最近、どんどん進化し続けるスマートリモコン、Amazon Echo(アレクサ)やGoogle Homeによって音声指示もでき、家電製品のIoT化が普通なものになってきた。また、オーディオやAV機器ほどスマート化しやすいものはない。汎用品から高級機まで、オーディオ機器のほとんどがリモコンで操作でき、ひとつの部屋にまとめて置いてあるので1台のスマートリモコンを設置することで機器類すべて一元管理し、トータルでコントロールできるメリットがある。
特にホームシアターなどのAV機器類ではボタン1つもしくはアレクサに一声かけるだけで映画館のスクリーンから暗幕まで安価に自動化できるので重宝する。
今回は、オーディオ、AV機器のスマート化に最適なスマートリモコンをお薦めできるように Nature Remo mini 1、Nature Remo mini 2 、SwitchBot Hub mini とスマートリモコン 主要メーカー2社 3機種を比較し、あわせて SwitchBot スイッチ、SwitchBot カーテン、SwitchBot 温湿度計、赤外線リモコンコンセントなどオプションロボットの機能についてまとめた。
● リモコンをひとまとめにして一括管理できるスマートリモコン
● 古いリモコンのより確実な操作が可能になるスマートリモコン
● 紛失、故障のリモコンもスマートリモコンで復活
● Nature Remo mini 1 と Nature Remo mini 2 新旧比較
● SwitchBot と Nature Remo mini 2 の比較
①SwitchBot のほうがNature Remo miniよりもプリセットメニューが多い
② SwitchBotのほうがNature Remo miniよりも拡張性が高く、オプションのロボットが使用できる。(SwitchBot スイッチ SwitchBot カーテン)
● 温度や湿度管理(SwitchBot 温湿度計)、その他のオプション機器(オーム電機の赤外線リモコンコンセント)
● オーディオやAV機器に最適のスマートリモコン(まとめ)
● リモコンをひとまとめにして一括管理できるスマートリモコン
オーディオ機器、AV機器ではとにかくリモコンが増えがちだ。アンプのコントロール、DAC、ネットワークオーディオプレーヤー、CDの再生装置などがあり、これにAV機器が加わるとブルーレイやHDDレコーダー等の映像再生装置、モニターもしくはテレビなどが加わる。投影型のホームシアターを構築している場合はプロジェクターに加えて、スクリーンの上げ下げや遮光カーテンの開け閉めなども含まれ、これらのリモコンでテーブルが埋め尽くされてしまう。
この状態をスマート化するとすべてを画面1つで操作コントロールできるようになる。つまり、すべてのリモコンを手元のスマホやタブレットで一括管理できるのだ。この多くの数のリモコンから都度選んだり操作をする必要がなくなるメリットは大きい。そもそもリモコンを置く場所が不要になるので、机上も気分もスッキリする。
そして、案外よい塩梅なのがソファに横になって映画を観たり、音楽を聴いたりしている時にタブレットで操作できることだ。なにせ動かずに手元ですべてをコントロールできるのだから、快適なことこの上ない。音量はもちろん、選曲も手元ででき、更には空調などエアコンの操作や照明のコントロールも可能になってくる。寝転がったまま、これら一連の操作をタブレットで意のままに操ることができる。
オーディオルームの詳細については、以下のブログ記事「オーディオシステムの変遷-オーディオルーム編 / 長年の念願かなって反響を押さえた部屋をこしらえた、そしてホームシアター化へ」をご参照ください。
● 古いリモコンのより確実な操作が可能になるスマートリモコン
リモコンボタンがスマホやタブレットのボタンに置き換わるだけとお思いの方もおられるかもしれないが、実はスマートリモコン化でもうひとつ大きなメリットがある。リモコン機器は物理的に劣化する為か、機器の反応が鈍くなってくることがある。ボタンを押しても1回では動作しない、反応が遅くなったリモコンが1つ2つはあるだろう。
これがスマートリモコンになるとほぼ確実に赤外線の指令が機器に届く。スマートリモコンの赤外線は意外に強力で、一度登録してしまえばリモコン操作が確実で、何度も押したりするような手間や不具合から解消される。これが予想外に心地よいのだ。
● 紛失、故障のリモコンもスマートリモコンで復活
リモコンを紛失したり、故障したままの機器でも、スマートリモコンではメーカー毎に各機器の赤外線登録がされているプリセットメニューから選ぶことができるので、購入時のリモコンが故障紛失の際にも助かる。このデフォルトで用意されているリモコン(プリセットのメニュー)は主に照明やエアコン、テレビなど汎用の家電製品のみで、オーディオ機器のプリセットリモコンはあまりない。
但し、家電製品はなかなか故障せず、古い照明器具などを使っている場合もある。手元にもリモコンが故障した機器がいくつかあった。その際に、このプリセットのおかげで2つほどリモコンを復活させることができた。
また、故障したり紛失したりしたリモコンは型番を調べてヤフオクなどで安価なものを購入してスマートリモコンに登録してしまうのがよい。1度登録してしまえば、リモコン本体は不要になるので、赤外線がしっかり発光していれば汚れていようと問題ないので安価なものを選ぶのがよい。ちなみにリモコンが生きているか生きていないかもスマートリモコンの受信部に対して照射してみれはすぐにわかる。発光していれば必ず受光の登録画面に移行するからである。
● Nature Remo mini 1 と Nature Remo mini 2 新旧比較
最初に購入したのはNatureのスマートリモコンであり、現在はNature Remo mini 2(Remo-2W2)と旧モデル Nature Remo mini (Remo-2W1)を各々別の部屋で使っている。今回改めて新旧比べてみたが、見た目も大きさも使用感にも大きな違いはない。
