オートバイの空気圧は、こまめに確認する必要がある。タイヤの空気圧が不足すると、後輪はスリップしやすくなり、前輪はタイヤが切れ込みやすくなるため、ハンドルを取られる危険もある。
そもそもタイヤの空気が抜けた状態では、タイヤに大きな負荷がかかり、変形したまま走行することになる。その結果、タイヤの劣化も早まる。
また、空気圧が不足した状態で走行すると、本来摩耗するセンター部分だけでなくサイド部分の摩耗も進み、ブロックパターンも不均等に減ってしまう。タイヤのひび割れにつながることもある。
そこで、今回はバイクの空気圧を手軽に管理するための道具を紹介する。ガソリンスタンドの空気入れを使うためのエアバルブ用アタッチメントから、自宅で使える電動エアコンプレッサー、さらにその使い勝手を大きく改善するエアチャックまで、実際に使って便利だったものや旅での活用方法を紹介していく。
○ ガソリンスタンドでバイクの空気を入れる方法
○ 自宅で使える電動空気入れ・エアコンプレッサー
○ 旭産業C-645でバイクの空気入れがさらに便利になる
○ バイクの空気圧管理とトラブル対策を快適なツーリングにつなげる
・長旅では定期的にエアチェックを行う
・パンクを経験して実感したエアポンプの必要性
・バッテリー上がりにもジャンプスターターを
○ ガソリンスタンドでバイクの空気を入れる方法
オートバイのタイヤの劣化を避けるため、私は定期的にガソリンスタンドでエアを補充するようにしている。最近はセルフ式のガソリンスタンドも多く、備え付けのエアキャリアー(タンク式のタイヤ空気入れ)を自由に使えるため、好きなタイミングで空気圧を調整できて重宝する。
このようなスタンド備え付けのエアキャリアーを使う際に便利なのが、エアバルブ用のアタッチメントである。ガソリンスタンドのエアキャリアーは4輪用が多く、バイクのエアバルブには使いにくい。
自動車用のノズルは真っ直ぐ伸びているため、バイクのエアバルブにそのまま差し込むのが難しい場合がある。無理に取り付けようとすると、エアバルブの根元を曲げながら空気を入れることになり、バルブへの負担も大きい。さらに、ノズルとバルブをうまく密着させにくいため、空気漏れに悩まされることもある。
また、バイクのエア補充では、ディスクブレーキが邪魔になり、エアバルブの先端に手を入れるための隙間がほとんどないことも多い。片側ディスクブレーキのスクーターでも、後輪の片側にはエンジンなどの機構があるため、エアキャリアーのノズルだけでなく、自分の手を入れることさえ難しい場合がある。
そこで役立つのが、タイヤ側のエアバルブの向きを変えるエクステンションやジョイントである。
エア補充の際は、少しかがんだ姿勢になり、エアキャリアーのノズルを押さえながら作業することになる。このエアバルブジョイントを使えば、バルブの向きを変えられるため、作業姿勢もかなり楽になる。
エクステンションは小型なので、持ち歩くのにも適している。スクーターの工具入れに忍ばせておけば、ツーリング先で空気圧を調整する際にも便利である。
