本場のコンサートホールを再現する / よき機器と出会い、オーディオが届いた日

海外のコンサートホール、かつての歴史的なコンサートや名演に誘ってくれるのが自分にとってのオーディオ。なぜ旅ブログでオーディオか、というお話になります。

・オーディオとの馴れ初め

オーディオとの馴れ初めは、社会人1年目の大借金から始まった。慣れぬ仕事と残業の日々で、大学時代のヨーロッパ旅行への思い出にしょっちゅう逃避していた(笑)。そして、旅の最中に聴きまくった夜ごとのコンサートの記憶を懐かしんでいた。

それで、この記憶を定着させたく、ついに清水の舞台から飛び降りた気持ちで、購入したのがこの時のオーディオセット。その後、長らく借金返済に悩まされながらも、若き頃に自分に投資する大切さを教えてもらったのも、この買い物だった。

学生時代の旅行ではヨーロッパ中のコンサートホールを巡って、その響きとその芳醇な音に魅了された。少しでもそれらのホールの音響に近い音を自宅で再生したいと思ったのが、良いオーディオが欲しいと思ったきっかけ。

・運命のスピーカー マーティンローガンに出会う

そして、表参道のとあるオーディオショップで、マーティンローガン(MartinLogan)というスピーカーを聴いたことが運命の出会いであった。コンデンサー型スピーカーなどという存在は全く知らなかったが、一聴しただけで、旅先で聴いたホールがそこに存在するのが感じ取れた。そして、そのスピーカーから出る繊細で音場感ある音に完全にまいってしまった。一聴すると、ダイナミックさは、そこそこなのだけれども、目の前にアムステルダムのコンセルトヘボウの会場がぐわーっと拡がる、教会音楽では教会の高い尖塔に達する天井高が目に浮かぶような音場表現だった。そして、デザイン!! 透明なフィルムを蜂の巣状のパネルが挟み、たいそうモダンで、ここから音がでるのも不思議だった。

スピーカー:MartinLogan Sequel 2

・真空管アンプ(管球アンプ)の逸品を薦められる

このコンデンサー型スピーカーを駆動させるには、パワーがあって音も濁らせないアンプが必須とのことで、中古ながらそちらのお店でプリアンプパワーアンプともに管球式を薦めてもらった。

プリアンプ:Audible Illusions Modulus2
パワーアンプ:QUICKSILVER AUDIO Mono Block

8417という真空管がKT88ほどメジャーではなく、真空管交換時にはその入手に四苦八苦したのも今となってはよい思い出である。アメリカのスピーカーとアンプなのだからと、GE製にこだわったので余計希少性も高く、横浜まで買い出しに行ったことを覚えている。と言っても、真空管アンプはコンデンサーアンプに比べて、真空管を交換すれば新品のアンプに生まれ変わるのだからお得感もあって、そんなことも嬉しかった。

・レコードプレーヤーは叩いても音飛びしない

当時はまだレコードも流通していたのでレコードプレーヤーにも奮発した。日本で主流だったダイレクトモータードライブではなくベルトドライブ、更には筐体がバネで浮いており、再生中に手で筐体を叩いても針が飛ばないと言う驚きの構造であった。

レコードプレーヤー:SOTA sapphire

・CDプレーヤーはフィリップス CDM-4搭載

CDプレーヤーは、ちょっと後から購入した。当時のCDプレーヤーと言えばフィリップスで、スイング・アームのドライブメカ CDM-4がとても評判がよかった。デザインは今でも通用する曲線を生かしたもので、美しいCDプレーヤーだった。

05オーディオ日
CDプレーヤー:PHILIPS LHH300

多分、無理をして、この時オーディオシステムを購入していなければ、真摯に音楽に向き合うことにもならなかっただろうし、あれだけ聴きまくったヨーロッパでのクラシックコンサートのことも記憶の彼方となってしまったことだろう。もっと言えば、あれから四半世紀以上経っても、ヨーロッパに再び音楽を聴きに行き、自分の音楽観も結果的に拡げてくれたのは、この時の無茶とも思える買い物の結果だったと思う。

<<この時のシステム構成>>
 スピーカー:MartinLogan Sequel 2
 プリアンプ:Audible Illusions Modulus2
 パワーアンプ:QUICKSILVER AUDIO Mono Block
 レコードプレーヤー:SOTA sapphire
 トーンアーム:GRADO
 CDプレーヤー:PHILIPS LHH300

10年ほど前にスピーカーを買替え、今ではアンプもデジタルアンプに変えてしまった。ただ、今でもオーディオが届いた日のときめき、深夜に薄くぼんやり光る真空管の灯、スネアブラシの細いワイヤーが1本1本ドラムに当たるような繊細な音を思い出す。

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