新旧Nature Remoの大きな違いは新モデルのNature Remo mini 2(Remo-2W2)では、設定時にBluetoothが使えることである。確かに初心者やこういった機器操作が苦手な方には便利で、Remo mini 2ではスルスルとあっという間にWi-Fiなどの最初の設定が終わってしまった。ただ、これは一度きりの操作なので、特筆すべきことでもないだろう。
また、Remo mini 2からステータスランプの位置が変わって正面の大きな光が廃止され、側面の小さな発光になった。受光しているとランプが光る為、目印としてあったほうがよいと言う方もいるかもしれないが、いずれにせよ乳白色のボディの下でぼんやり光るだけなので、どちらでもあまり気にならない
そして、赤外線信号の飛距離が強化され約2倍となったらしいが、これも通常の部屋で使っているかぎり差は感じられなかった。ちなみに新旧ともに温度の内蔵センサーがついており、この性能差もあまりみられなかった。
尚、Remo miniの上位モデルであるRemoには、内蔵センサーに、温度に加え湿度、照度、人感が付いている。ただ、通常使用ではそこまでは不要であり、廉価版のRemo miniで充分である。
● SwitchBot と Nature Remo mini 2 の比較
現在、メジャーなスマートリモコンは SwitchBot と Nature Remo の2社がある。両方を使ってみたところ、オーディオ含めて大量の電化製品を扱おうとする場合はSwitchBotに軍配があがる。その理由は2つある。
①SwitchBot のほうがNature Remo miniよりもプリセットメニューが多い
先にあげた通りリモコン紛失などに対応できるプリセットは数が大いにこしたことがない。
また、リモコンのデザインもSwitchBotのほうが優れており、プリセットメニューが多い分、そのプリセットに追加機能を割り振って実物に近いリモコンボタンの配置が可能となる。リモコンの画面構成はリモコンの使い勝手に影響する為、これは重要である。
② SwitchBotのほうがNature Remo miniよりも拡張性が高く、オプションのロボットが使用できる (SwitchBot スイッチ SwitchBot カーテン)
SwitchBotにはオプションで「指ロボット」など、各種ロボットが用意されている。中でも 「SwitchBot スイッチ」 と呼ばれる「指ロボット」は、実際のボタンを押し引きできるので便利だ。これは電灯の壁スイッチ、風呂や床暖房などのガス器具、あとは全自動掃除機ルンバ等のボタンスイッチに取り付けることでスマート家電にすることができる。
SwitchBot スイッチの動作には2種類あり、単純にスイッチを押すだけのものと押したスイッチを引上げで「切る」動作もおこなうものと2つから選択できる。単純な仕組みなのだが小型の強力なモーターとしっかり張り付く両面テープによって、固いスイッチも楽々とON/OFFできる。
特に電灯の壁スイッチではスイッチボットが活躍する。壁スイッチをスマート化する工事には、電気工事士の資格が必要になり、工事も自分でおこなうにしては少々複雑である。また、スマート化する為のスイッチ交換にかかる工事費用も高額である。であるなら、両面テープで貼付けるだけの指ロボット(SwitchBot スイッチ)のほうが電灯の壁スイッチ工事より安価かつ確実だ。賃貸マンションなどの場合は引っ越し時取り外すだけでよいのも便利である。
そして、カーテンロボットの「SwitchBot カーテン」はホームシアターでは大活躍する。レールカーテンをロボットが開閉してくれるので、暗幕や遮光カーテンの開け閉めを自動化できる。遮光カーテン、スクリーン、プロジェクターをワンボタンで動作するように設定すれば、まるで映画館さながらの動作となるのだ。もちろん寝起きの際にAmazon Echo(アレクサ)に「おはよう」「おやすみ」と声をかけるだけで、カーテンが開閉するような使い方も可能なので便利なロボットである。
● 温度や湿度管理(SwitchBot 温湿度計)、その他のオプション機器(オーム電機の赤外線リモコンコンセント)
Nature Remo mini がSwitchBotより優れている点として、Nature Remo mini には温度計が内蔵されており温度をスマホ上に表示してくれる機能が標準であることだ。これは寒い日や暑い日、温度を見て帰宅前に外出先から冷暖房を入れることができるので便利である。オーディオとは無関係ではあるが、この機能を最初から欲しい場合はNature Remo miniがお薦めである。
尚、SwitchBot にも温湿度計が別売としてある。Nature Remo mini にはない湿度計がついている。SwitchBotもスマホやタブレット画面に温湿度を表示でき、こちらはグラフ付である。また、履歴データを取り出すこともできる。更には温湿度のアラームもついておりスマホに通知をしてくれる。高度に温度湿度を活用するコダワリのある方ならSwitchBotを活用するほうがよい。
また、オーム電機の赤外線リモコンコンセントも使ってみて便利だった。こちらは SwitchBotでも、Nature Remo でも使用できる。シンプルにON/OFFの2つのボタンしかない為、設定も簡単で、これをマニュアルでスマートリモコンに登録するだけである。赤外線リモコンコンセントはリモコンがない電気スタンドやオーディオ機器類など使い方は様々である。
● オーディオやAV機器に最適のスマートリモコン(まとめ)
・スマートリモコン化のメリット
-リモコンをひとまとめにして一括管理が便利
-老朽化したリモコンより動作が安定する
-紛失、故障のリモコンもスマートリモコンで簡単に復活する
・SwitchBot製品、Nature製品について
-Nature Remo mini 1 と Nature Remo mini 2 新旧にあまり差はない
-プリセットメニューが多く拡張性(オプションロボット)が高い為
SwitchBot のほうが Nature Remo mini 2 よりオーディオやAV機器には向いている