冬を越して久しぶりにBMW C650GTにまたがったところ、エンジンが始動しなかった。メーター類は点灯していたが、バッテリーの寿命のようである。乗らない期間中も数ヶ月おきにBMW純正のバッテリー充電器で充電していたが、それでも充電が追いつかなかったのだろう。中古で購入してから4年以上が経過しており、バッテリーもそろそろ交換時期を迎えたと判断した。
○ BMW純正 ヘラープラグ付バッテリー充電器でマメな充電
○ メガパワーの互換バッテリーとその利点
○ BMW C650GTのバッテリー交換工具
○ BMW C650GTのバッテリー交換手順
○ BMW純正 ヘラープラグ付バッテリー充電器でマメな充電

やや古い話になるが、以前のBMWバイクには「ヘラープラグ」と呼ばれる電源プラグが装備されていた。このプラグは電熱ウェアへの電源供給だけでなく、家庭用コンセントからのバッテリー充電も可能とする優れものであった。
このヘラープラグを使う純正充電器は、差し込んでスイッチをONにするだけで自動的に充電が始まり、充電中は赤ランプ、完了時には緑ランプが点灯するという親切設計である。
以前所有していたBMW R1150RはABS搭載車で電力消費が激しかったため、この充電器を頻繁に使用していた。その名残もあり、C650GT購入時に同様のヘラープラグをシート左側に追加装着してもらった。
→ BMW C650GT 購入時のインプレッション記事はこちら
これにより、本体カバーを外さずにバッテリー充電が可能となった。もう1台の足としてバーグマン200を所有しているため、冬場はC650GTに乗る機会が少ない。そのため、バッテリー保護の目的で、この充電器を用いた定期充電を行っている。
○ メガパワーの互換バッテリーとその利点
BMW C650GTの指定バッテリーは、Yuasa YTX14-BSである。純正品は割高なのでいつも互換品を選んでいる。今回選んだバッテリーは、他車種でも使用実績のあるメガパワーのもの。取り扱い方法は正規品とまったく同じであり、サイズもぴったり同じに合わせて造られており取付けに困ったことはない。

これまでの使用経験から、メガパワー製はバッテリー寿命の面でも信頼性が高いと感じている。

○ BMW C650GTのバッテリー交換工具
バッテリーの交換時にBMW車特有の星形トルクスネジに対応するビットソケットは必須である。それ以外に必要な工具はプラスドライバー程度で済む。
・トルクスネジ用ビットセット ビットソケットセット T8-T60
C650GTの作業にはT25が必要。以前、R1150RではT20とT40が必要だったが、今回はT25一本で済んだ。Amazonのこちらの低価格商品でも十分使用に耐えるのでお薦めである。
・ラチェットハンドル
ソケットレンチ用のハンドル。ラチェット機構により片方向にしか回転せず、狭所作業でも有効。今回のバッテリー取付時にハンドルと交差して狭くなったネジが一つあるのであったほうが便利であった。

・T型スライドソケットハンドル 差込角9.5mm
バイクでネジを回すにはT型ソケットハンドルが便利。T型バーのおかげで多少力を入れることができる上に、くるくると遠心力でハンドルを回転させることによって楽にネジをはずすこともできる。今回は一カ所奥の深い所にネジがあり、その際に役に立った。
・ビットソケットセット用のアダプタ
T型ソケットハンドル差込角3/8インチ(9.5mm)を1/4インチ(6.35mm)に変換したり、電動ドリルドライバーに取り付けたりすることができるアダプター。所持しているソケットレンチなどが、すべてT型ソケットハンドルやラチェットハンドル、電動ドライバーにつなぐことができる便利ツールである。


○ BMW C650GTのバッテリー交換手順
以前の車種BMW R1150R のバッテリー交換があまりにもたいへんだったので、BMW C650GTを購入する際にはバッテリー交換方法を実演で確認させてもらってから購入した。その時、簡単な交換方法を目の当たりにしてホッとしたことを覚えている。
なにせBMW R1150Rでは、あちこちのネジを外し、シートやタンクを地面に降ろしてからの作業となり、たいそう時間と手間を要したからだ。
BMW R1150R のバッテリー交換記事はこちらをご参照ください。
それで、BMW C650GTのバッテリー交換である。
1.まずはフロント右サイドのカバーを外す。
ネジ位置は以下の写真の4箇所である。これをT25ビットソケットを用いて外す。



2.4本のネジを外したら軽く持ち上げ気味にサイドカバーを外して、床に置く。

3.バッテリー上部の奥に留め金を押さえるネジがあり、これをT25ビットソケットを用いて外す。

4.留め金を外したらバッテリーの上部の端子2本からプラスドライバーを用いてケーブルを外す。

5.バッテリーを手前に引き、取り外す。

6.新しいバッテリーの端子に配線する際に、純正品では必要なかった四角いナットが必要となる。互換バッテリーにはネジがきられていない為、このナットをネジの下に入れてプラスドライバーで締める。

7.バッテリーを押し込んだら、先の3.で外した留め金をプラスドライバーを用いてバッテリーにはめ、固定する。

8.フロント右サイドカバーを車体2つのフックにかけてはめ込む

9.先の2.で外した4本のネジをとりつけてサイドカバーを固定する。その際に手前下のネジ(写真緑丸部分)が差し込みにくいので、ここから取付ける。その際にサイドカバーを車体に向かって押しながら、ねじ穴が垂直にネジにあたるようにする必要がある。

10.サイドカバーを固定する4本のネジを締めたら完了。