ただし、エクステンションは、バルブとディスクブレーキとの隙間などを考えて、ノズル部分の角度を選ぶことが重要である。角度によって使いやすさに大きな差があり、バイクの車種によっても適した角度は異なるためだ。自分の場合は現在、135°のものが重宝している。最初に購入するのであれば、角度の異なる3個セットのエアバルブエクステンションを選び、自分のバイクに合う角度を試してみるのもよいだろう。
○ 自宅で使える電動空気入れ・エアコンプレッサー
普段使いしているスクーターでは、タンデム(2人乗り)や買い物で大量の荷物を積むこともある。そのためタイヤの空気圧をこまめに確認し、必要に応じて補充する必要がある。
そこで、4輪用として販売されている電動空気入れを、バイクのエア補充にも利用することにした。ネットで「電動エアコンプレッサー」や「電動空気入れ」と検索すると、さまざまな製品が見つかる。
選ぶ際には、空気圧を正確に設定・計測できることに加え、交換用バッテリーを入手できる製品がよい。家庭用掃除機などとバッテリーを共有できるメーカーで電動空気入れも揃えておけば、バッテリーを使い回せるので便利である。
これらの製品には、自転車やボール、浮き輪などに使えるノズルやアダプターが豊富に付属しているものも多い。1台あれば、バイクだけでなくレジャーや日常生活でも重宝する。
ただし、バイクの空気を入れる際にはしゃがんで操作するため、軽量で取り回しのよいものが使いやすい。また、稼働音を気にする人もいるだろうが、バイクのエア補充なら作業時間は1分程度であり、屋外で使用することを考えれば、自分はそれほど気にならなかった。
また、費用を抑えたいのであれば、中国製の電動エアコンプレッサーも選択肢になる。ただし、製品によっては付属の空気圧計(エアゲージ)の精度に不安があるため、別途エアゲージを用意しておくと安心である。
このエアゲージは、安価でありながら精度にも定評のあるエーモン製で十分である。エア漏れも少なく、エア抜きボタンが付いているため、空気圧を測りながら適正値まで調整できる。
また、バイクで使うエアゲージは、ホース付きタイプをおすすめしたい。先に述べたように、オートバイのエアバルブは狭い場所にあることが多い。固定式の短いタイプでは、金属パイプ部分が邪魔になり、測定時に扱いにくいからである。
○ 旭産業C-645でバイクの空気入れがさらに便利になる
ここで、電動空気入れをバイクのエア補充用としてさらに使いやすくする便利なアタッチメントがある。エアゲージなどを手掛ける旭産業のバイク用エアチャック「C-645」である。
C-645は、オートバイのタイヤバルブに合わせたL字形状になっている。そのためエアバルブにしっかり押し付けることができ、空気漏れも少ない。ストッパー方式のチャックとは異なり、エアバルブにねじ込む必要もない。軽く押し付けるだけで使えるため、狭い場所にあるバルブでも、手軽かつ確実に空気を入れられるのが大きなメリットである。
このエアチャックC-645は、旭産業の変換アダプター「P-D48」を介することで、手持ちの電動エアコンプレッサーにも取り付けられる。C-645へのアダプターの取り付けも、ねじ込むだけなので簡単である。

