエンジン特性なので気にはならない。ちなみに最初からフルスロットルでの加速感はかなりのもので、同排気量のオンロードバイクより速い。スロットルを開けていると、そのままグングンとスピードがあがるのも気持ちが良く好印象だ。

・車体の振動について

バーグマンはうるさく、振動が激しいというレヴューを見かけたが、購入した車体ではさほどではなかった。ただ、街乗りで見かける同型車には振動やアイドリング時の音が大きいものがあったので、振動の問題は整備によるものかもしれない。
ちなみに、マフラーがリコールになった車番があり、該当車だったということで今回購入したバーグマンのマフラーは新品になっている。この新しいマフラーが振動や音を抑制する効果があるのかもしれない。

・ウインドスクリーン(風防)について

最近のスクーターにしては大きめのウインドスクリーンではあるが、フォーサイトに比べるとやや小さい。当初、この大きさで風よけの性能には不安に思ったが、高速走行時にしっかり風をよけてくれて疲れが溜まることはなかった。時速90~100km程度で長く走行しても、これならば疲れることはないだろう。そして、視認性も損なわない抜群のデザインである。さすがに長距離ツーリングの快適さは、大型バイクには負けるが、訪れた都市を観光する時は、かえってこちらのほうが取り回しが楽で好都合と思われる。

バーグマン200のウインドスクリーン
バーグマン200のウインドスクリーン

・トランクスペース / 収納について

シート下のトランクスペースは縦長となるのが一般的な形だが、バーグマンでは左右に膨らむ形でヘルメットを収納する際には横に2つ並べる形となる。言ってみれば真四角で底が深い為、どんなものでもうまく収納できる。車体の形状に合わせた曲線だらけの変形したトランクスペースよりも遥かに使いやすくて便利だ。容量は41L、インカム付のヘルメット2つと雨具がしっかり納まった。

バーグマン200のトランクスペース
バーグマン200のトランクスペース

・シート / 足つき性について

シートはやや硬めだが、タンデムもしやすい上に足つき性が高く、日本人の体系に合わせた良い設計がなされている。また、シート下のトランクは独特の四角い形状だが、それに合わせてうまくデザインもされている。足つき性はシート高が低めの735mmとあって悪くない上に、ステップの足元部分がえぐって、絞り込んだデザインとなっているので、そのままスッと脚を降ろすことができる。

バーグマン200のシェイプされたステップ
バーグマン200のシェイプされたステップ

・メーターについて

メーターは大きな回転計と燃費表示、エコドライブインジゲーターが付いているのが特徴である。トリップメーターは2つの設定ができ、各々で燃費計算をしてくれる。また、水温警告やハイビームなどすべてがここに表示される。エコドライブインジゲーターは燃費のよい運転時に点灯するが、これがあることで意外にも燃費を気にかける運転をするようになってきた。

バーグマン200のメーター
バーグマン200のメーター

・外部電源 / シガーソケット

フロントボックス内部には12V36Wまで使用できるシガーソケット(アクセサリーソケット)が標準でついている。これにUSB変換のシガーソケットを指せば、スマホの充電などに重宝である。その際に電圧計付きのシガーソケットを選ぶと電圧を測りながら充電ができるのでなにかと安心である。

フロントボックス内のアクセサリーソケット
フロントボックス内のアクセサリーソケット

・サイドスタンドの傾き

特記すべきこととして、バーグマン200でサイドスタンドを使用すると車体が大きく傾く。慣れるまでは少々驚くくらいだし、車両間隔が狭いバイク置き場では苦労する。駐車場ではこの傾きを嫌ってか、センタースタンドを使っている方も多いようだ。但し、前に乗っていたフォーサイトが逆に傾きが浅く、坂道では不安を覚えることがあったので、好みの問題かもしれない。

同型車2台とも車体の傾きは大きい
同型車2台とも車体の傾きは大きい

● 魅力的な前オーナーの追加オプション

・Barsado スマホホルダーと電源供給

Barsado と記されたスマホホルダーは、スマホのグリップ感が確かで、走行中に緩むようなことはなかった。ネジ固定なので取り外しが少々面倒だが、これくらい確実にスマホを押さえてくれるほうが安心である。このスマホホルダーに加えて、前オーナーがハンドル内にUSBケーブルを這わせ、このスマホホルダーの下までUSBケーブルが延長されている。スマホのカーナビ使用中に電源供給ができる為、これには重宝している。

スマホホルダーへの電源供給
スマホホルダーへの電源供給

・別体型ETC

最近の首都高はETC専用入口が増えてしまっており、バイクにもETCが必須になってきている。しかし、バイク用のETCは機器の選択肢も少なく、機器毎に登録が必要となっていて煩雑だ。このETCの登録は個人ではできずバイク屋を通じて有料でおこなうようになっている為、個人でETC機器の取り付けるにはハードルが高い。そこであらかじめETC取り付け済の車体には助かった。

ETCは右上のフロントボックスへ
ETCは右上のフロントボックスへ

・パニアケースキャリア

DAYTONA デイトナ マルチウイングキャリア バーグマン200用が取り付けてあった。後部座席のステーを交換して取り付ける為、かなりガッチリ固定されるので、心強い。

DAYTONAのキャリアは優れていることに、GIVIのキャリアーケースを取り付ける際に「への字型の金具(GIVI リアボックスパーツ スクリューセット)」が不要である。ビス穴が適当な所に開けてあるので直接ベースプレートをネジ止めできる。取り付けたベースプレートは「GIVI モノキーケース用ベースプレート」である。フォーサイトの時よりステーがしっかり固定でき安定度も抜群である。

GIVI モノキーケース用ベースプレートの取り付け
GIVI モノキーケース用ベースプレートの取り付け

尚、こちらのキャリアはデイトナからリコール「マルチウイングキャリア BURGMAN200(品番79265)に関するお願い」が出ており、古い型番では補強となるサポートブラケットを追加取り付けする必要がある。取り付けは車体への穴開けも伴うので、可能ならバイク店で取り付けをしてもらったほうがよいだろう。

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ニュージーランド編
*海外でのオートバイレンタル方法記事

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