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実際に、手持ちの中華製電動空気入れ「FYLINA 電動エアコンプレッサー」に取り付けてみたところ、問題なく接続できた。

ちなみに アイリスオーヤマの充電式エアコンプレッサもマキタの充電式空気入れも先端ノズルが交換できる方式なので、このアダプターを利用できる。

この旭産業のエアチャックC-645を取り付けたことで、電動エアコンプレッサーの操作性は格段に向上した。手を入れにくい場所にあるバイクのエアバルブでも、C-645を軽く指で押さえるだけで空気を補充できる。空気漏れも少なく、手も汚れない。何より作業が簡単になったことで、以前よりこまめにエアを補充するようになり、常に適正な空気圧を保ちやすくなった。

現在使っている中華製電動空気入れ「FYLINA 電動エアコンプレッサー」は、自転車用として安価なものを購入したものだが、今回のオートバイのエア補充にも問題なく使えている。
また、エーモンのエアゲージと比較してみたところ、電動エアコンプレッサーに付属する空気圧計も正確だった。そのため、現在では日常的なエア補充で別途エアゲージを使うことはなくなった。

いつも適正な空気圧を保ったタイヤで走ると、バイクは快適で楽しい。街乗りでもロングツーリングでも、出発前に自宅で簡単にエア補充できる環境を整えておけば、空気圧の管理がぐっと身近になる。
電動エアコンプレッサーにC-645のようなアタッチメントを組み合わせることで、これまで面倒だったバイクのエア補充が、ずいぶん手軽になった。私にとっては、快適なバイクライフを支える小さな道具のひとつである。
○ バイクの空気圧管理とトラブル対策を快適なツーリングにつなげる
・長旅では定期的にエアチェックを行う
事前にエアを補充していても、長距離ツーリングでは、旅先で空気圧を確認し、必要に応じてエアを補充することがある。特に積載量が多くなったり、タンデムで走行したりする場合は、タイヤへの負荷も大きくなる。そのため、長旅の際には、小型のエアポンプ(空気入れ)を持参することをおすすめしたい。

また、ツーリングでは終日走り続けることもあるので、空気圧のチェックは欠かせない。エアポンプには空気圧が表示されるため、チェックを兼ねて、数日走ったらその都度エアを補充している。
そもそも適正な空気圧を保っているとバイクの走行も楽で、ツーリングが楽しくなる。そのため、最近では旅先でのエアチェックがすっかり習慣になっている。

・パンクを経験して実感したエアポンプの必要性
この小型エアポンプの必要性を強く感じたのは、以前、北海道の人里離れた場所でパンクを経験したことがきっかけである。旅先で突然パンクしてしまい、たいへん難儀した。その時は、近くにいたツーリング中のライダーに助けていただいた。
そのライダーは、ご自身の小型空気入れを貸してくださり、空気を入れるのを手伝ってくださった。ところが、空気を補充してもすぐに抜けてしまったことで、タイヤがパンクしていることがはっきりとわかった。そこでJAFを呼ぶことができたのである。
この経験から、小型エアポンプの必要性を強く感じた。

到着したJAFの方は、すぐにパンク修理を行ってくれた。強力なエアポンプも備えており、手慣れた作業ですぐにパンクの穴を塞いでくれた。

しかし、タイヤ内部の亀裂が予想外に大きく、パンク修理キットでは対応できなかった。やむを得ず、JAFのトラックでバイクを搬送してもらい、最終的には工場で修理することになった。

仮に、この時にパンク修理キットで処置ができ、走行可能になったとしても、やはり手元にはエアポンプを持っておきたい。パンク修理はあくまで応急処置であり、その後も少しずつ空気が抜けて空気圧が低下する可能性があるからだ。
前述したように、ガソリンスタンドのエアポンプは、適切なジョイントがなければオートバイのエアバルブに直接接続できないこともある。さらに、僻地ではJAFなどの救援をすぐに受けられるとは限らない。
安価で小型のエアポンプも各種発売されているので、オートバイで長旅をするなら、やはり一台を旅のお供として持っておきたい。
・バッテリー上がりにもジャンプスターターを
小型のエアポンプに加えて、もう一つ旅に持参しておきたいのが、小型ジャンプスターターである。ジャンプスターターとは、バッテリーが上がってしまった際に、一時的に電力を供給してエンジンを再始動させるための携帯用バッテリーである。
朝、突然バッテリーが上がっていることが稀にある。バッテリーの劣化が原因の場合もあるし、バーグマン200の場合はシートが閉まっておらず、シートランプがつきっぱなしだったことが原因だったこともある。
いずれにせよ、このような場合でも、ジャンプスターターが一つあれば、バイクを再始動して、対処できる場所まで自走できる。あとはバッテリー充電器で充電するか、必要であればバッテリーを交換すればよい。

ジャンプスターターも、最近では比較的安価なものが出回っているので、ツーリングの備えとして一台持っておきたい。小型タイプなら、スマートフォンなどのモバイルバッテリーとして使えるほか、懐中電灯の機能を備えたものもある。
コンパクトで持ち運びもしやすいため、ジャンプスターターとしてだけでなく、モバイルバッテリーや非常用ライトとして考えれば、無駄にはならない。長旅の際には、エアポンプとともに小型ジャンプスターターも携行しておきたい道具の一つである。

















